#11「不真面目のススメ」(完)
嫌われる勇気とは何か―。
勘違いをしてきた。
そう思ったのは何でもない暮らしに幸せを見い出したからかもしれない。
サトルはこれまで真面目に生きることを善いことだと考えていた、というよりも何かに取り憑かれるように、何か思考停止をさせられているような感覚だったかもしれない。
そんなサトルに転機が訪れる、そう、それはまるで永遠の命をみつけたような大発見であった。
短い人生であれば不真面目に生きることは善いこと
長い人生であれば不真面目に生きることは悪いこと
短い人生であれば真面目に生きることは悪いこと
長い人生であれば真面目に生きることは善いこと
短い生と長い生があるのであればどちらを信頼するのだろうか。
「嫌われる勇気とは誰のそれであるかは、日常の中に感じられる」
と、サトルは最後の投稿を締めくくったのである。
(了)
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