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視点のズレに要注意

私は仕事の役職では課長である。

とはいえ社内では役職をつけた
呼称は原則していないので
自分の役職を意識することは基本的にない。

しかし、最近とある会議に
参加するようになった。

それが中期経営計画を決める会議である。

本来ならば課長という役職では
この会議には参加しないのだが、
商品開発と言う仕事の特性上、
中長期の経営計画とダイレクトに関わるので
今年から参加することになった。

この会議では一体何をするかというと
経営環境をフレームワークを使って
分析を進めながら、向こう3年間の
会社の進むべき道を決めている。

そのフレームワークの中で
PEST分析というものがある。

P:Politics(政治)
E:Economy(経済)
S:Society(社会)
T:Technology(技術)

これらの4つのテーマで自分たちを取り巻く
機会(チャンス)と脅威を
リストアップするというものである。

自分たちのビジネスのすぐ周りだけではなく、
環境の変化などを書いていくことで、
自分たちのビジネスを取り巻く環境を
広い視野で見渡すことができるのが
このフレームワークのミソである。

そして先日各自で考えてきたPEST分析の結果を
メンバーの前で発表する機会があった。

このフレームワークは特性上、
社会情勢に対する知識の有無で書ける内容が
異なってくるのが一つの特徴でもある。

他のメンバーの発表を聞いていると
とある一人の発表で
なぜか不快感を私は感じていることに
気がついたのだ。

その人の発表自体は非常に全体を俯瞰しており、
とてもいいものだったのだが、
話し方にどうやらその不快感の原因があった。

それは「上から目線」の発表だったからである。

その人自身学んでいるからこそ
これだけの内容が書けることは間違いない。

しかし、学んでいるからと言って
その人が偉くなったわけではない。

経営計画を立てるという目的において
学ぶことは重要であるが、
知らない人に対してマウントをとるような
発表の仕方に私は不快感を覚えたのだ。

それと同時に私は彼がなぜこのような
話し方になってしまうのかを
考えていた。

もともと自己顕示欲の強いタイプというのも
一つの理由であるだろうが、
彼は社外向けの研修で講師を長年務めており、
その際の話し方がクセになっているのでは
ないかと推測した。

しかし、社外向けの研修と言えば
参加者はお客様になるのに、
このような話し方でなぜ受講者は
不快感を感じなかったのであろうか。

それは聞き手は何かをその人から
学ぼうと思って聞いているからである。

教える側と教えられる側は
本来対等な立場であるべきものだが、
人に何かを教える際には
教える側の視座が
多少高くなってしまうものである。

それゆえに学校の教壇は一段上がっているし
講堂などの舞台も目線が高く設計されている。

その人はその高い目線に慣れていたがゆえに
対等な目線で皆が議論すべき会議で
上から目線で話してしまったのではないだろうか。

このようなズレは聞き手のことを考えると
本来防ぐことができるものである。

聞き手が誰なのかを考えれば
少し視座を上げて話すべきなのか
対等な視点で話すべきなのかがわかるし、
そこに合わせていけるからである。

今回上から目線で発表をしていた彼は
内容自体は非常に良かったのだが
私と同じように不快感を持った人も
多かったようで、
何となくその後の議論も進まなかった。

今回の彼の事例は少々極端であるが、
聞き手の感覚と発信がズレることにより
思ったように伝わらないことはしばしばある。

こうしてnoteでの発信でも然りである。

読み手や聞き手の方が誰なのか、
その人たちが何を求めているのか。

それを考えることの重要性を改めて
感じさせてくれる機会となった。




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