第71話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」
太い眉毛が印象的な彼女。図書館の事務所で僕は簡単な面接を受けていた。面接をするのは上原姫子と見知らぬ女性。グッチのスーツにグッチのサングラス。そして、グッチのバックを机の上に置いていた。どう考えても面接を受けている雰囲気はなかった。
僕の持ってきた履歴書をマジマジと見る。その横で上原さんもじっと様子を伺っていた。
緊張感ある雰囲気ではなかったけど、見知らぬ女性は一言も喋らない。僕と上原さんが事務所で待っている時に、突然入って来て手を挙げて挨拶をした女性。そのあと、僕の履歴