谷崎潤一郎『春琴抄』読書感想。
盲目の美女と奉公人との純愛モノということで、
健気で儚げな女性を勝手にイメージしていたけれど
全然違っていて面を食らった。
小柄で色白、儚げな見た目なのに、
我儘で傲慢、おまけに嗜虐性まである女性。
けれど、読み進めるにつれ、徐々にこの人格形成の一因を“盲目“という身体的欠陥が担っているということが詳らかにされていく。
“盲目“を自分の中で負い目として感じており、元来のプライドの高さもあり、虚勢を張らずには世間と対峙することさえままならなかったのではないだろうか。
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