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【熊本県天草市】地域起こし協力隊1年目の振り返り(2022年度)

2022年4月から、地元である熊本県天草市の
地域おこし協力隊としてUターンしてはや一年。
振り返り。


東京と天草

2022年3月にUターンしたので、当時の東京都と天草市の人口と面積から比較してみる。2022年3月、東京都人口:13,972,039人(面積:2,194 km²)、天草市:75,738人(面積:683.2 km²)。

東京から比べると、面積約1/3、人口約1/184の地域にお引越しだ。

毎日の満員電車、すれ違う人とは意図せず肩がぶつかっていたのも無くなり、興味のあるショップ、行きつけのお店に気軽に行けなくてなんだか寂しくも思ったが、それをカバーする大自然、人の温かさに驚くばかり。
(あ、そういえば鼻毛もあんまり伸びなくなったなあ。。笑)


ただ、天草市の中でも人口、仕事やお店が集中する「本渡」という地域がある。朝夕の通勤ラッシュは、埼玉や神奈川から東京へ通勤するように、感覚的に東京と変わらなかったりした。

東京一極集中のような状況が地方でも起こっており、本渡以外の地域に住む住民からすると、
「本渡一極集中」とも言える。
この現象が続くと、いよいよ周辺地域で「消滅する町」が出てきてもおかしく無い。


あとは、圧倒的な車社会
駐車場のないお店は淘汰されてしまうと言っても過言ではないし、
高齢化率が40%を超える天草地域にとって、
車のない生活は食料の買い出しや通院も自由に行けない。

一方で、そんな地理的に不自由さもある天草に惹かれ、移住する人・進出する企業が増加している。
コロナをきっかけに、
地方への視線が熱くなっているのを実感できた1年でもあった。

★天草市移住・定住サイト「あまくさライフ」

★天草市企業誘致サイト



【東京の職場近郊】

大崎のビル風が懐かしい

【天草】

夕暮れに圧倒されたある日


企業派遣型の協力隊として勤務した「Ama-biZ」の機能と実績

アマビズメンバーとの撮影

2009年より「地域おこし協力隊」という制度が開始し、13年が経過した現在、全国に6000名を超える隊員たちが活動し、仕事の種類は各募集自治体それぞれが定めるのでまさに多種多様。


私の場合は、「天草市」と「商工団体(本渡商工会議所、牛深商工会議所、天草市商工会)」、
地場金融機関である「天草信用金庫」が運営する
「一般社団法人天草市起業創業・中小企業支援機構」通称「Ama-biZ(アマビズ)」に企業派遣型として勤務した。

2008年、静岡県富士市の「f-Biz」から始まった「biZモデル」は、全国各地に普及し、天草市は全国3番目となる2015年から事業を開始した。

※biZモデルとは、中小企業支援手法を実践する、自治体が設置するビジネス支援モデル。お金をかけずに知恵やアイデアを使って新たな価値を生み出すことや、事業者それぞれの「強み」「オリジナリティ」を発見し、それを活かした支援をすること。

Ama-biZでは、毎年1000件近くの相談があり、事業を営む方々にとっては貴重な無料相談場所となっている。

2022年度は開設から8年目となり、相談件数としては延べ10,000件を超えた。アマビズを活用し、起業した件数も200件を超え、新規開業を考える方や、既存事業の売上アップ、事業承継、その他様々なジャンルの相談を行い、天草市の産業発展に寄与してきた。

個人的に特徴的だなと思ったのは、相談の約3割ほどはIT関連の支援が多いこと。公式LINEの設定や、HP、SNS運用など、地方で活躍する事業者の売上にダイレクトに繋がる支援だ。
Ama-biZには、各種相談業務を行う経験豊富なセンター長以外に、以下のアドバイザーと呼ばれる相談員が在籍していた。
・ITアドバイザー
・コーディネーター
・フードアドバイザー
・クリエイティブアドバイザー
・映像アドバイザー
・フォトアドバイザー
・農業アドバイザー
・労務支援アドバイザー
・資本調達アドバイザー
皆さん、その道のプロとして活躍されており、専門的な相談に柔軟に対応することができた。

自身のミッションとしては、
・センター長のサポート業務
・アマビズのSNS発信
・アマビズの運営補助 etc
1年を通して、人員入れ替えもあり思うように動けなかった時期もあるが、
ミッション以外に多くの事業者さんと出会い、かけがえのない時間を頂いた。

しかし、多くの実績を残してきたAma-biZも、2023年3月31日に、
閉所を迎えた
商工団体とのすみ分けの問題等が挙げられるが、閉所にあたって事業者の皆さんから継続を希望する声も多数あがった。

事業に関することを、「無料で何度も相談できる相談所」というのは、
確かに重宝するなあと、しみじみ思う。
※5月下旬から、Ama-biZの後継機関として起業・創業希望者向け相談窓口「スタートアップ・あまくさ」が市の直営で開始予定。

閉所間際

1年の振り返り

地元の高校卒業から12年を経てUターンしてきた。
まだ学生だった当時は、「天草の仕事」について考えることもなく、
何の未練もないまま進学した。

天草を離れた時に、
天草の主要産業って?
天草の特産品って?
天草の誇れるものって?
、、、何も知らないことを恥じたし、「もっと知りたい」と強く思った。

この1年を振り返って、天草にはたくさんの輝く技術や素晴らしい目標も持たれている経営者や会社が存在することを知り、また出会うことができたのが一番の財産となった。

Ama-biZでの勤務以外にも、
・熊本県内の協力隊員交流会参加
 各地域で色んなアイディアを持った同志に
 会えて刺激を受けた。

・高校生向けの講演
 地元高校出身ということで、
「高校生起業塾」の講師として地域の
 課題や魅力の発見→ビジネスモデル構築の
 お手伝い。

・地元栽培米のふるさと納税出品や、椿油の販売

お米のふるさと納税出品。リピート凄い!
オリジナリティもっと出さねば

・地元のシビックプライド醸成プロジェクト
 動画へ出演


2023年は協力隊2年目。
新天地ではこれまでの経験・人脈を駆使して
・関係人口のさらなる創出、
 関係のデータ化・見える化
・天草内外でのマッチングを通した、
 企業誘致 etc..

天草でやりたかったことを実現したい。



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