#1「嘘という光」
ヒカリの嘘は見破ることが出来ない―。
彼は悟ったかのごとくどこか遠くの空を見つめていた。
初めての嘘はいつのことだったろうか。
思い出すことも出来ないが、彼は彼女の嘘を容認し続けてきたのである。
彼女のやるべきことを応援し、理解し難いことも理解しようと努めてきた。
今や彼とヒカリの間には強い絆が生まれている。
嘘は真実よりもそこかしこにあふれている。
真実は埋もれやすく儚い動物、ヒカリはその動物を愛している―。
彼女は、あなたの中にも必ずいる。
(了)
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