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【起業する前にやっておくべきこと3】

今回のテーマ

【起業する前にやっておくべきこと】で書いた以下3点の内容のうち、今回は3つ目の「所属会社の社会保険の確認」についてです

前回は、「事業用銀行口座の開設」について書きましたが、今回が一番重要です。これこそ、退職前にきちんと調べて準備し手置く必要があります。


はじめに

会社員の場合、多くの人が社会保険に入っていると思います。パート・アルバイトの場合でも一定の条件を満たした場合は加入義務が発生するため、所属会社で保険加入をしていることが一般的です。
しかし、起業、つまり独立して個人事業主になると、社会保険の資格を喪失し、国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険と社会保険のメリット・デメリットは人により異なるので、起業しよう!と決意したならば、一度自分でよく調べておくことをお勧めします。
2つの保険の差異について、個人(起業する人)目線で留意点をいくつか記載しておきます。

  • 社会保険の場合、保険料の半額を会社が負担してくれている

  • 社会保険の支払いは給与天引きのため支払い忘れがない

  • 退職後(社会保険証返納後)自分で国民健康保険への加入手続きを行う

  • 家族がいる場合、世帯人数や扶養家族の保険料や手続きも考慮しておく

※さらに詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
【健康保険の基礎知識】国保と健保の違いとは? 加入条件、メリット・デメリットを解説 (出典:なるほどジョブメドレー)


任意継続をしよう

社会保険に加入していた場合、会社退職後に任意継続という制度を利用することが可能です。
 ※詳細はこちら(全国健康保険協会のページを参照)

任意継続制度は、退職等により社会保険の被保険者資格喪失後も最長2年間、同じ社会保険に加入できるというものです。
会社(事業主)の支払い負担がなくなるため、個人が納める保険料は退職前の2倍になります。ですが、退職時の標準報酬月額が30万円を超えていた場合は30万円が上限となるので、収入が高い人や扶養家族がいる場合は大きなメリットがあると言えます。

都道府県ごとに保険料の金額が異なったり、納付方法の選択肢も多様だったりするので、自分の退職後の保険料の納付イメージをしておくとよいです。
保険料と納付方法(全国健康保険協会)

僕自身も、迷うことなく会社退職後に加入していた社会保険の事務局に申請して任意継続の手続きしました。国保や健保の公開情報から自分で計算して「国保高いな~」と思っていたところ、任意継続制度があることを知り調べてみるとかなりお得であることが分かり、フライング気味に申請書類を準備したくらい・・・(笑)

独立して自分で事業を行う際には、事業にかかる支出だけではなく、国民としての個人に掛かる支出もすべて自己管理が必要になるので、その意識づけのためにも、社会保険と国民健康保険でどのくらいの料金差があるのか、あなたのケースを調べてみてください。

■参考■
社会保険のシミュレーションサイト
国民健康保険のシミュレーションサイト


注意点

  • 任意継続の場合、会社在職中の被保険者が受けられる保険給付と同等の給付を受け取ることが可能ですが、傷病手当金・出産手当金等、支給されないものもあるため、あらかじめ所属する社会保険の制度内容を確認しておくこと。

  • 社会保険の資格喪失日から20日以内に任意継続の申請をすること。

  • 保険証交付までに時間がかかる場合があるので、家族の急な病気による通院等に留意すること。退職日が確認できる書類(退職証明書コピー/雇用保険被保険者離職票コピー/健康保険被保険者資格喪失届写し等)を一緒に提出すると早期発行が可能(1週間程)となるので、退職する会社と事前交渉して速やかにいずれかの書類を発行してもらえるようにしておくと良いでしょう。


まとめ

  • 任意継続制度を利用して社会保険のメリットを活用しよう

  • 在職中に加入している社会保険の任意継続の条件や内容を確認しよう

  • 任意継続に必要な書類をあらかじめ確認して準備しよう

  • 退職時に速やかに必要書類を発行してもらえるよう所属会社へ依頼しておこう

  • (可能であれば)退職まで会社や関係者との関係を円満にしておこう

ここだけの話、僕の場合は退職時に社長と揉めてしまったので、雇用保険被保険者離職票などの処理をやってもらうのに時間がかかってしまい、ヒヤヒヤしました・・・笑

以上3回にわたり、会社員のうちにやっておくと良いことを書きました。

最近は、ご時世的にも起業を後押ししている風潮があるように感じます。またリモートワークや在宅勤務も一般的になってきて、ランサーズやココナラなどの個人と個人を結ぶようなプラットフォームも充実してきたので、自分の特技や経験を生かした仕事がやりやすくなってきましたよね。
9時~18時まで会社にいなければならない・・・というような時間に縛られた働き方から解放されるメリットもありますが、起業後の不安やデメリットは事前に少しでも解消しておきたいもの。

とはいえ、知識だけ仕入れても実際にやってみると「あれ???」ってことはたくさんあるので、予備知識は蓄えつつも、初めての体験、新たな経験を楽しんでほしいと思います!