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何処へ行っても


#週末プロジェクト

25歳の頃からほぼ四半世紀近く、私の週末は吹奏楽の合奏練習の為の時間である。最初に所属した団は日曜日の午後、次の団は金曜日の夜、次の団と今の団は土曜日の夜である。

最初の団にいた時はまだ若かったので、日曜日の5時までの練習に参加しても翌日の早朝から仕事に行くのも平気であった。仕事でクタクタでも、週末は合奏だ!と思うと、早く仕事を済ませてしまおう、と再びエンジンがかかるような気持ちになったものだ。

結婚後所属した次の団は、子供が小さいうちはなんとなく後ろめたい気分で出かけたりしていたが、育児の良い息抜きであった。私が練習に行く日は、夫も積極的に子供を世話してくれ、とてもありがたかったのを思い出す。
「〇〇ちゃんのお母さん」だけではない自分でいられる時間は、貴重であったと思う。

今の前に所属していた団には足掛け15年ほど在籍させてもらった。なのですっかり「土曜日の18:00からは吹奏楽の時間」というのが身体に染み付いてしまった。ついでに言うと、準備のしやすさと家族のリクエストもあり、「土曜日の夕飯はカレー」というのが我が家の定番になった。
これは多くの吹奏楽お母さんにありがちな事のようで、友人は息子さんに「うちは海軍みたい」と言われたそうである。

永らくの習慣を変える事なく、現在の楽団でも楽しませてもらっている。公共交通機関を使っての移動が必要な団は初めてであるが、帰る道すがら同じ方向の団員とお喋りさせてもらうのは、車や自転車で練習会場に向かっていた頃にはなかった楽しさである。

どんな土地に行っても、趣味を同じくする仲間に恵まれるのはとても嬉しい。皆仕事や学業や家庭を持ちながら、万象繰り合わせてやってくる。吹奏楽に対する温度は人によって違うけれど、同じタクトの下、仲間と同じ曲を創り上げていく楽しさは何物にも変え難い。

そんな訳で、私の週末は「大切な仲間達と過ごす、最高の時間」なのである。

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