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私たち日本人は、決して闘争思想に誘惑されてはならない〜『大國民讀本』を読む〜(17)


勝っても負けても、待ち受けているのは不幸。

闘争には必ず勝敗があり、長い目で見ると勝っても負けても不幸になります。親子が相争わねば幸福を得られず、夫婦が率先(そっせん)して仲違(なかたが)いしないと平和にならず、友人とケンカしないと仲良くできないというわけがありません。

争いは「道」を破壊する。

親子が相争えば親子道(親子のあるべき道理)が、夫婦が相争えば夫婦道(夫婦のあるべき道理)が、友人が相争えば友人道(友人同士のあるべき道理)が、人と人が相争えば人道(人としてのあるべき道理)が破壊されます。

これらを破壊し尽くして幸福を得、平和を建設するということは、どう冷静に考えても肯定(こうてい、認めること)できません。

人間は、少なくとも日本人は、富者や貧者、身分の上下の別なく、誰もが平和の建設者となるべきです。

家庭やご近所、会社や学校、役所や工場、都会や田舎など、どこにあっても日本人の行くところ、留まるところ、ことごとく善(よ)くし、美しくするのが大日本主義の実行者です。

中には、進化論の「力の強い優れた者が勝ち、弱くて劣った者が負けることで進化する」という考え方を曲解(きょっかい、まげて受け取ること)して、闘争するのは進化のために当然必要な過程(途中の段階)であり、これを通らないと人類の文化は進歩しないと考える人もいます。

競争と闘争は根本的に異なる。

確かに競争は必要です。
でも、叩き合って、つぶし合うだけの闘争は罪悪となります。

競争するときの気持ちというのは、相手が百万円貯金したら、自分は二百万円貯金しよう、相手が優れた作品を造ったら、自分はもっと素晴らしい物を製作しようという積極的な心です。

ところが闘争の心理(しんり、心の動き)は、ただ相手を倒すことにありますから、進歩や創造をもたらす考え方にはなりません。

闘争は全体の幸福を破壊する精神なのです。
私たち日本人は、決して闘争思想に誘惑されないよう注意しましょう。

断固立ち上がらねばならないことはある。

ただし、もしも我が日本民族の生存と発展を妨害する者や、日本民族の中心(皇室)を狙う者がいたら、断固立ち上がって悪人を倒さねばならないことは言うまでもありません。(続く)


明治天皇御製
(ぎょせい、天皇がお詠みになったお歌)

国のためあだなす仇(あだ)はくだくとも
いつくしむべき事な忘れそ


日本の国に危害を加える敵は打ち砕かなくてはならないが、
敵に対しても慈愛の心を決して忘れてはなりません。

明治天皇御製

よもの海みなはらからと思ふ世に
など波風(なみかぜ)のたちさわぐらむ


世界の人々は兄弟と同じくらいの仲間同士であると思われる時代なのに、
どうして争いが起こるのでしょうか。

「はらから」…同胞(どうほう)、兄弟、同じ仲間。
「波風のたちさわぐ」…争いが起こるようす。 

明治天皇御製




上記は、昭和2年(1927年)1月25日に出版された、文部省認定・林平馬著『大國民讀本』の内容を、林英臣が、こども向けに“翻訳”したものです。

「戦前は立派だった」いや「戦前はひどかった」、「戦後、日本は良くなった」いや「戦後、日本はダメになった」などと、大東亜戦争(第二次世界大戦)で歴史を前後に区切ることが一般的です。

ところが、『大國民讀本』を読むと、日本は明治から既におかしくなっていたことが分かります。90年以上前の本とは思えない内容が本書に記されているのです。これから取り戻すべき日本の原点が、余すところなく示されていることに読者は気付くはずです。

戦前の日本の実態をよく知り、これから祖国再生を進める上で、心得とすべきことが沢山出てまいります。

昭和に入ってから出版された本ですが、90年以上前の内容ですから古典の意訳に近い作業が必要でした。そこで、子供から大人まで世代を超えて読んでいただけるよう、できる限り分かりやすく書きました。

親子一緒に学んでいただいていただいても、楽しい本になったと自負しています。また、明治以降の日本史を正しく学べる本として、読者のご研究の参考になれば幸いです。

意訳者 林英臣

『大國民読本』を読む〜はじめに〜より(一部追記)



昭和2年に出版された著書ながら、今読んでも新しく、胸に突き刺さる指摘ばかりです。新しいがゆえに、我が国の抱える病巣や問題の根が深いことが良くわかります。戦前の日本が良くわかる本『大國民讀本』

林英臣の元氣メール(メルマガ)」で、こども向けに優しく噛み砕いて連載していた内容を、〜『大國民讀本』を読む〜として刊行しています。
noteで、逐次紹介していますが、下記からお求めいただき、共に「日本の原点」を取り戻すべく、ご家族ご友人と学んでくだされば幸いです。

👉https://hayashi-hideomi.com/books


📺林英臣_綜医學ちゃんねる

  • 綜医學《食事療法》 考え方は医食同源、基本は循環と調和

  • 季節に合った食材 夏野菜は体を冷やし 根菜は体を温める

  • 土地に合った食材 身土不二 …海岸で採れる魚と柑橘類→油っこさを和らげ、生臭さを消す

  • 全体食 小魚なら全体を食べられる〜 バランス食となる…野菜 大根は葉、人参は皮、かぶは根と一緒に食べる

  • 肉食過多で体調が悪くなっている場合は、野菜を多くする

  • 素材を生かす 薄味

  • 偏食しない 一つの物ばかり食べ過ぎない


📝綜観日記(林英臣日記)〜Facebookから〜

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Posted by 林 英臣 on Friday, August 23, 2024



🟣令和6年9月度 志塾・勉強会のご案内🟣

  • 林英臣が講義する講演会・勉強会です。お気軽にご参加いただけますので、是非ともお運びを!

  • 関東→中部→関西→中国→四国→九州の順になっております。

  • なお、隔月開催などの会は、10月以降の案内になっている場合がありますのでご注意ください。

  • また、開催日時・場所・内容が、予告なく変更される場合があるほか、天候や交通の事情によってオンライン開催となる可能性もあります。

  • 念のため問い合せ先にご確認の上、ご参加ください。

  • ☆印は連続の勉強会、★印は単発の講演会です。


★政経倶楽部・東京支部「新年例会」

  • 日時:令和7年1月9日(木)

  • 演題:未定

  • 会場:ルポール麹町(千代田区平河町)

  • 会費:5千円、ビジター1万円

  • 連絡先:政経倶楽部連合会事務局 <info@seikei-club.jp>


☆「東京綜學院 林ゼミ」第4期・9月例会


☆令和6年度・経世志塾

  • 綜合テーマ:創造的人物に学ぶ胆力と器量

  • 特別講座:「郷中教育」学校も企業も、すべては教育からはじまる

第5回 10月2日(水) 

  • 「勝海舟」幕府の幕引きを担った人物の、優れた洞察力と死生観

  • 大事業を仕掛けるくらいの人は、かえって世間から悪く言われるものさ

  • 勝敗の念を度外に置き、心を虚しくして事変に対処せよ

  • アジアの舞台に立って世界を相手にせよ 他

第6回 12月4日(水)

  • 「植芝盛平」宇宙の心と己の心を結び、合氣道に開眼した武道の達人

  • 合氣道には敵はいない、宇宙の心を己の心とせよ

  • 大勢のときは一人と思い、一人のときは大勢と思え

  • 世界は魂の救いを求めている、まず日本から出直せ 他


☆伊那谷文明維新塾(駒ヶ根)

  • 日時:9月28日(土)18時~20時10分

  • 演題:松下幸之助会長(当時)が、65名の事業部長を相手に託したこと…

  • 会場:駒ヶ根駅前アルパ3階 多目的ホール

  • 参加費:3000円

  • お問い合せ:090・5520・5858(事務局・長野県議・清水正康さん)


政経倶楽部連合会・名古屋支部例会

  • 日時:令和7年3月20日(木・祝)

  • 演題:未定

  • 会場:ウインクあいち(名古屋駅桜通口から徒歩5分)

  • 会費:会員2000円 ビジター3000円


☆「京都綜學院 林ゼミ」第5期・9月例会

  • 日時:9月1日(日)午前10時~午後4時

  • 演題:天下取りの驚くべき知恵と工夫~織田信長と天下布武、そして秀吉・家康

  • ワーク3「中期・短期(年間)計画」の解説

  • 会場:ちおん舎(中京区)※別会場の場合もありますのでご確認下さい。

  • 京都綜學院(第5期)詳細はこちらから↓


★政経倶楽部連合会・大阪支部例会

日時:令和7年度に出講予定
演題:未定
会場:大衛株式会社 都島区都島本通2-2-16
会費:会員・林塾メンバー 2千円、ビジター 3千円
申込先 :菊池070-6923-5866
kikuchi@eisei-kousya.jp


☆令和6年度・関西林英臣勉強会

綜合テーマ:人物に学ぶ胆力と器量
第3回 9月21日(土)
「勝海舟」幕府の幕引きを担った人物の、優れた洞察力と死生観

・大事業を仕掛けるくらいの人は、かえって世間から悪く言われるものさ
・勝敗の念を度外に置き、心を虚しくして事変に対処せよ
・アジアの舞台に立って世界を相手にせよ 他

第4回 12月21日(土)
「植芝盛平」宇宙の心と己の心を結び、合氣道に開眼した武道の達人

・合氣道には敵はいない、宇宙の心を己の心とせよ
・大勢のときは一人と思い、一人のときは大勢と思え
・世界は魂の救いを求めている、まず日本から出直せ 他

参加費:年間お申込の方1万2千円(大学生8000円、高校生以下無料)
    各講座3500円(大学生2000円、高校生以下無料)
お申込・お問合わせ:浜野夕希子さん info@hamanoyukiko.com


☆今啓林綜學会(神戸)

統一テーマ:松下幸之助は、塾生にこう語った!~松下幸之助塾長の遺言

▼第5回:9月2日(月)※教本37頁~47頁
議論で終わったらいかん!半信半疑でも結論を出すこと
・大局から理想を描けるかどうか
・諸君を信じているから塾をやっているわけや

第6回:11月4日(月)※教本48頁~57頁
困難や困窮に陥って、なお志を忘れずにいられるかどうか
・定まる運命であれば、逃げても仕方ない。でも希望は失うな!
・最初に志があり、その志を堅持していくなら、志は必ず達成できる!

  • 教本:『松下幸之助のめざしたもの 松下政経塾生への講話から』[2015]松下政経塾 ※原題『松下幸之助塾主 遺言集 皆で新たな黎明を創ろうやないか』

  • 会場:神戸一宮神社 社務所 午後6時半~9時

  • 参加費:ビジター3000円 ※直接お越しいただいても大丈夫です。


★政経倶楽部連合会・広島支部例会

  • 日時:10月25日(金)

  • 演題:人材で終わる政治家、人物に成長する経世家。その心得(仮)

  • 会場:アドバン@貸し会議室( 広島三栄ビル6階)

  • http://www.hiroshima-kaigishitsu.com/access

  • 会費:会員2000円 ビジター3000円 学生無料

  • Zoomでの例会参加も出来ます~ご希望の方は下記までお知らせ下さい。

  • 連絡先:広島支部長・佐藤克則さんTEL:082-546-2080 FAX:082-546-2081

  • katsunori2006s@sato-co.jp


★九州政経倶楽部例会

  • 日時:次回は令和7年度

  • 演題:未定

  • 会場:未定

  • 会費:会員2000円 ビジター3000円 


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