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加藤シゲアキ「agitato」は彼の意思を写しているのか


about “agitato”

加藤シゲアキソロ曲「agitato」
NEWSが3人の新体制として初のアルバムに収録されている、加藤シゲアキ作詞作曲の楽曲です。
「agitato」とは音楽(クラシックなど)の発想記号の一つであり、意味は「激しく、苛立って、急ぎ込んで」
なぜ記念すべき3人初のアルバムのソロ曲が、どちらかというとこのネガティブな意味を持つ題材になったのか、その思いを解き明かしたくなりました。
また、シゲのソロは耳だけで聞くときと目の当たりにするときとで受け取り方やストーリーが違う事があります。これは間違いなく毎回戦略的にそうしていると思っていますで、それも考察していきたいと思います。


【1】 この曲を作った経緯とは

この曲は「音楽と自分」をみつめて作成したそう。それを踏まえて聴くと、異様なまでの全能感を感じます。
「さあ待ちに待った3人初のアルバムのソロはどうくるんだ」というファンのワクワクに対してこの表題を敢えてチョイスするのは、彼にとって”ラブミーテンダー”つまり「NEWSを優しく愛して」の時代はもう過ぎ去っているからであり、それよりも自分らの作るものを受け止めてほしい、そしてその自信と信念を感じて欲しいという思いを持っているんだと、解釈しました。


【2】 近年にみる作品の一貫性

彼の作品は、泥臭く拳でど直球という伝え方というより「物語」のような遠くファンタジーな世界観があるようにカムフラージュさせておいて、読み解くと実は「赤裸々な自身の思想」「身近な何か」だというスタイルを近年しばしば見受けます。
「あやめ」は彼が番組きっかけで深く興味を持ったLGBT、「世界」では生き様を見つめ「narrative」は作家として本、読書体験を表現している。
今回も英語と日本語が入り乱れる耳障りのいい言葉の並びで、さらさらと聞き流してしまいますが(なんて言ってんの?ってとこもある笑)実は宣誓のような事を綴った歌詞になってます。


【3】 歌詞から読み解くLyrical explosion


1番
agitatoゾーン
空想夢想は型外れだと言ってる世の中を逆に嘲笑するような雰囲気を感じます。これは多分、新体制になる度に外野からヤジが飛ぶ事に対しての表現でしょう。意地を持って突き進む意志を掲げて、その意味を殴り付けるように訴えます。

2番
ritenuto(ただちに速度を緩める)ゾーン
「アイドル産業に失望した」と辞めていく人がいる。けど、だから何?自分たちは自分たちの表現したいことをここでやると決めた。闘志がある。威力も衰退しない。むしろどこまでも飛躍していくと信じてやまない。そう訴えています。

ラスト
「見よ、今この瞬間の”NEWSブランド”を」
きっとあなたは自分たちのこと心配するだろうけど、やるしか無いんだ。まだ見ぬ自分を知る為に歌い続けるつもりだし、その結果NEWSは更に最高なグループになって高みへいくから。
最後は英語の歌詞になっていますが、ざっくり読み解くとそのように伝えています。


【4】 ライブでの”agitato”

ライブでの演出ですが、その当時は想像のはるか上をいかれてしまい呆然と眺めていたら楽曲が終わってしまいました。なのにそのあと寝ても覚めても目の当たりにしたagitatoの事ばかり考えてしまうようになった。加えて今回は私的ライナーノーツがなかったので思いの真相もわからない状態で”生殺し”状態でした。しかもツアーが終わりやっと解説されたライブでの演出に対して「あのままっちゃあのまま」と言い放たれた私の気持ち…笑
でも後々思うと欲しかったものをくれた気がします。彼が受難と殉教の象徴である荊冠を身につけ、子分すら従え、胸を張り涼しい目でパフォーマンスする。
あの時は、その堂々たる姿に圧倒されたんだと思います。


最後に

まず私は、新体制になるにあたって思ったことが「悔しい」でした。その悔しい気持ちと同時に3人と一緒に今までよりもっと幸せになりたいと思いました。それってある意味で宣戦布告ですよね笑
「そっちはそっちで幸せになってね」なんてお恥ずかしながらそんな綺麗な気持ち一切湧いてこなかったです。「こっちの方が幸せになるし!」って今も思ってます。
そしてこの感情を抽象化したものが「agitato」なんだと気づきました。えっおんなじ気持ちじゃんシゲ。って。
音楽の特典についてきたインタビュー内で「4人のNEWSが好きだった」と彼が溢した時も、えっおんなじ気持ちじゃんってなりました。
つまり、彼は思わずしてなのか意図的なのにか、まあどちらでもいいのですが、私達に近い場所でファンに寄り添ってくれているなあと思います。
これからも彼の作り出すものは、心の深いところまで届くことでしょう。


おわり!


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