もう会えない、でも伝えたい想いがあるあなた
3月11日は、東日本大震災からちょうど10年でした。
その日のHBCラジオ【アフタービート】でご紹介した絵本はこちらです。
『かぜのでんわ』 いもとようこ
金の星社 1540円(税込)
つたえて、あのひとに・・・・・・
岩手県大槌町にある「風の電話」。線はつながっていない・・・・・・。 電話にこめられた「想い」を絵本に。山の上に置かれた電話。だれもが自由に使えて、今はそばにいない人と話すことができます。でも実はそれは電話線のつながっていない電話でした。
岩手県大槌町に東日本大震災のあと設置された風の電話ボックスをモデルにした絵本。(金の星社HPより)
ガーデンデザイナーである佐々木格さんの自宅の庭に設置されている白い電話ボックス。中には古いダイヤル式の黒電話があり、線は繋がっていません。
東日本大震災の被災者の方々が訪れて、亡くなった大切な人と思いを通わせようと話し掛けます。「風の電話」と呼ばれ、今までに4万人以上が訪れました。
風の電話は、もともと病気で亡くなった従兄弟と心を通わせたいと思った佐々木さんが2009年ごろに考えたものだそうで、そのあと東日本大震災が起こり「復興の心の支えにもなれば」と実際に設置したそとのこと。
私は2018年に開催された「HBCアナウンサー絵本朗読会」で朗読させていただきました。
あまりにも突然多くの人の命が奪われて、「せめてひと言伝えたかった」という想いを持っている人は大勢いらっしゃいます。
この絵本では、動物たちを擬人化することで、子どもたちにもわかりやすく、また大人の私たちにも“永遠の心のつながり”を感じさせる内容になっています。
生きていれば誰にでも、「できることならもう一度会いたい人」はいらっしゃると思います。伝えたかったこと、謝りたいこと、感謝の気持ち…。
この風の電話は岩手県にあるのでなかなか簡単に足を運ぶことはできませんが、「心は風に乗せていつでもどこへでも届けられる」と思わせてくれる一冊でした。
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