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#読書録 図解 基本フレームワーク50

書名

 図解 基本フレームワーク50

著者

 グロービス 嶋田毅

ポイント


 ◯アドバンテージ・マトリクス

  事業の特性を、「競争上の戦略変数の数」と「競争優位性構築の可能性」の2つの評価軸から見極めるフレームワーク。BCGが提唱した。

   ・成長戦略において、規模的成長の意味合いを考える

   ・新規市場の戦略のヒントを得る

   ・ニッチ市場を探す


    分散型事業 :大企業が少なく、また規模化が必ずしも競争上重要でない業界。多数乱戦となりやすい業界。個人でも比較的企業しやすいレストランやブティック等。地域密着の小企業が存在しやすい。


    特化型事業:戦略変数が複数存在し、しかも自社が勝てる事業領域を適切に選び、そこで自社ならではの強みを発揮できれば十分な収益を得られる事業。領域ごとに勝ち組が存在する雑誌出版や人材紹介サイトなど。


    手詰まり型事業:規模を含めて意味のある競争変数が存在しない業界。差別化も難しく、規模の効果や経験曲線によるコストダウンの効果も既存プレイヤーの間ではすでに効き方の差がないため、生き残った企業すべてほぼ同じコストで提供できてしまうような製品を扱う業界が属する。日本ではセメント業界など。


    規模型事業:競争の変数がコストとそれを裏付ける企業規模しかほぼ存在しない業界。製品が単純で差別化が少なく、その一方で、開発や生産、広告などで規模効果が効く場合にこの傾向は顕著に。鉄鋼業界など。


   

 ◯キャズム

  プロダクト・ライフサイクルにおいて、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティーの間に存在する溝のこと。ハイテクなど商品では、この溝を越えられず一般に浸透しないことが多いとされる。ジェフリー・ムーア氏が提唱。

   ・特にハイテク事業に代表される新事業において成長停滞の原因を探る

   ・その停滞を打破する

   ・成長初期の段階で、キャズムを超える準備をする

    

    イノベーター:新しいもの好き、マニア。市場全体の3%程度を占める。


    アーリー・アダプター:聡明な初期ユーザー。イノベーターの様子を伺うビジョナリーと呼ばれることも。アーリー・マジョリティーに対して、大きな影響力を持つ。市場全体の13%を占める。


    アーリー・マジョリティー:慎重な大衆層。市場全体の34%を占める。


    レイト・マジョリティー:保守的な大衆層。新しいものをそれほど好まず、市場の半分くらいに浸透すると使い始める層。市場の34%を占める。


    ラガード:最も保守的で頭が固く、新製品の採用に乗り気でない層。


    アーリー・アダプターがブレークスルーを求めるのに対し、アーリー・マジョリティーは改善や実利を求める。


     



 ◯PM理論

  リーダーシップは「P機能 (Performance function: 目標達成機能)」と「M機能 (Maintenance function: 集団維持機能)」の2つの能力要素で構成されているという理論。三隅二不二教授が提唱。

   ・自分自信のリーダーとしての強み・弱みを認識し、改善を図る

   ・企業や人事部の管理職のリーダーシップを評価し、改善に活かす

   ・リーダー陣のバランスがとれているかを確認し、人員構成に反映させる


     PM理論では、P機能とM機能の2つの能力要素の強弱により、リーダーシップを以下の4つに分類します。

     PM型(P・Mともに強い): 目標を達成する力があると同時に、集団を強化する力もある。理想的なリーダーシップのタイプ。

     Pm型(Pが強く、Mが弱い): 目標を達成することはできるものの、集団を維持・強化する力が弱い。

     pM型(Pが弱く、Mが強い): 集団を維持・強化する力はあるものの、目標を達成する力が弱い。

     pm型(P・Mともに弱い): 目標を達成する力も、集団を維持・強化する能力も弱い。


     Pm型リーダーが多い組織の典型は、古いタイプの営業スタイルが通じやすい営業組織など。俗に言う「体育会系の組織」や単純なビジネスモデルの会社。pM型リーダーが多い組織の典型は、会社の業績が悪くないために強烈なプレッシャーをかける必要がなく、かつ高学歴で繊細な人が多い組織。財閥系の老舗企業など。

  


 ◯パワーの源泉と影響力の武器

  人や組織の行動に影響を与える力(パワー)が何に由来しているかを考えるのがパワーの源泉の考え方。一般論として他人の行動にどうすれば影響力を与えれるかを示すのが影響力の武器の考え方。

   ・あらゆる場面において、他人に自分の思い通り動いてもらう。

   ・リーダーとして自分にどのような「人を動かす力」が備わっているかを確認、能力開発のヒントとする。

   ・企業や人事部が管理職の「人を動かす力」を増す上でのヒントを得る。

   ・その理屈を知っておくことで、無意識のうちに他人に行動をコントロールされてしまう可能性を減らす。


     強制力:相手が苦痛に感じるものを与えることで影響を及ぼせる力。何かしらのペナルティなどが典型例。

     報酬力:相手にとって嬉しいものを与えることで影響を及ぼせる力。年俸が上がるなどが典型例。

     正当権力:相手を動かし得る地位の高さ。社内での上司と部下の関係などが典型例。

     専門力:相手が信頼するような専門性の高さ。

     同一視力:相手にとって自分が魅力的と感じられるような人間であること。出身校や業務経験、趣味など。


     ①返報性:相手に貸しを作ると、相手がそれに対して報いなければいけないと考える性向。

     ②コミットメントと一貫性:人間が、一貫した行動をとることを快適に感じる性向。

     ③社会的証明:他者の判断や行動に自分のそれが影響を受ける性向。特に多数の人間の判断や行動に従う性向を指すことが多い。

     ④好意:好意を感じている人間の要求は受け入れやすいという性向。

     ⑤権威:権威を盲信し、それに盲従してしまう性向。

     ⑥希少性:入手困難なものにより大きな価値を感じてしまう性向。



 ◯カッツ理論

  マネジャーの力をテクニカル・スキル、ヒューマン・スキル、コンセプチュアル・スキルの3つに整理するもの。ロバート・カッツ教授が提唱。

   ・管理職が自分自信の持つべき能力の指針を得、能力開発に活かす。

   ・企業や人事部が自社の強み・弱みを把握し、研修やOJTなどの施策のヒントとす。


     テクニカル・スキル:業務遂行能力や業務知識。

     ヒューマン・スキル:対人関係能力。

     コンセプチュアル・スキル:概念化能力。抽象的に物事を考えたりする能力。クリティカルシンキング。

   



 

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