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【孫子の兵法・その14】 ”勝利のため”には「拙速」が必要な場合がある。

チャイナの城攻めは、日本とは状況が異なる。

日本の戦国時代などで行われた城攻めは、一般的に籠城した側が敗色濃厚となります。日本の城は、武士が構える砦が基本であって、城内に井戸や多少の食糧備蓄があるとはいえ、長期戦には不向きでした。

一方チャイナの城は、都市全体を高い城壁で囲んでいますから実に広大です。それ自体を国(城塞都市)と呼んでもおかしくなく、城内には豊かな食糧や物資が蓄えられています。しかも城は、見晴らしの良好な平原の中にあります。

これを攻める側は、地形の複雑な日本と違い、陣地を構える高台や身を潜める森に乏しく、延々と蟻(あり)の行列のように敵城を囲むことになります。城内からの見晴らしも良好で、大陸での攻城戦は、通常守る側に有利、攻める側に不利となります。

そこで、攻める側は形勢逆転を計って城攻めをしたくなるのですが、なかなか巧くいきません。そうかといって、膠着状態が続けば出費だけが増えていって国費が消耗されていく一方となります。

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これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。 そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。 どうぞよろしくお願いいたします。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっている…

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