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野性のエンジン2. 【究極の食糧備蓄“発酵肉”は可能か?】

お茶団体の専門委員を務めた2年間、その肩書をフル活用して、様々なブランドと日本茶のマッチング、コラボレーションの絵を描き、実際にアプローチを繰り返した。アパレルブランドを始めとして、欧州銘窯陶磁器ブランドと銘茶の合わせ、山と渓谷社とのコラボによる“山茶ブランド”、日本工芸会(人間国宝の団体)とのコラボによる人間国宝ブランド、はてはオスカープロモーションとのコラボによる例えば“米倉涼子のお茶”(当時はまだ独立していなかった)。ジャニーズ事務所にも企画書をメールした。今のユーチューバーなどのインフルエンサー以前の、時代を彩るスターのファン層による爆発的効果を狙ったわけだ。壮絶な高額ギャラと例によってお茶業界の及び腰の為、実現には至らなかった。そんな中で、アプローチして委員会に推薦したT調理師専門学校はその強い企画力でがっちり農水省補助金を獲得して、調理師専門学校ではじめて本格的な日本茶講座を開講した。また華道機関誌編集長(元PHP研究所)には華道ブランド茶の推進を期待したが、ブレイクスルーできず、それでも農水省補助金によるティペアリングのイベント開催を実施した。
そんな日々の中で、世界が禍に覆われ始め、経済危機、食糧危機、戦乱などの影が現れ始めた。海外の大学、公的機関、大手メディアの翻訳サイト情報からいわゆるスパイクタンパク質(ウイルスとワクチン由来)に対して抑止力ある成分を選択する分子ドッキング法(創薬技術)により、お茶のエピガロカテキンガレートが一番有効だという論文が国内外大学に多数出始めたので、委員会委員長の大妻女子大学のO名誉教授とともに、メディカルトリビューン社を訪ねて、お茶の医療有効活用を企画化したりした。強い危機感の日々の中で、発酵茶の研究の為、O教授と東京農業大学名誉教授の世界的発酵権威、K名誉教授を訪ねた。世情を騒がせ始めた食糧危機の話題にK教授はご著書を開かれ、中国や東南アジアの少数民族には、数年レベルの備蓄保存が可能な発酵肉、発酵魚肉の伝統的手法があり(しかも数年備蓄保存後に発酵表面を切り分けて食べる発酵肉はたいへん美味らしい)、日本は江戸時代からの強い獣肉忌避の考え方の為、本格的な発酵肉技法が存在しないというお話をされた。鮒ずし、鯖寿司、しょっつるのような熟成食の域を出ない。この情報に私の野性エンジンが駆動し始め、K教授のご指導を頂きつつ、発酵肉の可能性探求が新しい目標となった。もちろんお茶によるスパイクタンパク質退治も同時並行する。食糧備蓄のメインストリートは、缶詰、瓶詰め、レトルト食品、冷凍食品、乾燥食品だが、いずれも、大災害時に伴うエネルギー危機による工場停止の為、非常に限界性を免れない。その点、発酵肉は工房程度の施設で自然力、人力と時間、微生物、酵素などにより可能だ。地域単位、家庭ごとに数年間の食糧備蓄があれば、数年間にまたがるサバイバルが可能となる。K教授はご高齢のため、東京農業大学の遥かに後輩である岡山のM大学の発酵専門のK.M教授に話したところ、即座に了承されて、恩師のK教授に会われ、発酵肉開発に着手されたのだった。地元の精肉会社と守秘契約を結び、数十年前に合法的に国内に持ち込まれていたインドネシア由来の菌とK名誉教授指導の伝統的発酵技法による肉発酵試験。時間がかかるがそれは人間のご都合時間ではなく、大自然の時間だ。M市はジビエ肉開発でも日本有数であり、K.M教授と組み、一般肉とジビエ肉の年間備蓄可能発酵肉と長期熟成肉の特産品化を目指す。野性のエンジンとしては、地域の空家や廃工場等を活用する発酵肉工房を開校して主婦、料理人、農家、畜産養殖業者、自治体、大学による産学地域連携による発酵肉の国民食化を狙いたい。当然、ローリングストックステーション向けの発酵肉食品開発や誰でも家庭で手軽にできる発酵肉キットもいい。縄文時代には肉の燻製や発酵も必ずあったはずだから。それをもう一度取り戻すということだ。


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