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早春の葉山 美しい夕日たち


そこで暮らすということは夕日を眺めることだと思うのは私だけだろうか。
旅先では夕日が水平線に沈むまで見つめる時の余裕はない。  
暮れていく刻一刻を楽しむ豊かな 生活を送る、そんな毎日が続くことを人は望むだろう。
そして暮らすように滞在し忘れていた大切な時間を取り戻す。

早春の日差しの中、季節はうつろい、木枯らしが遠のくと、
葉山の海は鮮やかな化粧を纏うように、得意の表情を見せ始める。

砂浜には点々とはずむような間隔の足跡が鎖線のように続き、
そのあとを犬の鳴き声が追いかける。
葉山の水際で見かける幸せな瞬間だ。


最近テレビでは、散歩中の出会いを紹介する番組が多いが、
浜辺を歩く散歩は今日を振り返る自分の時間。

あるいはたいせつな人と静かな言葉を交わしながらゆっくり
辿るアンビエントなひと時だ。
黄昏の中シルエットの人たちは、思いのほか遠くまで歩いてしまう。

水平線までの距離は以外に近く、4.5キロという。
永遠の彼方にも見える波路の果ては壮大なオーラを放ちながら朱華の太陽を
飲み込んでいく。

輝きが消えていくにつれて空が、雲が万華鏡のように変化する。
茜色の夕焼けがドラマさながらに終わると星と月光が私たちの上に輝いて
長い一日が静かな眠りにつく。
私も静かなVILLAで読書することにしよう。


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