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エスコンフィールド・イニング間イベント全解説

3月30日、開幕戦。北海道にできた新球場、エスコンフィールドに行ってきました。
新しいスタジアムの開業日に行けるなんて、一生のうちに何度あるか。しかも、北海道は度々訪れていて、列車の窓から、何もない原っぱに少しずつ形ができていく過程を見てきたので、気持ちの入り方が違いました。駅から進んでいく時も「スタジアムを早く見たい」と、ずんずんと早歩きになってしまいました。

集まっていた人たちは皆、テンションが上がっていたのでしょう。通路を歩いていても、なにかソワソワしたような雰囲気でした。オープニングセレモニーも感動的で、あとは試合に集中するだけです。


実は私、野球を見に行くと、イニング間にトイレに行かないんです。

スタジアムを楽しむだけでなく、プレーを見るのも大好きです。さらに、野球の試合では、もう一つ見逃せないものがあります。これまで米国で30、日本で(おそらく)30、台湾で2,韓国で9カ所の野球場を見てきました。結構、個性が現れるのが、イニング間のイベントなんです。わずかな隙間をぬって、チームが主導してコミュニケーションを取る時間ですから、その土地柄やエンターテインメントの好みが見えます。
ファイターズは昨年、「きつねダンス」が大ブレークしたくらいですから、そのこだわりはかなり強いはず。そんな期待もありました。

これから見に行くという人の中には「きつねダンスは、いつやるんだろう?」と気になっている人もいると思うので、それぞれのイニングの前に何が行われたのかを全部解説します。

【一回表】
ファイターズの選手が一人一人紹介されて、守備位置に向かいます。セコムがスポンサーについています。

【一回裏】
「シャケ、シャケ、シャケ」という歌が流れます。2016年に3人組アイドルグループ「あゆみくりかまき」がリリースした曲だそうです。しゃけまるという鮭の形のグッズを持っている観客をスクリーンに映します。公式ダンサー(ファイターズガール)も、そのグッズを持ってベンチ前で踊ります。元々、テイラー・スウィフトの「Shake It Off」という、たまにスポーツの会場で聴く曲があるのですが、このサビの部分、「Shake It Off」が空耳アワー的に「しゃけ、アップ」に聞こえるということを活かしたダンスを昨年5月から導入しています。その一部分を切り出したような感じです。鮭は北海道を代表する水産物ですね。

【二回表】
ファイターズの選手が出演するスポンサーのCM映像が流れていました(ちょっと気が抜けていて、メモし忘れただけかも)。

【二回裏】
国内農機のトップメーカー、クボタ提供。観客の中から選ばれた子供が、スクリーンに表示された巨大な三択のあみだくじをします。コンバインが稲刈りをするアニメーションで進んでいきます。ちなみに、リリーフカーも同社の乗り物です。北海道は農業大国ですからね。

【三回表】
ポッカ札幌のキレートレモン(レモン飲料)提供、すっぱ顔選手権。観客をスクリーンに映して、すっぱい時の顔をつくってもらいます。映された人は恥ずかしいですが、笑ったり、ほっこりしたりする感じでした。


【三回裏】
ヤマト運輸提供の「すばやくお届け!クロネコレース」。観客の中から選ばれた参加者2名が、クロネコヤマトのダンボールを持って、ライトのフェンス前をダッシュします。マスコットも参加します。この球場の中を走れるのは、一生の思い出になりそうです。

【四回表】
ファイターズガールとマスコットが外野のフェンス前を移動しながら、スタンドにプレゼントをポーン、ポーンと投げ入れます。芝を傷めないように、フェンス前の土の部分を進んでいきます。

【四回裏】
ユニ・チャーム提供の「ワンだふる のど自慢だワン」。この球場は、犬を連れて入れる座席があって、そこにいる犬をスクリーンに映します。時間内に「ワン」と鳴けば、成功となります。そんなに都合よく、犬は鳴くのか、少々挑戦的な企画です。

【五回表】
ファイターズガールによるダンス。「ジン・ジン・ジンギスカン」という曲です。北海道を代表する食べ物と言えば、ジンギスカン。元々は1979年にドイツの音楽グループが歌い始めた曲だそうで、ファイターズでは、チャンステーマとしても使われてきました。ダンサーは、ジンギスカン鍋の形のグッズを持っています。ことし、流行らせようとしているのでしょうか。

【五回裏】
明和地所提供「 #Fフィルター」。スマホの写真を加工するフィルターの巨大スクリーン版です。スタンドにいる観客を映して、野球ボール型の被り物のフィルターを勝手にかけてしまいます。映された方も笑っちゃっています。

【六回表】
グラウンド整備が入ります。YMCAのダンスをしようという時間。ファイターズガールも出ます。YMCAのダンスは、日本では西城秀樹さんの1979年の局、ヤングマンで広がりましたが、さすがにもはや球場でしか生き残っていないですよね。

【六回裏】
「きつねダンス」は、ここです! きつねの耳のグッズを身につけている人や元気よく踊っている人がスクリーンに映されます。もちろん、ファイターズガールも出ます。

【七回表】
ビジターチームの応援歌、球団歌が流れます。いわゆるラッキーセブンで、セレモニー的に日本のプロ野球本拠地では慣習になっています。

【七回裏】
ホームチームの応援歌、「進め ファイターズ」が流れます。今季から声出し解禁ですので、歌えます。

【八回表】
「サウナ、行こう!」というフレーズが耳に残る曲。後から調べたら、あの、有名デュオゆずでした。「GO☆GO!!サウナ」という曲だそうです。球場内に設けられた温浴施設は世界初で、この球場の目玉です。そのサウナデッキにいる人を映します。水着を着ているので、ご心配なく。

【八回裏】
ファイターズ公認応援ソング「We are FIGHTERS」が流れます。ヒーローアニメの主題歌のような躍動感のあるテンポのいい曲。一体感をつくります。

【九回表】
特にイベントはなく、スタンドの様子を映すだけでした。(疲れて、見落とした可能性も)

【九回裏】
応援団による歌。スピーカーから流れるのではなく、生声です。最後の反撃へ、想いを込めて歌う感じでした。

私は昨年の7月に札幌ドームでの試合も見たのですが、その時とはガラリと入れ替わってました。

一つだけ専門的なことを言うと、スポンサーさんを想起させるような設定がさらに良くなっていました。

ブログ:日本のスポンサーシップにダジャレはあるか


最近、試合を盛り上げる楽曲を収録したCDも発売されたそうで、力の入れ具合を感じますね。

まとめると
・北海道色がくっきり
・ダンサーの出番が多い
・観客が映される機会が多い

特に応援グッズを身につけている方は、スクリーンに映される心づもりはしていった方がいいかもしれません。



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