電話が苦手です。(『おはなし仙人の勝手に人生相談』その11)

相談者:電話が苦手です。スマホの着信音が鳴るとびくっとします。直接会って話すのはまだいいのですが、電話だと相手の表情が見れなくて話しづらいし、変に緊張します。何かいい方法はないですか?

おはなし仙人:電話がイヤなら、スマホなんて解約してしまえばいい。というのが簡単な解決策じゃが、そう簡単にはいかないのが今どきの世の中ってもんじゃの。ケータイ番号がないと、いろんな契約ができないだろうし、仕事にも困るだろうね。便利なのか不便なのかわからない世の中じゃ。

びっくりするような着信音なんて消しておくことじゃな。ケータイがブルブル震える必要もない。そんなに恐れてまで電話に待機しておく必要はないさ。着信記録を確認して、自分から好きなときに落ち着いて掛ければいい。人間が道具に振り回されているのは愚かなことじゃ。道具は使うもので、使われるものではない。

相手の表情が見えなくて困るなら、「今どんな顔してるの?」ってきいちゃえばいいさ。相手はちょっとほぐれるかもね。機械を通して会話をすると、人間もちょっと機械寄りになってしまうもんだよ。みんな機械みたいに第一声、「お世話になっております」なんて言うだろ? ちょっと意表を突いてやらんとな。そこは臨機応変に、機械的予定調和を突破するのじゃ。

もっと役立ちそうなアドバイスがほしいのかね。緊張するなら、バックミュージックを活用するのもありじゃな。ヘンな音楽をガンガンかけるとか、ミュージックじゃないけど、毎回笑ってしまうような落語をバックで流しておくとかな。難しい話をしなければいけないときは、鳥の声や風の音が聞こえる外に出て、のどかな場所で話せばちっとは落ち着くかもね。

荒療治かもしれんが、あとは「慣れ」ってもんだね。毎日何件も、あちこちに電話しまくるんじゃ。友だちや知り合いに電話し過ぎて嫌がられるのが心配なら、お客様サービスセンターとか、いろいろあるじゃろ。お気に入りの商品の感想でも伝えてやればいい。毎日何件も掛けて修行しれいれば、そのうち、会ったこともない相手の顔が詳細に透けて見えてくるかもしれんぞ。

まぁね、電話なんて所詮は道具じゃ。そんなものをうまく使えなくても気にすることはない。直接会って話ができれば十分ってもんじゃよ。

(おしまい)

※架空の人物「おはなし仙人」が架空の人生相談に答えるシリーズです。
筆者はおはなし仙人と同一人物ではありません。

※なお、おはなし仙人は修行とお昼寝でいそがしいため、コメントをいただいても返事ができません。コメント自体は歓迎で、いただいたコメントはおはなし仙人にお伝えしておきます。

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