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相手に受け入れられないことはあなたの問題ではない

先日とある映画を観た。

映画といっても新作のものを
映画館で観たのではない。

古い映画をスマホの小さな画面で通勤中に
観ただけであるが、映画は映画である。

何を観たのかというと、
1992年に公開されたアメリカ映画
「Love potion No.9」である。

とても古い映画であるが、
以前に観た「Miss Congeniality」で主演をしていた
サンドラ・ブロックが出ているということで
観てみることにしたのだ。

この映画の話はモテない生物学者のポールが
怪しげな手相鑑定を受け、
とある媚薬を処方されることから始まる。

とても非科学的で効果などないとゴミ箱にその媚薬を
捨てたポールであったが、
偶然その捨てた媚薬を舐めた飼い猫に
おびただしい猫が集まりだしたことから
媚薬の効果に気付く。

その媚薬を研究室に持ち込み、同僚のダイアンと共に
人体実験と称して効果を確認してみると、
驚くような効果が出て、そこからポールとダイアンは
大きく変わっていくが、
ダイアンに想いを寄せていたポールにとってみれば
望まない方向に話が進んでしまう。

それを何とかしようとするポールは
あることを試してみるが。。。

古い映画ではあるが、ここから先はネタバレになるので
気になる方は是非Amazonで視聴してみて欲しい。

こうしてこの映画の話を要約してみると、
何かどこかでみたことのあるような
そんな話のように思える。

実際、映画を観ながらも何となくオチが見える気は
していたのだが、
そんなベタな映画の中であることがとても
私は気になっていた。

それはポールもダイアンも媚薬を手に入れ
相手が無条件に自分を受け入れてくれるようになることで
自分の行動に自信を持ち、変わっていったことである。

もともとポールもダイアンもモテとは程遠い生活を
していた。

映画の冒頭でポールが友人達と訪れたバーで
美女に声をかけた際に
その美女からはとても酷い反応をされてしまう。

だが、ポールはそれほど落ち込む様子はなく
「どうせこんなものだろう」というような気持ちで
受け入れていたのである。

これはダイアンも同じで、
自分の容姿や話が故に誰からも受け入れられず、
体目的で定期的な関係を持つ男性に
ぞんざいな扱いを受けても
「こんなもんだろう」とあきらめていた。

だが、媚薬を手に入れて彼らは大きく変化した。

媚薬を使えば、これまでと同じ自分であっても
周りは受け入れてくれるからである。

容姿を変えたわけでもないのに
異性は驚くほど優しくしてくれるし、
面白い話をしなくても多くの人は自分の話に
耳を傾けてくれる。

「どうせ自分なんて」と自分を卑下する感情が
媚薬の効果で一気に消えたのだ。

この描写を観た時に、なんとなく清々しい気持ちを
私は感じた。

なぜなら、彼らがとても活き活きしているように
見えたからである。

だが、同時あることを思った。

”これは媚薬がないとできないことだろうか?”

確かに媚薬があればこの状況は容易に
作り出すことができるだろうが、
そんなものがなくても私達も作りだすことが
できる気がするのだ。

それは自分を受け入れてくれる人に
飛び込んでいくことである。

私達には個性や感情が備わっている。

誰しもが広い心を持って相手を受け入れられれば
それに越したことはないが、
現実にはそんなことはありえない。

合う人もいれば、合わない人がいて当然なのだ。

そして、私達は合わない人と接して
相手に受け入れられないという経験をし、
そして自信を無くしていく。

だが、相手に受け入れいられなかったことは
自然なことであるし、
決して自分が悪いわけではないのだ。

受け入れられなかったことで自信を無くす必要は
全くないし、
むしろ次は受け入れてくれる人を探して
飛び込んでいけばいいだけである。

昔から類は友を呼ぶと言うが、
どんな個性を持った人であっても
必ず受け入れてくれる人はいるものなのだ。

媚薬を使ったときの様に全ての人に受け入れられることに
私達はつい憧れてしまうし、
それ故にこのような映画が作られたのであろうが、
現実的にそれは絶対できない。

ならば、私達は自分を受け入れてくれる人を探せば
いいのである。

こういうことを言うと、なんとなく狭い世界で
生きる事を勧めるように思われるかもしれないが、
決してそんなことはない。

あなたが昔仲良かった人と、
今仲がいい人ではタイプがゴロっと変わっているように
あなた自身が変化していくことで
自分を受け入れてくれる人は勝手に変わっていくのだ。

相手に受け入れられないという経験に
私達はどうしてもダメージを受けてしまうが、
よく考えてみると何もダメージを受ける必要など
ないのである。

たまたま声をかけた相手が自分には合わなかっただけ。

ただそれだけなのである。

私も別に自分の容姿に自信はないし、
多くの人を笑わせる面白い話ができるわけでもないと
思っている。

もちろん改善できるところは改善しているが、
無理に自分を変える必要もないと
ある時から思うようになった。

それは全ての人に受け入れられることは
無理なのだということに気付いたからであろう。

今回観たこの映画はそんなことに
改めて気づかせてくれるものであった。

映画って本当にいいもんですね。

ちなみにこの記事のオチに使った
この有名なセリフを少し前に20代の部下に言うと
「なんですか?それ?」と言われて驚いたことがある。

「だいたいやねぇ」という竹村健一氏の台詞も
過去に同じように「なんですか?それ?」と言われたが、
まさか水野晴郎氏も知らないとは。

相手に受け入れられない要素の一つに
世代間ギャップもあるのだと改めて感じた
エピソードであった。

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