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高杉隼人
2017年10月18日 23:09
ランチを食べ終わった後、樹梨は三限があるからと言って講義室へ向かった。私は次の時間は空いていたので、食堂から出た後で別れた。「美月にあんな明るいタイプの友達出来たの初めてなんじゃない?」 姉は私の隣で言った。樹梨には勿論姉の姿など見えていなかったはずなので、二人で昼食を取っているつもりだっただろう。それに、他の学生にも姉の存在は見えていない。私だけ、あの場でも姉の存在を感じていた。「そうだ
2017年10月16日 23:31
二限目の講義を終えて、私たちは学生食堂へ向かう。食堂の入り口前では、友達の山谷樹梨(やまやじゅり)と待ち合わせていた。ショートカットで快活な彼女と私はどうも釣り合わない、私は常々そう思っている。でも、その空気感や距離感が私たちを結び付けているのだとも思う。「遅いよ、もう十五分も待ったじゃない」 樹梨は口を尖らせて言った。「ごめん、講義が長引いちゃって」 私は前に手を合わせて謝った。「ま