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ヨーグルトも納豆も家でつくれる!自家製発酵食品の楽しみ

 発酵食品は、美味しいし、お腹の調子もよくなるし、保存が効くし、いいことずくめ。発酵食品をたくさん摂ろうと特に心掛けてきたわけではないのだけど、好きで食べているうちに、気がつけばいろんな発酵食品食べてるなぁ、という感じになってきました。

豆乳ヨーグルト

 最近は、ヨーグルトができるペースに合わせて食べるのがきつくなってきたので(冷蔵庫を使っていないので、固まったらすぐに食べないと発酵し過ぎてしまいます)ストップしていますが、自家製豆乳ヨーグルトは気に入って何年もずっと続けていました。かつて、ヨーグルトは買ってくるものだとばかり思っていましたが、家でこんなに簡単につくれるとは、初めて知ったときは、今まで一体何をしていたのだろうと思ったものです。

 つくり方は簡単で、成分無調整豆乳にレーズンを入れて常温で放置しておくだけ。気温が高いとできるのが早く、できるまでの日数は季節によりますが、数日から一週間もしないうちに固まってヨーグルトになります。レーズンに付いている酵母が働いてくれてヨーグルトになるのだけど、レーズンに限らず、生の玄米を入れておいてもいいし、室内の菌の状態など環境によっては、豆乳に何も加えず放置しておくだけでヨーグルトになります。うちでも夏になると、豆乳を飲むスピードが遅いといつの間にか固まってヨーグルトになっていることがあります。

 一度豆乳ヨーグルトができると、次回からは食べ終えた容器に豆乳を注いでかき混ぜておくだけでOKです。暖かい季節は半日や一晩でできあがります。真夏は温度が高すぎて、数時間であっという間にヨーグルトになって食べるのが追いつかないことがあり、過発酵にもなりやすいので、気温が高すぎるときは冷蔵保存しておいたほうが続けやすいかもしれません。

味噌

 味噌づくりも毎年冬の恒例行事になりました。大豆、米麹、塩、それから容器を用意するところから。容器は野田琺瑯のラウンドストッカーという琺瑯製のものを気に入って使っています。毎年つくっていると容器が増えてくるけれど、重ねられるのも便利です。

 さて、家中の大きな鍋を出してきて、大豆を煮ます。親指と人差し指で簡単につぶせるくらい柔らかくなったら、すり鉢ですりつぶして、米麹と塩を混ぜ、丸くして投げ込むようにして容器に入れていきます。こうやって投げ込むと隙間に空気が入りにくくて発酵がうまくいきやすいそうです。ちょっとした運動会のような気分になって盛り上がります。

「手前味噌」という言葉があるように、自ら仕込んだ自家製味噌はたしかに美味しい。材料、配合、つくる時や保管時の環境などによって、毎回違った色や風味の味噌ができあがるのも面白いです。どれだけ熟成させるかは人それぞれの好みで、夏に仕込んでその年のうちに食べ始めるという話を聞いたこともありますが、うちでは3年以上じっくり熟成させてから食べています。

納豆

 子どもの頃から納豆が大好きだったのですが、家で自分でつくれるとは思いもしませんでした。藁に包まれた納豆をどこかで見たことがあったけれど、あの藁はただの容器代わりのようなものだと思っていて、茹でた大豆を藁で包んでおくだけで納豆になるのだと知ったときは驚きでした。

 香川に移住して自分で初めて育てたお米の稲藁があったので、これで納豆をつくってみようと思い立ちました。最初は温度調整がうまくいかず、なかなか納豆らしい粘りがでなかったけれど、だんだんコツがつかめてきました。市販の納豆は、純粋培養した納豆菌でつくられていることがほとんどだと思いますが、藁でつくると、菌の多様性があるのもいいのでしょう。奥行きのある野性的な風味で、いわゆる納豆臭さをほとんど感じない仕上がりになりました。手前味噌ならぬ手前納豆で、この美味しさは買ってきた納豆とは比べものにならず、自家製納豆を毎日でも食べたいところだけど、手間も時間もかかるので、ほんの時々のお楽しみになっています。

ぬか漬け

 毎日の家仕事の一つが、ぬか床をかき混ぜること。一分くらいでできる作業ですが、毎日忘れずにかき混ぜる必要があるので、それなりに本気でないと続きません(かつて、何度かぬか床をダメにしてしまいました)。特に暑い季節は、かき混ぜるのを忘れると大変。一日混ぜないでいると、ぬか床の菌のバランスが美味しくない方向に行ってしまい、元のバランスを取り戻すのに数日、あるいはもっとかかることもあります。夜、寝る前になって、疲れて眠たいときにぬか床をかき混ぜるのはちょっと大変だと思うこともありますが、美味しいぬか漬けが食べられるので続いています。

 ぬか漬けというと、自分で始めるまではキュウリやナスくらいしか食べたことがなかったのですが、案外、何でもぬか漬けにすると美味しいことがわかりました。お気に入りは、大根(これは普通?)、人参、ズッキーニ、タケノコなど。冬は人参のぬか漬けをよく食べます。トマトなど水分が出るものはぬか床を分けて別にして漬けたほうがいいけれど、そうでないものは、何でも気軽に漬けてみると、新たな発見があって面白いです。

タケノコのぬか漬け

天然酵母パン

 パンは窯やオーブンがないと焼けないものだとばかり思っていたけれど、なんと、フライパンでも焼けることを知ったときはビックリでした。

鋳物のフライパンで焼いた自家製パン

 天然酵母もいろいろ試してみました。レーズンやりんごの皮、柑橘類でおこしたり、ライ麦や小麦粉だけで発酵させたり、市販の天然酵母を使用したり。同じ粉で焼いても、酵母が違うと風味が違って面白いです。

 天然酵母パンづくりは、人間の都合だけのペースでは進められず、酵母の力でパンが膨らんでくる様子を観察しながら、パンに自分たちの暮らしのペースを合わせていく必要があります。ぼくはじっと待ったり相手のペースに合わせたりするのがあまり好きではなく、いつの間にかパン作りは完全に相方にお任せ状態になりました。ぼくは食べる専門ですが、おやつに自家製天然酵母パンを食べるのが毎日の楽しみの一つになっています。

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