第59話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」
四月の第一週が過ぎた頃、僕は疲れた身体と心を癒すために、静寂すぎる図書館へ足を運んだ。この一週間、バイトが休みなしで入っていたせいだ。理由は三月の終わり頃から、体調不良で朋美がずっと休んでいた。
朋美とは一週間以上会っていない。心配もしたが、僕も僕で色々と忙しかった。実はこの四月から美鈴と同棲生活を始めていたのだ。それはごく自然な流れだったし、僕と美鈴は同じ生きる道を選んだと思っていた。
そんなこともあり、朋美とは連絡さえもしなかった。
それに、今月から新しくバイト採用