エンジニアが技術をアップデートする極意とは?
テクノロジーは常に進化し、ベテランエンジニアといえど日々のアップデートが欠かせません。
HCグループはエンジニアの皆さんへの資格取得をグループ全体で促進しています。その中でも、ひときわ際立つ姿勢で学び続けるヒューマンベース・福安さんにお話を伺いました。
証券マンからエンジニアへ。独学で様々な言語を学習した20歳代
50歳を超えた今も資格取得にまい進する福安さんは、今年に入ってすでに3つのSAP認定資格を取得しました。ITコンサルからPMと案件次第でどんな役割もこなすオールラウンダーのエンジニアとして活躍していますが、意外にもエンジニアとしてのスタートを切ったのは28歳の時です。
社会人人生がスタートしたのはバブル崩壊直後の1992年、大手証券会社の証券マンとしてでした。しかし、「どんどん成長できる環境」を希望した福安さんはヒューマンベースの関連会社に転職。さらに28歳の時にエンジニアを希望してヒューマンベースに転籍しています。
Q. どうやって言語を習得したんですか?
福安 「大学も国際商学科で、それまでエンジニアとしての経験もない。とにかく会社にある本を読んで独学で学びました。VBを皮切りに、VBA、LotusScript、RPG、VC++、COBOL、Java、PHP…と、案件で必要なものはおしなべて習得してきました。
それから、当時の会社に日経コンピュータという雑誌があって先進事例をよく読みましたね。仕入れた知識はすぐに案件でトライしてみて、それが上手くいったら次の案件にも応用していくという感じで。エンジニア一筋の人と比べたら自分は10年近くキャリアのスタートが遅れていたから、『常に勉強しないと』と思っていたんです」
お客様が困っていたら放っておけない
Q. 朗らかな笑顔と乗りの良い関西弁の福安さんの印象は、ザ・営業マン。このご本人の性質もキャリアに関わっているのでしょうか?
「根が営業マンのせいか、相手の希望に応えたいという想いが強いんでしょうね。お客様が困っていたら放っておけないんです。アプリ開発の要員として入っていたのにいつの間にかチューニングまでしていることもありました。
あとは、全体感がどうしても気になる性分なんです。例えば、休日に家族と飲食店にはいるとするでしょ?そうするとそこのオペレーションがうまく回っているのか、どこを改善すればいいか、なんてことがどうしても気になってしまいます。
仕事も同じで、自分がメンバーとして参画していた駆け出しの頃から、プロジェクト全体がどうしても気になって。『こうすればもっと良くなる』と考えながら仕事をして、実際にやらせてもらったりもしていました。昔、大規模なプロジェクトでパフォーマンスに問題があった時には『TeamKazuo』を有志で作ったこともあります。野球選手の松井稼頭央さんから命名したのですが、その心は『とにかく早く』でした。当時の松井選手は守備、打撃だけでなく、走塁がピカイチでした。彼のような働きを目標に掲げて、パフォーマンスを改善させました」
歯を磨くように勉強する
Q. ずっと勉強をし続けてきたコツはなんでしょうか?いつ時間を作っているのかも気になります。
「平日はプロジェクトに入っているので勉強は隙間を見つけてやっています。たくさんやろう、やらなきゃいけないと思うほど人間は勉強から遠ざかってしまうので、勉強することを自分のライフサイクルに組み込んでいます。歯を磨くのと同じように習慣として勉強する、という感じです。
特に今の会社の環境が『勉強しない手はない』というくらい良いのも大きいですよ。昔のヒューマンベースも自分から言えば支援はしてくれましたが、2年前に上場企業のHCグループに入り、現・社長になってから制度が一気に整ったと思います。UdemyやSAP Learning Hub等の受講が可能になりました。また、会社の推奨する資格を取るとかなりの額の報奨金がもらえます。自分のためになるし会社からはお金という形で感謝をしてもらえるし、自己成長を望むタイプの人にはとても良いと思います。
社内で資格取得ノウハウを共有
Q. 資格取得の勉強講座も盛り上がっていましたね
「そんな大層なことではないんですけどね、会社から会議の時間をとるからやってくれと言われたので、やりますかと(笑) 試験の要件整理して説明したら、あとはQA形式でどんどん質問してもらいました。SAPは用語の癖がありますが、コツをつかんでしまえば他社のERPと大差はありません。
ですから、私としては勉強のどこにつまずくのかをヒアリングして、個人個人に合わせた解決方法やサポート方法を見つけるのが主な目的でした」
Q. 福安さんのQAを聞いていたら、誰でも資格がとれるような気になってしまいました(笑)
「楽観的なんでしょうね(笑)勉強すればたいていのことはできるようになると思っています。会社はバックアップもしてくれるし、自分たちエンジニアが資格をたくさん取れば営業もしやすくなる。エンジニアは資格を取ればよいという世界ではありませんが、常に技術をアップデートし続けないといけない世界でもあります。現状維持は衰退と同じです。だから学び続けたいし、みんなにも学んでほしいと思っています」
知的好奇心のかたまり
講義のために拠点の京都から東京・浜松町オフィスにやってきた福安さんの鞄の中には3冊の本が入っていました。
「せっかく新幹線に乗るからたくさん読めると思って」と所持していた本のラインナップはシステム関係、ビジネス書に息子さんの職業に関する本と幅広いラインナップ。
息子さんの仕事の仕組みを「知ってた方が話がしやすいでしょ」とさらりと語る福安さんが最近面白かったという本はこちら。
・ビジネスダッシュボード 設計・実装ガイドブック
・図解まるわかり 電気自動車のしくみ
・付加価値のつくりかた
・入門講義 量子コンピュータ
・機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
知的好奇心の強さが、福安さんの学びの原動力のようです。