私とアールブリュットの出会い~私がアールブリュットアーティストを名乗る訳~

スケッチブックとの運命の出会い。そしてSNSで誉められ調子に乗った私。
すっかりハガキサイズのスケッチブックに絵を描くのが楽しくなってしまい、一人でコツコツシコシコ描いていました。
スケッチブックが終わるころ、友人の紹介で前述した中学の頃の恩師、R先生のギャラリーに顔を出します。
そこでR先生に言われたのが「せっかく描いたんだから、どこかで発表しなさい。」と。
その頃は自分が絵を人様に見せるなんてとても出来ないと思っていました。
だって恥ずかしいし。
でも作品がたまったらいつか一生に一回くらい発表したいなーぐらいは思ってました。
ある日夜中テレビを見ているとEテレの番組で「人知れず表現する者2」が放送されていました。
そこでアールブリュットと言う概念に出会いました。
特にその番組で放送されていたすずき(漢字が出てこない…)万里絵さんのおどろおどろしくも繊細で美しい絵に度胆を抜かれ、こんなアートジャンルがあることを初めて知りました。
よく考えたら自分も障害があり、なおかつ美術教育は受けていない。
もしかしたらアールブリュットってこう言う事?。
と思ってアールブリュットについて調べる日々。
そこで地元に新潟アールブリュットサポートセンター NASCがあることを突き止めました。
しかし、私の絵なんてどーせ…と勇気を出せずにいたのですが、不眠症の夜寝てない深夜のハイテンションでついついNASCにメールを送ってしまいました。
次の日、少し寝て起きてから「深夜のハイテンションでやっちまったぁ!」と後悔に頭を抱えました。
しかし、突然の不躾なメールにNASCの担当者の方は丁寧に返信を下さり、「一度ワークショップに来ませんか?」と誘って下さいました。
迷いましたが、勇気を出してワークショップに行ってみる事にしました。
ワークショップの日は暑い夏の日で、会場はお寺でした。
何か勧誘とかされないかな?とか怪しんで行ったのですが、取り越し苦労でした。
その日のワークショップは作品の見方を皆で考えようで、作品を見ながら感想やディスカッションをしたり、10年に渡る引きこもりな私にはかなり刺激的でした。
最後に自分の作品を見せて感想を言い合ったのですが、皆さん好意的な感想を述べていただき、ほっとしたのを覚えています。
そこで地元有志の作品を持ち寄って展示があると聞き、初めて人前で絵を展示することになりました。
ワークショップを重ね、展示プランを考え、ついに迎えた展示会。
たくさんのお客様に話しかけられ、皆さん素敵な感想を下さいました。
もう本当嬉しくて嬉しくて、人に慣れてないからものすごく疲れるんだけど、会期中はかなりの割合いで会場にいました。
まず人に誉められる事の無かった私は有頂天。豚もおだてりゃ木に登る状態ですっかり、発表の虜になりました。
私はアールブリュットに拾われたのです。
なのでアールブリュットじゃない展示会や公募でも応募の時は必ずアールブリュットアーティストを名乗ります。
私を拾ってくれたアールブリュットに少しでも貢献したいから。
これからもアールブリュットアーティストとして発表の場をどんどん増やして行きたい。
そんな願いも込めて今日も生きています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?