#7「日誌の声」
くだらない星の間に生まれた星は―。
日誌をつけるその手が震えていた。
「もうあと何回くだらないことを書けばいいのか」
男は心の中に呟いたが、返答はない。
呟きの数だけ楽になるのであれば、もっともっとくだらないことだって呟ける。
もっともっとくだらないことだって書き続けられる。
ただ、くだらない星の間に生まれたその男は、くだらない日誌を書くことで、人生を昇華する術を知っていた。
―くだらない人間になるな、くだらない星となれ。―
(了)
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