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人生について再び考えよう

イタリアから帰国した。
このイタリア、オランダ出張は、自分にとって約6年ぶりの海外で、コロナ禍のあとの世界ということもあり、海外にでるという行動だけ見ても、僕が経験したことのあるものとはなにかが少し違っていた。

その違和感のせいなのか、途中で体調を崩してしまったりと、とても順風満帆な旅とは言い切れなかったけれど、まあ終わってみてみれば成功したと思う。(点数としたら70点くらいだ。)

今回は出張ということもあり、自分が生業としているコーヒーに関するイベントに顔を出し、これまでスクリーンでしか会ったことがなかった人たちとハグをし、そして発展的な話をするということであった。

自分の英語力に不安はなかったけれど、仕事となると少し緊張もした。しかし蓋を開けてみれば、思ったよりも自分の話を展開できて、学生時代より英語力上がってるじゃん自分と思うシーンもしばしばあった。現地に到着した次の日の夜からは、夢も英語で見始め、意外と順応できるものだなと感心した。

実は今回の出張で曖昧としていたが確かめようと思っていたことがあった。それは今後の人生において、日本を脱出することができる可能性がどれほどあるかということだ。それは自分の英語力の面でもそうだし、仕事の面でもそうだし、はたまた文化的な面でもどれほどに自分が通用するのかを確かめたかったのだ。今回の出張に1人で行ったのは、こう言った思惑があったからだとも言える。

おい若者よ、君は世界に通用するのか?

結果としてどうだったかを端的に話すと、世界で活躍するのはわりと難しそうだ。まあもちろん簡単ではないのは理解していたけれど、想像以上に難しそうだなと肌で実感した。理由は3つある。

1つ目はやはり英語力である。自分の英語力を客観的に評価すると、日本人としては上手に話せるね〜くらいだと思う。日本からきた小さなアジア人としては上出来なのだろうが、今回イタリア、オランダで関わった外国人たちはみんなネイティブのように英語を話した。言語的距離の問題もあるため、日本人に英語習得が不利なのは理解するが、それでもこの言語能力の差を実感せざるを得なかった。今後日本を脱出するためには、さらなる英語能力の成長、また第三言語の習得が必要だと思った。

2つ目は仕事の側面である。僕が携わっているコーヒー業界は、サプライチェーンの上流から下流までを合わせると、世界中に仕事がある。それは良いことだし、大学生の時にこの業界に入る際に選択肢が多い業界だなと漠然と感じていたことでもある。しかしやはり自分の経験と知識の少なさから、まだまだこれらの仕事は自分ではこなせないとも感じた。言語能力に加え、スキルや知識も身につけなければならない。まあきっと狂ったチームメイトなら、そんなの関係ないと言わんばかりに自分で道を切り開くんだろうが、僕は冷静にこのような溝を見ないわけないはいかない。

最後は文化的な部分である。日本はやはり住みやすい。なによりも食生活がとても自分に合っているのだなと感じた。出国12時間後には、既に家系ラーメンが食べたくなっていたし、体調を崩した時には野菜炒めと白米を体が求めた。イタリアでは基本的にパスタとピザばかりを食べていて、肌も荒れ、消化も悪くなった。君は知っているだろうか。イタリア人はパスタを食べるためにパスタを食べるのである。もうそんなの無限パスタじゃん。

このような理由から、僕はことあるごとに発言していた日本脱出計画のハードルの高さを感じてしまった。もちろん、日本人であることを武器としたつきやすい仕事を探したり、ワーキングホリデイを使ったりなどしてハードルを下げる手段は無数にあるのだろうが、僕は我がままである。今ある生活ラインを下げることなく、自分のしたいことをして海外に出たいのだ。

それを実現するためには、目的意識が薄いなと僕は今回の出張で実感した。というのも、この4年間は人生のボーナスステージと自分自身で名付け、目的意識もなくフラフラとただ楽しく仲間たちとコーヒーとビールを飲んで過ごしていた。しかし困ったことに、このボーナスステージに飽きてきてしまっている自分がいる。そう、僕はなにか新しいことに挑戦したくなってきているのだ。

挑戦したいと思い始めていることは良いことである。しかし猪年で名前が隼な僕は、一度走り出してしまうと止まれない習性がある。つまり挑戦する方向をしっかりと吟味し、実現可能性をなるべく高めるための行動を取らなければならない。

おそらくここいらが、人生の考え時なのだ。やれやれ、人生もう終わったと捉え、フラフラとボーナスステージを謳歌しておけば良いのに、どうしてこうも厄介な行動を取りたくなってしまうのだろうか。自分自身の面倒な性格に呆れながらも、それでも愛おしく思ってしまい、僕は少しだけ口角をあげるのだった。

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