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「すみの会」に出展しました。

母校の学科卒業生有志による第12回「すみの会」に出展しました。書、墨画、エッチング、油絵、染織、生け花など様々のジャンルの作品展。2年に1回の頻度で銀座のかねまつホールにて開催されます。30名くらいの出展者のうち、なんと私は最年少!!! 作品タイトルは『よせぎれ屏風 ~家族の記憶~』です。
以下は展示の際のキャプションに少し追記をしたものです。


展示キャプション

家族が大切にしていた着物をほどいたハギレがあります。昔の人は小さなハギレを捨てずに大切にとっておいたようです。ハギレという言葉についてですが、漢字にすると端切。切り端の布ということでしょうか。ハギレはそのモノ自体は端切かもしれませんが、何かの付加価値をつけることで単なるハギレ=端切ではない裂(きれ)になると思います。

私は「家族の記憶」という付加価値をつけてよせぎれ屏風にしてみようと考えました。
使用したのは祖母、母、親戚の着物6種です。
 祖母の着物 金茶地格子黄八丈
 祖母の昼夜帯 紫根地葵文型染め
 母の着物 墨地格子秩父銘仙 
 親戚の着物 黒地久米島絣
 祖母の着物 白地後染め蚊絣
 親戚の着物 黒地無地喪服  

屏風は現代の住宅ではほとんど使用されていませんが、防風、遮光、遮蔽などの機能があり、折りたためば収納性に優れた建具です。マンションの白い洋間空間にぴったりな現代の室内装飾として楽しむ屏風の提案です。

家族の着物が時空を超えて出会ったよせぎれ屏風。建具屋さんに骨格を作っていただき、表装屋さんに裏打ちしていただいた裂を自分で貼ったアップサイクルデザイン作品。箪笥にしまいこんでいた家族の記憶たちが出会ったことで作品となり祖母は喜んでいるのではないかなと思います。


企画から完成まで約6ヶ月、よせぎれ屏風に夢中でした。作ることに集中しすぎて、搬入・搬出も考えずにいました。直前に指定の宅急便屋さんに断られたり、車の運転のできない私は電車でハンドキャリーしようと無謀なことを考えたり、ドキドキでした。赤帽さんに助けられ無事に搬入することができ、開催中は毎日銀座のホールに出かけ、来訪していただいた友人・知人とおしゃべりをして、夢のようなワクワクした時間を過ごすことができました。
作品制作から出展まで、いろいろな初めてを体験することができました。会を運営していただいた緒先輩の皆さま、ありがとうございました。大先輩から「やめられないでしょ~」とお声かけいただき、本当にその通りだと思いました。ドキドキもワクワクもあるこの体験はやめられません! 昨日終わったばかりではありますが、2年後には何を出展しようかと、既に次の作品アイデアの想像を始めています~。


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