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【連載】チェーン店巡り くまざわ書店シャポー本八幡店 

『はやしの本屋マガジン』で連載中の「チェーン書店をめぐる旅」。
その記事の元になった文章を公開いたします。
今回はvol.1に掲載したくまざわ書店シャポー本八幡店編です。

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趣味は?と聞かれたら書店巡りと答えることにしている。
読書、と言えるほど本は読まないが、本屋さんに行くのが好きだ。
独立書店はもちろん、チェーン店にも行く。
が、チェーン店についてその良さを語っている方はあまり見かけないので、
自分で書いてみることにした。


第一回は くまざわ書店シャポー本八幡店。


千葉県市川市にある本八幡駅は、実は都営新宿線の始発駅である。(千葉なのに)
JR総武線と都営線の乗り場を繋ぐ通路に、そのお店はある。

本八幡駅周辺は書店が多い。
駅ビルのシャポーにはくまざわ書店のほかに住吉書房がある。
駅からすぐの場所にときわ書房本八幡スクエア店+GEOもある。
15分ほど歩けばコルトンプラザという商業施設に有隣堂とヴィレッジヴァンガードもある。
以前はJR本八幡駅北口すぐ「パティオ」にときわ書房が入っていたり、有隣堂の前は福家書店が入っていた。

もちろん他の書店も好きで足を運ぶが、どこが好きかと言われたらくまざわ書店を推したい。

まず、お店に行ったら新書の新刊棚を見る。
岩波新書、中公新書、講談社現代新書、ちくま新書、光文社新書……気になる新刊があれば手に取って中を見る。
新書の新刊がしっかり面で展開されていることが、当たり前ではなくなった。
岩波新書はその特性からそもそも入荷のないお店もあるし、他の新書レーベルについても
初版部数が減っているので置かれる書店が限られている。
また、新書は棚が少なく新刊・既刊合わせて1本ということもある。
本八幡店はどの新書もしっかり展開されているので好きだ。その分売れるのも早く、『現代思想入門』は初日にラスト1冊残っていたのをかろうじて購入した。

新書をひととおり見たら、隣の専門書新刊を見る。
60坪ほどの小さい駅ビル店にも関わらず、専門書もしっかり品ぞろえしている。
くまざわ書店特有の書評コーナーもある。
駅ビルのため、スペースがないので商品の入れ替わりが激しく、ほしいものは今買わないと次に来た時にはもうない、ということが多い。
本八幡の他の書店にはない専門書も、ここならあるかも、と期待させてくれる棚である。

もちろん都内の大型店に行けば手に入ることはわかっている。
でも、大きくない駅ビル店で、たまたま目に入った本を買うよろこびはひとしおだ。
大型店ではそのジャンルの棚に行かないと新刊に出会えないが、中型駅ビル店なら専門書の新刊棚に様々なジャンルの本が所狭しと並んでいる。
そこから選ぶ楽しさがある。

ビジネス棚や文庫の新刊をチェックしつつ、雑誌コーナーを見る。
岩波『世界』、講談社『群像』、マガジンハウス『POPEYE』など。
雑誌棚も充実していて、おもわず特集に惹かれて購入してしまうこともある。

コミックは新刊の配本が続くよう、出来るだけ発売後すぐに買うことにしている。
大きいタイトルがこれでもかと積まれている横で、少ない配本でも丁寧に棚に差さっていたり、1つ前の既刊が入っていたりして、元コミック担当として感動することが多い。
新刊が出たら既刊も売れる、そんなことはわかっているが実際にメンテナンスするのは大変だ。

最近は子の散歩がてら足をのばすことも増えた。
散歩で立ち寄るたびに赤ちゃん絵本を購入していたら、ある日『パパとあそぼう』(いりやまさとし/作・絵、Gakken)が棚差しにあり、狙い撃ちされている気分になった(もちろん買いました)。
児童書は少ないがロングセラーはじめちょっとこだわりを感じる棚だ。
今後も定期的にチェックしていきたい。


vol.2も発売中


『はやしの本屋マガジン』vol.2ではくまざわ書店草加VARIE店について書いています。次回もお楽しみに。


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