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北海道新聞が、道内の若手作家を発掘!

📚今月の絵本通信📚

HBCラジオ📻【アフタービート】で、毎月最終木曜日にお送りしているコーナー。

5月は北海道新聞社が発表した初の絵本シリーズ『どうしんえほん』をご紹介しました。

簡易的な製本にすることで、絵本の常識を排する低価格での販売を実現しました。
しかも、道内の若手作家に作品発表の場を提供し、新たな才能を発掘することを目的としたプロジェクトで、初回として発刊された2冊はいずれも1990年代生まれの若手作者さんの作品なのです。

「絵本というジャンルは価格も高くなって収支確保は難しい」という考えがあり、道新としては、“手を出さず避けてきた”というのが実情でした。

ところが「簡単じゃないけれど、できるものならこの絵を作品として世に出してあげたい」「良質で低価格の絵本を、読書好きの道内の子育て世代に届けることを目指そう」というチャレンジ企画が立ち上がり、今回「どうしんえほん」が出版となりました。

まず一冊はこちら。

よるがとんでゆく

『よるがとんでゆく』

熊八木ちさ 絵 浮川千裕 文

税込990円

お母さんとはなれた大きなとりの「よる」は、ぼくのおともだち・ぬいぐるみのふくろうと夜の空へ。ひとりぼっちで心細かった「よる」でしたが、ふくろうに生きる力をあたえられ、そのつばさには、じょじょにゆうきがわいてきます。
新進の絵本作家を育てるプロジェクト、シリーズ「どうしんえほん」。
小学校低~中学年向き。(北海道新聞社HPより)

この作品はとにかく絵が綺麗で、色彩がものすごく美しいです。
北海道芸術デザイン専門学校を卒業した熊八木さんの絵のこだわりは、ワシの羽を一枚ずつ描いたところ。羽の色は、空の色やワシの気持ちによって変えているということです。

そしてもう一冊はコチラ。

やかんひこう

『やかんひこう』 

文・絵 やまだなおと

税込990円

よるがきたら「やかん」にのって、そらをびゅーんとひとっとび。みおろすまちには、きょうりゅうのかげ? どうぶつたちものりこんできて……おしまいには、どこまでとんでいったでしょうか。
新進の絵本作家を育てるプロジェクト、シリーズ「どうしんえほん」。
幼児向け。(北海道新聞社HPより)

夜間にやかんに乗るという、シュールな設定ですね。
私はこの本を読んで、なんと頭の柔らかい作者さんだろうと思いました。
そして、絵本作家の長新太さんを思い出しました。長新太さんは『ごむあたまポンたろう』『きゃべつくん』などの作品がありますが、ナンセンスの神様と呼ばれるほど、不思議でユーモアあふれる世界観をカラフルな色づかいで描いた作家さんです。

「やまだなおとさんは、令和の長新太ではないか!」と思いました。

実はこの話をラジオでしたところ、作者のやまだなおとさんご本人から番組にメールが届いて「長新太さんが本当に大好きなので、そう言ってもらえて本当に本当に嬉しい!」と言っていただけました😊✨

生放送で、私と金子さんで『やかんひこう』を自由に朗読させていただきました。

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もちろん絵本なので、絵から伝わる情報がほとんどで、文章は最小限となっているのですが、あえて“私たちの解釈で”朗読をさせていただきました。

それもご本人が大絶賛してくださり、ホッとしました!

ストレスの溜まったときにこの本を読めば、「まぁいいか!」という気持ちになれそうです。
絵がとにかく可愛らしくて、ページをめくるたびに、スピード感や勢いもあります。
読み手それぞれの解釈で楽しむことができる作品ですので、ぜひ実際にお手にとって絵本でしか味わえない楽しさを感じていただきたいと思います。

『どうしんえほん』は、今後は年数回の頻度で継続し、北海道の出版文化への貢献新しい才能の発掘・育成につなげていけたらと考えています。
「自分もできることなら出してみたい!」 という夢をお持ちの方は、
北海道新聞社出版センターにお問い合わせしてみてはいかがでしょう。

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