ココアの歴史と優れた効能を紐解く🌈
嗜好飲料の中でも、特に栄養価が高いと言われている『ココア』。
ココアは、たんぱく質・脂質・糖質・カルシウム・カリウム・鉄・ビタミンB群・食物繊維など、身体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
主な効用は、疲労・動脈硬化・高血圧・血栓症・貧血・情緒不安定・便秘・肥満などの予防・解消です。
また、ココアに含まれている『カカオポリフェノール』は、抗酸化力が強く、活性酸素の抑制・生活習慣の予防・リラックス効果・血行促進・冷え性改善などの効果があると言われています。
そんなココアの歴史は、チョコレートの歴史から始まります。
実は、カカオマスからココアバターを分離することが可能になるまで、『ココア』という言葉は存在しませんでした。
カカオを使った飲み物はかつて、固形でも液体でもないペースト状のチョコレートしかなかったんです。
16世紀初頭にスペイン人によって欧州へ伝わった『チョコレート』。
当初、チョコレートは病人を助ける薬として利用されていました。
17世紀初頭に、スペイン国王フェリペ3世の娘が、フランス国王ルイ13世の家に嫁いだ際、チョコレートがフランスへ渡り、17世紀中期以降、嗜好品として飲まれるようになりました。
当時ヨーロッパで飲まれていたチョコレートは、スプーンを立てても倒れないほど濃厚な飲み物でした。
それが、18世紀になると、その苦味を受け入れられない人々が、牛乳を加えて飲むようになります。
しかし、あまり変わらなかったそうです。
当時のチョコレートは、単にカカオをすり潰しただけの飲み物。そのため、油脂分があまりにも多く、お湯や牛乳に上手く溶けなかったそうです。
この問題を解決したのが、オランダのココアメーカー『バンホーテン』創業者のカスパルス・ファン・ハウテン。
彼は、1815年にチョコレート工場を創業後、1828年頃にカカオマスから油脂を分離し粉末化することに成功します。その粉末を『ココア』と名付けて販売したんです。
脱脂することで、カカオを細かくすり潰すことができるようになり、お湯や牛乳に溶けやすくなりました。
この使い勝手が良さから、ココアは一気に一般家庭へと広まっていきます。
では、日本で、最初にココアが飲まれたのはいつなのでしょうか?
徳川昭武がフランス留学中に書いた日記に、こんな一文があります。
「慶應4年8月3日(1868年9月18日)朝8時、ココアを喫んだ後、海軍工廠を訪ねる」
この一文が、「日本人がココアを飲む様子が書かれた最古の史料」であるとされています。
チョコレートが日本で本格的につくられるようになったのは、1900年以降。
1918年に、森永製菓が日本で初めて、カカオ豆からつくるチョコレートの一貫生産を開始し、8月に原料用ビターチョコレート、10月にポケット用ミルクチョコレートの発売を開始しています。
効能が多く、幅広い年代に愛されている『ココア』。
ココアには、テオブロミン・リグニン・カフェインなど、健康効果が期待できる栄養素も含まれています。しかし、これらの栄養素は摂取し過ぎると、体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、同じカカオを原料とするチョコレートも、ココアと主な栄養素や効用は変わりませんが、チョコレートには、脂質が35~40%含まれているため、食べ過ぎると肥満や高脂血症の原因になります。
どちらも、飲む量・食べる量には注意が必要です😌
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