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室内装飾織物がたり

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#名物裂

横浜能楽堂の室内装飾織物のお話

横浜能楽堂の室内装飾織物のお話

約150年の歴史ある能舞台のある横浜能楽堂。大規模改修工事のため長期休館する前の最後の特別施設見学に行ってきました。

横浜能楽堂は、鏡板と柱にこだわりのある歴史ある能舞台はもちろん、石と木が調和した屋外や内部空間、一文字葺きの銅板の屋根とその形状などなど建築そのものがとても素晴らしいです。ですが、私は何よりも内部空間の装飾に使われている錦の織物を見納めておかねばならないとの思いでした。内装の随所

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幻の早雲寺裂

幻の早雲寺裂

早雲寺裂について初めて知ったのは、神奈川県立博物館の常設展でした。文台と硯箱に渋い草花紋の銀爛の名物裂が張られたものです。草花紋の銀爛をぜひ本物で見たい、文台はもちろん硯箱にまでなぜ銀爛を貼ったのか知りたい、と興味津々でした。復元品でしたのでいつかは箱根湯本にある早雲寺を訪れてみたいと思っていたのですが、なかなか機会がなかったところ、神奈川県立博物館で昨年度「早雲寺展」が開催された折に鑑賞してきま

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