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会社員力がフリーランスとしての強みになってた
この3月でちょうど独立してから2年。その前は、インターン時代を含めると3年半ほど会社員として働いていた。
社会人4年目からフリーランスになることが、一般的に早いことなのかそうでもないのかはわからないけど、大学を卒業する以前から独立するまでずっと「できるだけ早く独立したい」と思っていた。その気持ちの裏側には「フリーランスを目指す自分にとって会社員として働く期間は周り道だ」という意識があったんだと思う。
だけど、会社員として働いていたことがフリーランスとしての自分の強みである「会社員力」を授けてくれていた。
フリーランスとして働き始めてあっという間の2年。それなりにはやれていると思いつつも、明確な強みが思い浮かばないことに不安を感じていた。そんな中、フリーランスとして初めて契約をしてもらってからずっとお世話になってる会社で1on1の時間をもらった。そこで「カントク(その会社でのあだ名です)はちゃんとしてますよね。特にクライアントワークの安定感、安心感は社内で好評ですよ!」と、ありがたいお言葉を頂戴した。その返事として「会社員やってたおかげですね」という言葉が無意識にスッと出てきた。
そこでやっと、自分の強みを自覚できた。
「会社員力」といっても明確な定義があるわけでなく、いろんな要素があるとは思う。すぐ思いつくものだと、時間や期日を必ず守ることだったり、基本的なビジネスマナーが身についていることだったり。これらはできている自信がある。だけど、自分が持つ会社員力の中で最大の強みになっているのは「適切な距離感でのコミュニケーションができること」だと思う。
一般的にコミュ力と言われているような、誰とでもすぐに仲良くなったり、その場を積極的に盛り上げにいったりするような能力は残念ながら持ち合わせていない。だけどビジネスの場ではそういった力より、相手と状況に合わせたコミュニケーションが取れることの方が重要だと思う。
この力は前職で自然と身についていった。前職では、障害者雇用メディアの編集者兼キャリアコンサルタントとして働いていた。そのため、クライアントや求職者など、たくさんの人と「仕事として」コミュニケーションをとっていた。そのおかげで、人によって、そして状況によって変化してしまう適切な距離感をなんとなく把握する力が身についてくれた。
そしてフリーランスになった今、特にクライアントワークの場面でその力を発揮できている。この2年間、インタビューライターとして一番多く取り組んだ案件がtoBの事例インタビュー。事例インタビューでは、僕に仕事を委託してくれている企業のサービスを利用しているクライアントに対してインタビューを行うことになる。となると大抵、インタビュイーはがっつり会社員の方になる。その場合、インタビューはあくまでビジネスとしての打ち合わせの延長、と捉えていることが多いので、仕事をするテンションで臨んでいただくことになる。
そしてもう1つ。経営者や著名人でもない限り、インタビューを受ける経験はそうはないはず。なので、慣れないインタビューに緊張して固くなってしまうことも少なくない。
仕事として臨んでいるクライアントに対して、必要以上に距離を詰めようとするのは、相手からすると「ちょっと近いな…」と違和感を持たれてしまう可能性がある。とはいえ、ガチガチのかしこまりモードで挑めば相手もより一層固まってしまう。
だからこそ、適切な距離感が重要になってくる。
委託元企業とクライアントとの関係性や、インタビュイー自身の性格によって、ちょうどいいコミュニケーションは変化してしまうので、適切な距離感を完全に見極めることは正直無理。だけどおおよそを把握できれば、不快感を与えず、そして安心してもらえるコミュニケーションは実現できるようになると思う。
僕自身、仕事で関わる人に対しては丁寧に接することを心がけていただけだったので、今回言語化するまで適切な距離感を意識したコミュニケーションをとっている自覚はなかった。だからこそ、自分でも気がついていなかったそこを評価してもらえていることが嬉しかった。
この強みは、会社員の僕がいなかったら生まれていなかったと思う。遠回りをしたと思っていたけど、そんなことはなかった。会社員をやっていて良かった。
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