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【詩】守護天使



くだらない
吐き棄てなければ崩れてしまう
全ての光を錯覚にして
どろどろに塗り潰す
小さな虫けらの抵抗は
暗い引力に届くだろうか
まだここに 立っていたい
自分の足で
立っていたいのに

虚しく叩き落とされるなら
優しい破壊に手を貸そう
口の裂けた守護天使
貴方の異常なシナプスが愛おしい
気持ちいいね
熱い舌が記憶を舐めあげて
さあ 地の底へ案内しよう
何度も聞いた 奴の声

そもそも貴方という存在は?
不快の種という自覚はあるのか?
排除される前に自ら進んで?
退室するべきではないか?
そのために残した二本の足
逃げ惑う醜いショーで
我々を愉しませる
そのくらいはできるだろう?

くだらない
どうか許して
私が悪い
私のせいで
引き千切られる内側が
涙と叫びと臓物を
ここに撒き散らしてしまわぬよう
どうか逃がしてほしい
遠く 遠く どこまでも逃げて
誰もいない世界の果てで
できれば正気の私で逝きたい
存在ごと消滅して
貴方の記憶から全て消えても
再び生まれ変わることがなくても
構わないから








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