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ある登場人物の長い話と青サギ。

昨日はお休みの日で出かける予定も無かったので、
家でゆったり、ゆっくり、のんびり
録画で撮り溜められたビデオ等を観たりしていた。
そして、このごろのブログでもしるしております
ドラマ『ブラッシュアップライフ』もね、
夕方ごろには第7話、さらに夜には第8話、と、
二話分を観ました〜。

『ブラッシュアップライフ』のストーリーの中でも、
物語の真相へと迫ってゆくこの第7話及び第8話が、
ぼくはとくに大好きなんだなあ。
とくに第8話はね、テレビ放映時、
毎回リアルタイムでは観られずビデオで観ていたけれども、
一度観た後で(どうなっていたんだ?)って思いながら、
もう一回観たぐらいだから。

この第8話では、これを言おうとすると
ドラマの重要なネタバレをふくむので、
詳細は語らずでしるしたいんですが、
主人公・近藤麻美(あーちん)は、
ある登場人物から長い話を聞かされる。
その長い話というのは、
ただ長いだけではなくって、つまり、
一言では言えないぐらい複雑で込み入った話で。
そういう話は、簡単に言うこともできないし、
どうしても長くもなるし、そして、
それをもっと短くして説明することも、
なかなかむつかしいんだろう。

そんな「長い話」ということでぼくが思い出すのはね、
たとえば、2006年に発売されましたゲーム
『MOTHER3』のストーリーの終盤において、
「リダ」という登場人物から語られる話だ。
このお話しもとても長くって、でも、
そのうちのどの一言も省くわけにはゆかないような
このゲームの物語にとって大事な話だった。

そんなような長い話を語られる「リダ」のことがね、
やさしいなあと感じましたのは、ときおり
【ここまでが「○○」のはなしだ。わかったかな?】
とのようにおっしゃって、その話を聞く人
(ゲームのプレイヤー)に対して、
「はい」「いいえ」を訊ねてくれるところだなあ。
つまりはさ、ゲーム『MOTHER3』での
「リダ」の長い話より考えられることはね、
長い話を語ろうとするときには、
ただただその話を語り続けるのではなくって、
「わかったかな?」のごとく訊ねたり、もしくは
その相手とコミュニケーションを取ろうと試みながら、
語ろうとすることかなあ?????

はたまた、もうひとつ
「長い話」のことで思い出すのは、村上春樹さんの
長編小説作品『ねじまき鳥クロニクル』における
【間宮中尉の長い話】だなあ。
(村上春樹さん『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』、新潮文庫、248-312頁より。)
今、棚から文庫を取り出してきてページ数を見たら、
50ページ以上ずっとひたすら
「間宮中尉」という人物が語られる話で。
この話は読んでいてほんとうに衝撃的で、
とくにその衝撃の箇所は、もう
二度と読みたくないぐらいに、まさに
この身が引き剥がされるようなお話しなのですが。
でも、この物語において、
彼はその話をしないわけにはいかなかった。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』の第8話にて、
ある登場人物から主人公・あーちんへと語られる
「長い話」というのもね、
非常につらい話ではあったけれども、それは
ドラマの演出的にだけに限らずに、
この登場人物は、誰かに
話しを聴いてもらいたかったとも思えるし、
つまり、やはり、その話は
あーちんに聴いてもらわないといけなかった。

そしてさらにこの第8話では、
あるシーンの中で、ある登場人物が
「青サギ」という語句を言う場面があるのですが。
テレビ放映のときは全く気にもしなかったけど、
今になってあらためて観ると、つまり、
映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞した今では
「青サギ」が重要な存在になっていると感じられるからこそ、
『ブラッシュアップライフ』におけるこの人物がね、
「青サギ」と口にする、ってゆうことも、
このドラマのストーリー的に考えてみても
意味ありげで、かつ、感慨ぶかいように想ったんだった。

第8話の最後のシーンではね、その
途中の場面の中でも登場していた
ウルフルズの『笑えれば』が流れるのが好き〜。

とにかく笑えれば 最後に笑えれば♪

令和5年9月10日