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バースデー

大学サッカー部の同期に子どもが生まれた。

43人いる同期のなかで初めてのことで、なんだか胸に来るものがあった。昨年末の忘年会の時に奥さんが妊娠したことを報告してくれ、3月頭には同期みんなを招待して結婚パーティーを開いてくれた。僕は仕事でいけなかったのだけど、同期みんなで何か贈り物をしようということで協力して、一緒に過ごした大学時代のことを思い出すようなムービーを作ってみたりした。

ちなみにこういうときに必ず旗を振ってくれるやつがいて、まあ段取りは悪いのでパーティー当日の朝まで僕は作業をすることになったのだけど、前の日の夜中に中心で動いていた数人でてんやわんやして、あれはあれで思い出深い。そういえば、卒業アルバムを作った時も納期ギリギリだったような。

できあがったムービー、みんなが褒めてくれて嬉しかったよ。さっき2か月ぶりくらいに観て、自分でもちょっと感動している。



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本当になんのてらいもなく、僕らは「家族ぐるみで会えるようになるのが楽しみだ」という。大学での4年間、なんとも濃い時間を過ごしてきて、それからもう3年も経つのに、愛着はなんだか増しているような気さえする。


「おれら、家族みたいなものだと思ってるから」

大学生の頃から誰かしらが言ってた言葉が、卒業してバラバラになってから時間が経つほど、身体にいっそう馴染んでくる。一緒に過ごす時間はあの頃より減っているにもかかわらずだ。

そういえば、僕は実家を出て8年目になるのだけど、高校生の頃より両親や妹のことを家族だと感じている気がする。年に数回集まる親族(知っている人は知っているが、僕の親族が集まると映画『サマーウォーズ』のあれを越してくる)だって、昔より今の方が「家族だなあ」という実感がある。


僕らの関係もそういうものかもしれない。年末に集まるあれは帰省みたいなものだし、子どもが生まれるのは一家にとって最高にハッピーなことだ。

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同期から、子どもが無事に生まれたという報告のLINEが入った時、自分の子どもが生まれたわけでもないのにちょっと胸が熱くなったのだ。祝福の気持ちと、でもそれ以上の何かが、じわっと溢れてきた。

感動、というと月並みなんだけど心が動く実感があった。

そして「ああ、こういう気持ちにまだまだ何度もなれるんだろうな」と思うと、ちょっと先の未来へスキップしていけるような気持ちになれる。


LINEのトーク画面に勢いよく流れる祝福の言葉と賑やかなスタンプ。ちょっとしたお祭り騒ぎだ。

自分の父親の仲間からこれほどの祝福を受けて生まれてきたことを、いつかその子は知るのだろうか。その時、何を思うのだろうか。もしいつか僕に子どもができて、同じように生まれてきたことをみんなに祝福してもらえたとしたら、大きくなった時に話すんだろう。

「君が生まれた時に、お父さんの大事な仲間たちがさ…」


いくつになっても、何度でも、みんなで集まれても集まれなくても、こうやって僕らのファミリーが増える喜びを心から分かち合える仲間でいたいよな。

新たなるファミリーの誕生に、乾杯。


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