毎日の料理が苦痛です。(『おはなし仙人の勝手に人生相談』その3)

相談者(自称主婦):自分も含めて家族5人分の食事を毎回つくるのが苦痛で…。自分自身、食べることがあまり好きじゃないし、料理を考えるのも億劫だし…こんな大変なことが毎日、一生続いていくと思うと憂鬱です。

おはなし仙人:料理は好きな人もいれば、嫌いな人もいるね。嫌いな人は、なるべくしなければいいさ。なんて言うと、「じゃあ誰が食事をつくるの!?」って思うかもしれないが、食べたいヤツがつくればいいじゃないか。みんな、つくってもらうのが当たり前になって、甘え過ぎだね、基本的に。当たり前になり過ぎて、毎食つくってもらうことに感謝すら感じていないヤツも多い。そんなヤツには「自分でつくれ!」って言ってやればいいのさ。

いまだに、男は外で働いて金を稼ぎ、女は家の守り…掃除して洗濯して料理つくって…が当たり前だと思ってるヤツもいるけど、嫌なことを人にさせるのは暴力ってもんだよ。外で働いて家に帰ってきたあと、漫画読んでる暇あったら料理できるだろ? 家でソファに座ってテレビ観たり、ゴロゴロしている暇があったら、料理でもつくったほうがよっぽどリフレッシュして元気がでるね。仕事で完全に疲れ果てていたら料理する力も残っていない…ということもあるかもしれないが、本当にそんなに疲れ果てているケースはまれって気がするね。いろんな人の話を聞いてると。そんなに頑張って働いてきた家族なら、美味しい料理をつくってあげて元気を出させてあげたいって思うものだけど、なんでアイツは外だけでオンになって、家では完全にぐーたら人間なんだよ…って思うしそう見えるから、料理をつくる気も失せてくるんじゃないのかね。まぁ、世間にはちょいと疎い仙人の妄想なので、いろんなケースがあるとは思うが、とにかくね、怠けたヤツをそれ以上怠けさせるのは害悪でしかないね。

子どもだって、小学生くらいの年齢になったら、自分の食事くらい自分でつくれるはずじゃ。仙人の世界ではそれが当たり前。誰かに毎食つくってもらってたら、生きる力が弱ってくるってもんじゃよ。交代制で、子どもにも家族全員の食事をつくってもらったらいい。子どもに家族みんなの食事をつくらせるなんて、親失格なんじゃないかと思うヤツもいるかもしれないが、子どもは本来、自分でなんでもやりたがるもんだし、料理もやりたがるもんだよ。ところが、親がいやいや料理をしていたら、料理は面倒で嫌なもんなんだ…という認識が子どもにも移っちゃうけどね。そうなる前に、みんなで楽しんだらしめたもんじゃ。

自分の食うもんは自分でつくる。それが人間の基本じゃ。仙人の中にも怠けたヤツがいて、説法ばかりして、世間に食わせてもらっているヤツもいるが、そういうヤツはすぐにダメになるね。そのうち酒飲みになって、麻雀したり、パチンコに行ったり、カラオケに行ったり、俗まみれになる仙人もいる。そんな暇があったら、畑で野菜を育てて、自分の食うもんを自分でつくっているほうがよっぽどいい。

食べものに興味がない、食べることに興味がないっていうのは、自分の命を支えてくれているものに興味がないってことだ。それは自分の命を疎かにすることにもつながる。本気で現状を変える気があるなら、家族みんなで畑でも始めるがいい。自分で育てたものには自然と興味がわくものだし、それを料理するのは、買ってきた食材を料理する感覚とは全く異なる。私の庵の近所にも、使われていない畑があちこちにあるから、本気でやる気があるなら、紹介してやろう。まずは、自分ひとりで悩んでないで、家族に話してみることだね。あなたがそんなに苦労して毎日料理を頑張っていることを、そもそも誰も気づいていないかもしれないからね。

(おしまい)

※架空の人物「おはなし仙人」が架空の人生相談に答えるシリーズです。
筆者はおはなし仙人と同一人物ではありません。

※なお、おはなし仙人は修行とお昼寝でいそがしいため、コメントをいただいても返事ができません。コメント自体は歓迎で、いただいたコメントはおはなし仙人にお伝えしておきます。

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