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牛乳か相談だ

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牛乳ができるまでの十勝の牧場のとある日常をご紹介。牧場で働く前に読むと、どんな仕事なのか、牛乳の選び方等もわかります。
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2021年12月の記事一覧

良質な生乳は、”小さな積み重ね”が全て

良質な生乳は、”小さな積み重ね”が全て

今年もいよいよあと2日。
牧場で年の瀬だなぁと思うのは、小さな鏡餅が飾られるぐらいかな。 
今朝も日の出前に一通りの仕事を終え、一旦、家に戻ってきた所です。

小さな改善を毎日積み重ねる毎朝の餌やりの手順について今朝、少しスタッフ間で打合せしたんだけど、ちょっとしたムダを減らすために明日から少し工夫してみることにした。
牛が食べる以上の餌を入れても仕方ないから、適量の餌をやりつつ、無駄にしないよう

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治療中の牛乳は、全部捨てます

治療中の牛乳は、全部捨てます

食が細くなった牛なんとなく、デントコーンを残すようになったベテランさん。

とりあえず、ケトーを疑って薬を飲ませて様子を見つつ、搾乳時にも乳房炎になる可能性があるので、注意していた。

搾乳時にスタッフが乳房炎を発見これを使って、搾乳前に乳房炎かどうかチェックします。

今回、見事に、1本が乳房炎確定(泣)。

すぐに治療を開始します。 

投薬後も搾り続けますが、廃棄します。治療中は搾らないのか

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ショベルがパンクした朝

ショベルがパンクした朝

自転車のパンクだったらまだ直せるんですが。。。。

牧場の朝は、ショベルでの餌やりから始まる僕。
牛舎の仕事をササっと終えて、ショベルへ。外はまだ真っ暗な時間。

エンジンをかけて、少しバックすると体が左に傾いている。。

ん?????

動きもおかしい。 一旦降りてタイヤを見るとなんと、パンク。

自重がとんでもなく重いので、このまま走ってタイヤやホイールを傷めるのが怖い。 それでも修理しやすい

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「生乳」と「牛乳」は似て非なるモノなり

「生乳」と「牛乳」は似て非なるモノなり

以前、考えたことがあるんです。

搾ったそのまんま、消費者の手元に届けることができないかな、と。

搾りたての牛乳、飲んでみたいですか?

”牛乳”と”生乳”の違いしかし、搾ってすぐのものは”生乳”と呼び、このままの状態では販売も加工も一切できません。法律で決まっています。

特別な設備と許可を得た”特別牛乳”と呼ばれる場合を除き、ほぼ全ての生乳は何らかの形で加熱殺菌を加えて、”牛乳”になります。

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牛乳のシンプルなお話

牛乳のシンプルなお話

いま、皆さんに牛乳を飲んで欲しい!っていうキャンペーンが大々的に行われていますが、このあたりの事に触れる前に、そもそも、牛乳や乳製品についての基本的なことをまとめてみることにしました。

できるだけシンプルに。ややこしいことは抜きにして。

牛乳の基本的な計算式牛乳は、”水”、”乳脂肪分”、”無脂乳固形分” この3つに分けられます。
無脂乳固形分については、後ほど詳しく説明します。

さて、この3

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家、変わりたくないんです 〜牛の移動〜

家、変わりたくないんです 〜牛の移動〜

牛の成長に合わせて牛舎が変わる牛が初めての妊娠ができるようになるのに生後13ヶ月〜15ヶ月ぐらい。
そろそろそんな時期が近い牛が出てきたので、移動することに。

ショベルで引っ張る。ようやく動くロープなどをかけて牛を引っ張るのだけど、まず、ショベルに結ぶ所まででひと悶着。こっちは逆に引っ張られないように必死ですが、牛も動きたくないので必死。
でも、どうにかショベルにつなぐことができたので、約100

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牛の治療中、あれこれ

牛の治療中、あれこれ

数日前から出荷できるようになった分娩から間もない牛。
朝、様子を見ると調子悪そうにして、餌も残していた。
獣医さんを呼んで見てもらった所、少し肺炎を起こしかけているということで、抗生物質を投与しての治療となった。

薬が効いている間は出荷はできない

こうして薬を投与した牛には足にバンドを巻いて出荷対象からは外します。

出荷はできませんが、搾らなければ牛は体調を崩してしまうので個別に搾ります。ど

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