見出し画像

『武器になる哲学』(著:山口周)~哲学的な思考プロセスを現実に適用して未来を読み解く~

以前読んだ『読書を仕事につなげる技術』がおもしろかったので、山口さんの著書をいくつかあたりたいなと思い手にとったのが本書。

山口さんの著書のなかでも、「哲学」が「武器になる」ってどういうこと?とタイトルに惹かれた。

読んだ感想としては、哲学を学ぶことがまさかここまで現代の世情を読み解くことに役立つとは思いもかけず、かなり興味深い内容だった。

本書のコンセプトとして、ビジネスマンが哲学を学ぶことの意義は、哲学におけるアウトプット(たとえば、「我思う、故に我あり」とか、「神は死んだ」とか)を学ぶことにあるのではなく、そこに至ったプロセスを学ぶことにある、というものがあげられる。

たとえば、紀元前6世紀ごろは、「大地は水に支えられている」と考えられていたらしいのだが、アナクシマンドロスという哲学者がこれに疑問を覚え、「水に支えられているなら、水を支える何かがあるはずだ」という発想を皮切りに、「水を支える何かを支えいるものがある、それをまた支える何かがある、それをまた…」と思考をめぐらせた。

その結果、「無限に続くものなどありえないのではないか」と考え、「大地は宙に浮いている」という結論に至る。

こうした常識を疑う視点や、そこからの思考のプロセスこそ、現代におけるさまざまな世情を読み解くためのヒントになるだろうと。

デカルトの「我思う、故に我あり」もしかり。

そこに至るプロセスが大事。


本書では哲学だけでなく、思想一般にも守備範囲を広げて、思考のプロセスを紹介する。

全部で50あるのだが、なかなかボリューミー。

なので、目次で興味のあるものだけを拾って読むのもありかと思う。


特に、第1部では哲学的な思考の意味が語られているので必須として、第2部の「予定説」や「ルサンチマン」の話はめちゃくちゃおもしろかった。

本書を材料に、現実の世界について哲学的に思考を巡らせるトレーニングをしてみるのはいかがだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?