おしゃれに自信がありません。(『おはなし仙人の勝手に人生相談』その4)

相談者:おしゃれに自信がありません。周りのクラスメートがみんな自分よりおしゃれに見えます。来週、遠足なのに、何を着ていったらいいか悩んでます。

おはなし仙人:おしゃれには程遠いこんな仙人におしゃれの相談をするとは、たいしたもんじゃ。その時点で、あなたは独特のセンスをもっているのがわかる。みんながおしゃれして着ているような服はあなたには似合わないのかもね。

「おしゃれ」ってそもそも、どういうことなのか考えてみたことある? みんなが認める「おしゃれ」なんてつまらないね。流行のファッションとかも、くだらないね。だいたい、流行に乗って、みんないいと思うものを着てたら「おしゃれ」って誰かが認定するんだろ? だれかに認められる「おしゃれ」なんて面白くないね。

服なんて、周りの人がどう思うかなんて考えだしたら面白くなくなるもんじゃ。自分が好きなものを好きなときに着ていれば充分だと思うが、若いもんはそうはいかんのだろうか。わしなんて年中こんな同じような格好だが、誰も文句を言わん。そもそも、仙人に誰も「おしゃれ」を求めないからラクなもんじゃ。ところが、若いヤツらは、あの人はおしゃれとか、あいつはダサいとか、自分や他人をあれこれ比べて陰でコソコソ話したり直接言っちゃったり、大変だね。まぁ、言うやつには勝手に言わせておけ。

おしゃれに自信がないというが、おしゃれに自信も何もない。自分が好きなものを好きなように着て、自分で喜んでいればそれでいいんじゃないのかね。それを他人がどう言おうが、他人のセンスはこっちではどうしようもできない。自分のセンスで自分がいいと思う格好をすることに集中して、外野の意見はなるべく放っておこう。ある人がカッコイイと思うものを誰か他の人はダサいと思うものだし、数年前におしゃれだったものが今ではダサいということになったりするし、そんな不安定で目まぐるしいものに自分を合わせようとしても疲れるだけじゃ。流行りに合わせて服を買い換えるのは、お金も資源も無駄だらけ。ゴミだらけの地球が悲鳴をあげておる。世間の流行やおしゃれ感なんて無視して、自分がいいと思うものを長く着るほうがいいんじゃないか。年中同じような格好をして、それで何の不自由もしていない仙人が言うんだから間違いない。

おしゃれに縁遠い仙人にこんな相談をしたのが間違いだと思っておるかい? まぁ、他人にどう思われても平気になるっていうのは、仙人の世界でもなかなか修行の要ることじゃ。気にしないようにしても気になるものだが、他人にどう見られるかをなるべく気にしない訓練をしていくと、いろいろラクになってくるもんじゃ。遠足なんて、ファッション大会じゃないんだから、好きな格好をして気楽に行けばいいと思うよ。楽しんできておくれ。

(おしまい)


※架空の人物「おはなし仙人」が架空の人生相談に答えるシリーズです。
筆者はおはなし仙人と同一人物ではありません。

※なお、おはなし仙人は修行とお昼寝でいそがしいため、コメントをいただいても返事ができません。コメント自体は歓迎で、いただいたコメントはおはなし仙人にお伝えしておきます。

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