2023年映画ベスト10
無念の未鑑賞作品がたくさんあるのが残念で仕方ないけれど、せっかくなので、発表します。上半期ベスト5と被っているものが多いものの、下半期もステキな作品と出会えました。
10位 怪物
カンヌ映画祭で脚本賞。なるほど、納得。前半は母親、中盤は教師、後半は子どもの視点で描かれており、同じ出来事なのにこんなにも見えているもの、感じているものが違うのかと、呆然とさせられる。ユニークな展開の妙。
怪物とはいったい誰を指すのかが強調されているが、母親からしたら学校や教師、教師からしたら校長や世間、子どもからしたら親や同級生や自分自身…。人それぞれに怪物の対象は異なる。それにとどまらず、物事の一面だけを見て勝手に都合のいい真実を決めつけてしまう、私たちみんなが怪物なのかもしれないと感じた。
自我が定まらない子どもは、ときに意図せず、突発的に、まるで説明がつかない嘘をつくことがある。その不安定さと自己の曖昧さが、真実を歪め、物語をより複雑にしていた。自分との対峙に戸惑い、揺れ動く胸の内を、2人の子役が見事に体現していて、素晴らしかった。
母親を演じた安藤サクラも良かったが、校長を演じた田中裕子が輪をかけてすごかった。能面のように表情をいっさい崩すことなく、淡々と振る舞うからこそ、一層際立つ存在感。彼女の本心は結局わからないままだが、その不透明さが作品に奥行きを与えていた。
9位 少女は卒業しない
たった2日間を描いたとは思えないほど濃密に、4人の少女の高校生活最後のひとときが切り取られていた。恋や友情や夢や自分との対峙。ごく個人的で、それでいて普遍的な青春の1ページ。胸の奥をサワサワとくすぐるような瞬間の数々がまぶしかったし、切なかった。
主演は河合優実。去年見た映画に脇役としてことごとく出演しており、どれも素晴らしくすっかりファン。彼女の初主演作を劇場で見ないわけにはいかないだろう。同級生の歌を聴いて涙を流すシーンと、体育館でひとり答辞を読むシーンは、あえてリハをせずに臨んだという。いやぁ、すごかった。なんて素敵な女優さん。
フィーチャーされている女子高生4人は、同じ3年B組の生徒なのだがどうやらグループが違うようで、劇中で全く接点を持たないところも良かった。1つのクラスの中に別々の人生を歩む多様な個人がいるのだと示されている気がして。とりどりの悩みや痛みや希望が、教室には満ちているのだ。そしてそれぞれが愛おしい。
ひとつ言及しておきたいのは、メガネ姿の藤原季節先生。あれは反則だよ。しかも図書館担当って。好きにならない方がどうかしてる。そして1発OKだったという佐藤緋美の歌声。あの味のある個性的な歌唱は、さすがCHARAの息子。全員ナイスキャスティングだったし、これからが楽しみな役者揃いだった。
8位 BAD LANDS バッド・ランズ
安藤サクラと山田涼介が姉弟を演じて、ヤバい金に手を出す話。それくらいの前情報しか持たずに見たのだが、思っていた10倍はおもしろかった。表社会で生きることなど、選択肢にはないような人生を歩んできた姉弟と、2人を取り巻く人たちに心奪われ、巻き起こる事件やハプニングの数々にハラハラしっぱなし。
安藤サクラが演じた主人公は、原作では男性だったのだとか。しかし、オレオレ詐欺を行う犯罪グループの元締め補佐という役どころを、女性で描くことにしたのは監督だという。むしろ女性にしたことにより、山田涼介が演じた弟への母性にも似た愛情だったり、元ヤクザの曼荼羅からの父親のような目線だったり、登場人物同士の関係性に人間味が増して良かったのではないかな。
監督は、安藤サクラについて"「生きにくい」を「生き抜く」魂の綱渡りを、美しく哀しく愛おしく舞ってくれました"と述べている。犯罪グループという私たちの生活からはかけ離れた世界に生きる人物でありながらも、主人公をすごく身近に感じて感情移入できたのは、弱さや、弱さゆえの強さを生々しく表現した彼女の演技のおかげだと思う。
そしてそんな素晴らしい女優に「すごい」と言わせた山田涼介。「じっちゃんの名にかけて!」くらいしか彼の演技をちゃんと見たことがなかったし、正直そんなに期待していなかったのだが、「うん、役者・山田涼介いいじゃん!」と率直に思った。チャラくて単細胞で、なおかつサイコパス。なのにどこか憎めない。そんな複雑な人物像を、重過ぎない良い塩梅で浮かび上がらせていた。
7位 告白、あるいは完璧な弁護
絶対にネタバレなしで見るべき。だから、感想を書くのが難しい。帰り際、客の1人が連れに「やっぱり、韓国の作品っておもしろいねぇ」と話していたのだが、ほんとにそう。みんなが期待している、さすが韓国!とうなるような、良質なエンターテイメントだった。
「パラサイト」がアカデミー賞で評価されて以降、「パラサイトの次はこれだ!」的なキャッチコピーをつけて公開する韓国作品が多かったが、正直、期待外れなことが多かった。この作品はそんな触れ込みはなかったけれど、そのコピーを与えられるにふさわしい気がした。
不倫相手を殺した容疑で逮捕された男。大企業の社長の娘の夫である彼は、多額の保釈金を払って一時釈放される。山小屋に身を潜める彼の元へやってきたのは、敏腕弁護士。彼女は「私に嘘をつかないのなら、弁護してもいい」と迫る。そして彼は真実を語り出す…。
しかし、その「真実」は、彼と不倫相手の視点ではまったく異なるのだ。さらには事件に関与する別の登場人物が現れて、より何が真実なのかがわからなくなり、観客は混乱する。謎解きに参加しているかのような緊張感の中、ハラハラドキドキしながら、なりゆきを見守る。
そうして、「え、もしや…?」と真実が見えてきたところで、さらに次のヒリヒリするような展開が待っている。二転三転、四転五転くらいあってようやくラストへ。まったく気が抜けない、よく練られたストーリー。
男と弁護士が会話で駆け引きをするシーンが多いのだが、監督は臨場感を出すために、役者の目線、仕草一つにも細かく演出を入れたのだそう。もちろん、カメラのアングルもしかり。細部に神が宿ったプロフェッショナルな仕事が詰め込まれた、素晴らしい作品だった。
6位 Winny
1カ月も劇場公開しない作品も多い中、2カ月以上も上映していた。地味なテーマなのに、ロングラン。ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇さんの実話をもとに描かれている。時は2003年。 Winnyを利用し、映画や音楽を違法にダウンロードするユーザーが後をたたず、著作権法違反幇助の容疑で逮捕された金子氏。
彼は著作権侵害に加担しようとソフトを開発したわけではない。しかしながら、日本の警察が彼を逮捕するに至った理由とは…?裏に潜む思惑とその犠牲になった、10年に一度と言われる天才技術者、彼の勝利を勝ち取ろうとする弁護団の戦い。「ナイフで人を殺したとして、そのナイフを作った人も捕まるのか」という例えがわかりやすかった。
文字面だけだとお硬い話のようだが、金子氏の天真爛漫さや世間知らずな一面、弁護団のメンバーの明るさが、ときにコメディっぽい雰囲気を添えていて、とても見やすい。主テーマと同時進行で、現役警察官が裏金を告発する、愛媛県警のストーリーが走り、それが金子氏の物語といいタイミングでリンクするのも良かった。見事な二重構成。
エンドロールでは、実際の金子氏の映像が流れる。彼の才能を発揮する時間が警察によって奪われなければ、もっともっと日本のIT分野は発展していたかもしれない。それが悔やまれてならないし、政治の世界と同様、警察ってトップから末端まで腐り切ってるな…とあらためて思った。
金子氏を演じた東出昌大は、役作りで18キロ増量し、遺品であるメガネ、腕時計を身につけながら演じたのだとか。生前の金子氏と東出を比較する画像を見たが、仕草や雰囲気が瓜二つだった。弁護士の壇氏を演じた三浦貴大も、健在の壇氏の身振り手振りを完コピしたという。吉岡秀隆、吹越満ら脇を固めるキャストも皆、素晴らしく、総じてロングランに値する良作だった。
5位 ゆとりですがなにか インターナショナル
最高だった!笑って泣いた!ファンの期待を裏切らない脚本と演者のはっちゃけ方!大好き!!!2016年の放送当時、毎週楽しみに見ていた「ゆとりですがなにか」。7年経過してまさかの劇場版公開に歓喜し、この間までやってた深夜の再放送も全て録画して、ゆとりワールドにあらためて引き込まれ、いざ劇場へ。
てか、岡田将生と松坂桃李と柳楽優弥がトリプル主演(だよね?)で、安藤サクラと仲野太賀と吉岡里帆が脇役って、やっぱりすごすぎる。ドラマ版には若き日の北村匠海や三浦透子などなど、今や主演クラスの俳優陣がちょい役で登場してるんだもの、ほんと豪華。今回は上白石萌歌や佐久間由衣がワンシーンだけの贅沢出演。
とことん情けないけど、真っ直ぐで何より人を大切にするまーちん、童貞をこじらせてもはや無敵、でもなんだかんだでめちゃくちゃいい先生の山路、破天荒でやることなすこと突飛だけど、時に誰よりも正しいことを言うまりぶ。ゆとりトリオが愛おしくてたまらないのがこの作品の最大の魅力なのだが、劇場版でもみんな変わっていなくて、いや、さらにキャラの濃さが増していて、すごくうれしかった。
今回は副題に「インターナショナル」とついている。まーちんの元職場が韓国企業に買収されていたり(日韓ハーフ上司役の木南晴夏の韓国語での芝居がお見事!)、山路の学校に外国人の転校生が来たり、外国がらみの要素が満載。さらにはLGBTなどの話題も取り入れられ、「多様性」がテーマになっていた。
「ゆとり」と馬鹿にされていた彼らが「Z世代」を馬鹿にしていたり、リモート会議やYouTuberなどコロナ後の新しい文化がふんだんに盛り込まれていたりと、あれから7年が経過していることを、うまく演出に生かしていたのは、さすが。
セリフなのかアドリブなのか、ボソッとつぶやくひと言にユーモアが炸裂しているし、強過ぎるキャラクターのぶつかり合いがいちいちおもしろい(帰宅してうがいしてる時に、ふとあるシーンを思い出し、思わずブハッと水を吹いてしまったほど)。なのに、ところどころにホロリとするシーンが挟み込まれていて、なんなのよ、もう(褒めてる)!
終盤、「ゆとりロスになっちゃうよ…」と寂しさが込み上げたのだが、エンドロールの最後に「つづく」の文字が!!!マジか?!またやってくれるの?!ドラマ?劇場版のパート2?いつなの?気になる!!!早く情報ください!!!ちなみに、絶対おもしろいって確信があったから、あえてサービスデイに行かず、正規の値段(2000円)払って見たよ。それだけの価値はあった。ありがとう、ゆとり!
4位 SHE SAID その名を暴け
この作品がアカデミー賞にかすりもしていないなんて、嘘でしょ?それこそ闇だよ…。最初から最後まで、前のめりで見てしまった。うっかり「え…」とか「うわ…」とか、心の声が出てしまっていた気がする。
ハリウッドのある大物監督によるいくつもの性犯罪。傷ついた女性たちは、声をあげれば業界にいられなくなるため、和解金をもらって他言しないことを誓約させられる。20年以上経ってもまだ心の傷が癒えない被害者もいるのに、加害者本人は何の痛手も追わず、のうのうと加害を続ける。その闇を暴こうと新聞社の女性記者2人が立ち上がり、被害者たちに真実を話すよう説得するが、なかなか首を縦に振ってくれない…。
真摯に地道に、事件や被害者と向き合う記者の2人。この2人もそれぞれ子育てに追われていたり、出産直後で産後うつ状態に陥ったりと、一筋縄ではいかない事情を抱えているのだが、そのリアリティが物語に深みを与えていた。悩み、苦しみ、日常に追われながらも、自らの子どもたちが将来、被害者にならないために今戦わなくては。そんな強い想いに胸を打たれた。
彼女らを支える上司たちもかっこよくて、お仕事ムービーとしても見応え十分。また、忙しい妻と共に子育てに奮闘する夫たちは、まるでそれが当たり前かのように振る舞っていて、その平等な夫婦関係と、加害野郎の圧倒的な高圧さとの対比が、この事案がどれだけ時代にそぐわず、糾弾されて然るべきものであるかを際立たせていたように思う。
権力という意味での力を持つ者、フィジカルな意味での力を持つ者。そういう、力によって弱き者を抑圧できる立場にある人間は、得てして、他者が自分の言いなりになることが当然だと勘違いする。力に溺れる者は、正しい道を見失う。そして力にすり寄る者は、その間違いを見て見ぬふりをしたり、正当化したりする。この構図にNOと言える勇気を、ちゃんと持ち続けて生きたいと思った。
3位 PERFECT DAYS
私たちはもっと毎日を心豊かに生きられる。幸せは自分の中にしかなくて、それに気づくことができれば、誰に何と思われようとも自分だけの幸福を手にできる。役所広司演じる平山の生き方を目の前に、そんなことを強く思った。彼だけのルーティン、彼だけのささやかな喜び、彼だけのプライド…。公衆トイレの清掃という「汚れ仕事」と言われるような仕事に就いているけれど、平山の心はいつも澄んでいて、美しい。
与えられた道具だけでなく、より隅々までキレイにするために自作した道具を持参。同僚に「何でそこまでするんですか?」と聞かれても、多くを語らず黙々と手を動かし、彼が担当するトイレは公衆トイレとは思えないほどの清潔感を維持している。(そもそも舞台となった渋谷区の公衆トイレがおしゃれなので、そこまで不潔な感じはしないのだが)
毎朝玄関を開けると必ず空を見上げる。仕事場へ向かう時には車のフロントガラスから必ずスカイツリーを見上げる。神社の境内でお昼ご飯のサンドイッチを食べる時には、大きな木を見上げて差し込む光をフィルムカメラに焼き付ける。決してお金持ちではないし、住んでいる家はボロボロだし、カッコいい仕事をしているわけではないけれど、彼はいつだって上を向いているのだ。
そして、彼の日常を取り巻く登場人物たちもまた、自分なりの美学を持って生きている。「お疲れ様!」といつも明るい笑顔で平山を迎える気の良い大衆酒場の店主や、毎週1冊文庫本を購入する度、著者の良いところをうんちくのように話す古書店の店主。誇りを持って仕事と向き合っている人は、どんな職業だってステキなんだとあらためて思った。
自分自身がパーフェクトだと思えたら、それはもう、パーフェクトな毎日なのだ。敬愛する森山直太朗が、先のコンサートで「素晴らしい世界」という楽曲を披露する際に、こんなことを話していた。「僕らはとかく他者や社会、スマホの中なんかに幸せを求めてしまいがちだけれど、幸せは自分の中にしかない」。この言葉を体現したような平山の在り方を、覚えておきたいと思う。
2位 ロストケア
松山ケンイチと柄本明がすさまじかった。2人ともすごい俳優だとは思っていたけど、とんでもなかった。脱帽。彼ら演じる親子が過ごした、地獄のような時間と望まぬ最期。当事者にしかわからない苦しみと絶望が痛いほどに伝わってきて、言葉なく、エンドロールを終えても涙が止まらなかった。福祉関係の仕事をしている友人が、「あらゆるシーンがあまりにもリアル過ぎて、途中で具合が悪くなった」と言っていたくらい。
42人もの要介護老人を殺した彼の行為は、法律で裁かれてしかるべきだ。けれど彼が語るように「救い」の側面を持つことも、多くの人が理解するだろう。本当はこんな風に命を奪うことが「救い」となってはいけない。しかし、何もかもを自己責任で乗り越えなくてはならないこの国には、究極の手段を選ばざるを得ない人があふれているのだ。
誰しもに平等に与えられた、老いるという宿命。なのにそれが訪れたとき、おかれる環境が1人1人あまりにも違い過ぎるのは、国の怠惰以外の何ものでもないのではないだろうか。介護で離職を余儀なくされ、すがる思いで出向いた役所で「働けますよね?」と一蹴された彼の姿は、明日の我が身かもしれない。
それにしたって、プロデューサーなのか監督なのか知らないけど、この作品の主題歌を森山直太朗にオファーしようと決めた人はめちゃくちゃセンスいいし、この曲(「さもありなん」)をあてがってくる森山直太朗の作品への共感力、理解力、創造性、表現力たるや。いろんな意味でエンドロールは涙なしにはいられない。(この作品が日本アカデミー賞にかすりもしていないなんて、信じられない。私の中で最優秀主演男優賞は松山ケンイチだし、最優秀助演男優賞は柄本明だよ)
1位 対峙
子育てに正解はないし、わが子に限らず身近な人が被害者もしくは加害者になる可能性は誰にだってある。そう思うと、この作品で対峙している被害者家族と加害者家族、どちらの立場でも「自分だったら何を話すだろう」「この質問にどう答えるだろう」と、見ながらずっと悩むことを止められなかった。
ある少年が高校で銃を乱射し、クラスメイト数名を殺害。さらに自らを撃って自殺。悲惨な事件の被害者と加害者の両親が2対2で話す場を設けるという、ヒリヒリする設定だ。9割型、丸テーブルを挟んだ両者の会話で進んでいく。演技であることを忘れてしまうほど緊迫した、ベテラン俳優たちの言葉の応酬に息を飲んだ。
フラン・クランツ監督は、さまざまな事件や事故の被害者家族に話を聞いてリサーチを重ね、「大切な人を亡くした時にどのようにその死を悼み、喪失と向き合うのかを描くことにした」という。劇中、「このままではあの子を見失ってしまう」と母親が涙ながらに語った言葉。憎しみに支配され続けるよりも、息子との幸せな思い出を胸に生きると決めた、その想いに涙がこぼれた。
日本では、被害者家族のメンタルケアは、制度が整っておらず遅れていると聞く。裁判でどんな判決が下ったとしても、痛みが消えることはなく、救済の場の確立が必要だ。また、どうしたって非難されがちな加害者家族のケアも、考えなくてはならないテーマだと思った。主題は重いが、見て、悩んで、深く考える有意義な時間を得られた。
最優秀主演男優賞:松山ケンイチ(「ロストケア」)
※次点/役所広司(「PERFECT DAYS」)
最優秀主演女優賞:安藤サクラ(「BAD LANDS バッド・ランズ」)
※次点/河合優実(「少女は卒業しない)」
最優秀助演男優賞:柄本明(「ロストケア」)
※次点/磯村勇斗(「月」)
最優秀助演女優賞:安藤サクラ(「ゆとりですがなにか インターナショナル」)
※次点/ステファニー・アン・スー(「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」)