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浮かれた大学生は死ね

我こそは浮かれた大学生である。

興味のあった芸術学部の写真学科で、これは学業の一環だ!と豪語しながらただ好きな写真を撮り続け

そこそこにサークルも楽しみ、そこそこにバイトもして、そこそこに恋愛もした。
実に浮かれている。

そんな中、人生で初めてパンデミックを経験して、鬱々とした日々を過ごしていた。

パンデミックが始まって1年。
色々と考えたが、このタイミングで休学して昔からの夢であった日本一周をすることにした。

パンデミックの当初はやれ学費返せやらなんやら大学やら社会への批判で溢れかえっていた。

まぁ、言いたくなるよな。わかる。

ただ一定の限度を超えたら、いや、お前が選んだ大学ちゃうんかい!嫌なら辞めろや!と心の中のノブが語り掛けてくる。
浜ちゃんかな?どっちでもええわ。

学費返還運動で
「私たちは新歓もコンパも飲み会もできない!」ってなんやねん!!
じゃあ学費返しましょうってなるんか!!!

Fランが出とる!!!!!(心の中のノブ)


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休学を決めて半年後。ひたすら稼いでお金をためて、それでも足りない気がしながらも日本一周に出た。

北海道の雄大な景色を走らせながら、シャッフルで音楽を流していた。

「そういえば、知ってる限り誰も休学も退学もしなかったなぁ…」

大学生とは厄介である。
成人なのに学生だから子ども扱いされるし、実際に大人ぶった子供が多い。
口だけは達者になってしまったのだ。
悲しい。

その頃は就活の愚痴で溢れていた。俺忙しいわ~w社会とは~wって。浮かれるってそっちの方向かぁ...。
悲しい。

しかしながら、休学してフラフラに旅をしている私が一番浮かれているだろう。なんてタチが悪いんだ。

ただ、どうせ浮かれるなら、上手く立ち回って、やれることの中でやりたいことをやりたいな。
そんなことをぼんやりと考えていた。

自己嫌悪と不満が織り交ざった感情を持ちながら、雄大な景色に向かって音楽に合わせて叫んだ。

「浮かれた大学生は死ね」





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