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ただひたすら甘口に全選手の前半戦+αを振り返るの会<その①>

昇格を目指して始まったシーズンももう23節を消化
シーズン当初から振り返ると、これまで類を見ない選手の大量入れ替えから始まり、リハビリ中の選手を含めた選手35名を抱えながら、キャンプでは4バック&新たなビルドアップの形を試すなど大幅なスタイル転換を図る(もうこの話は何度目だという感じだが……笑)。

しかし、TMから不穏な雰囲気が漂っていたこの取り組みはなかなかすぐにはうまくいかず。直前で昨年のような3バックに戻り、(一応)仕上がった状態からシーズンに突入するも開幕から5戦勝ち無しで思うような成績が出ず、それどころか4連敗や最下位転落、監督交代など去年に続いて苦しいシーズンが続いてしまう。

ようやく光明が見えだしたのは名波監督の招聘。結果こそ東京V戦以外はまだまだついてきてはいないが、ピッチでの戦い方や選手の輝きはどの試合も目に見えて向上した。そんなこんなでチームはただいま生き残りをかけて、非常に重要な中断期間でスタイルを再構築中。セルジの復帰も発表され、期待感は高まるばかり……。

さて、ここまでは序の口で、ここからが本題。
チームの結果がついてこなかったことで、レビューも辛辣な内容も多々あったが、ここで中断期間までの戦いを総括する意味でも、選手の良かった点(Jリーグ公式に残っているものはその動画)、そして今後の期待にフォーカスして1人1人振り返っていきたいと思う。やや甘口マイルドな内容になることはご容赦いただきたい。

<全選手を甘口に振り返る>

~GK~

・圍謙太郎

去年に引き続き、村山との正GK争い。開幕スタメンを飾り、全23試合中13試合に出場。安定したセービングと広い守備範囲で救われた試合は今年序盤から少なくなかったが、ここ最近ではコーチングや保持にもこれまでにないほど意欲的に取り組んでいるように見える。名波監督になってからは東京V戦以降3戦連続で使われ続けており、ついに定着も見えてきたか。J2ナンバーワンGKを狙えるポテンシャルを爆発させたい。

・村山智彦

逆天王山での3連勝や名波体制初戦でゴールマウスを守るなど現場・サポともに厚い信頼を置いている、頼れる漢。ビックセーブだけではなく、なかなか組織が固まらないチームを後ろから動かせる貴重な存在として今年も存在感を示した。ベンチからでもあれだけチームを鼓舞できるGKはJリーグ全体でもなかなかいない。漢・漢・村山を早くしたい。

・ゴドンミン

今年で山雅5年目。2月に大怪我をして一時帰国をし、このコロナ禍を考えるとかなりの苦労があったと思われるのは想像に容易いが、再び元気な姿を見ることができたのは素直に喜ばしい。先日のTMでも元気が有り余っていたのか、ゴールまで決めるところまで復活している。監督交代&中断期間が転機になるか。

・神田 渉馬

ユースから初のストレート昇格。そして、第14節金沢戦では初のメンバー入りと歴史を作った前半戦。ポジション柄なかなか出番は回ってきにくいが世界的にGKに求められるタスクが変化していることで、Jでも若手GKの波は来ているので一気に序列を覆しても不思議ではない。次は初出場で再び山雅の1つ歴史を作っていければ……。

~DF~

・星 キョーワァン

J1でも通用する対人能力は去年から見せていたが、山雅における評価の急上昇度で言えば前半戦でナンバーワンだったのではないか。圧倒的な空中戦の強さとカバー範囲の広さはまさに規格外で、組織が崩壊しかけた時でも何度も助けられた。試合経験を積むたびに頼もしさは増しており、後半戦は他のJ1勢にも見つかってしまうジレンマを抱えそうだが、将来が楽しみなプレイヤーである。

・田中隼磨

どれだけ選手が入れ替わろうともこのチームにおける隼磨の影響力は変わらない。いや、むしろ入れ替わりがあった時こそ発揮されると思っている。怪我の調子は万全ではなかったはずだが、今年もがっちり開幕スタメンに合わせてきたのはさすがの一言。リハビリに専念してもらいたい気持ちもあるが影のコーチとしてチームを支えてほしい。

・前貴之

DF登録だがIH・アンカー・2DH・右WB・右CBとあらゆるポジションでの起用に応える。攻撃でも守備でもとにかくとにかくあらゆる場所に顔を出して周りを助けられる存在なので、仕掛けたいプレイヤーが多い中でも縁の下の力持ち的な位置取りをできる貴重なピースだった。組織的になればなるほど輝くはずなのでまだまだやれる選手。

・篠原 弘次郎

出場時間346分と限られていた中でも"頼れるアニキ感"に魅力を感じた人も多い気がする。失礼ながら岡山時代の印象を引きずっていたところはあったが、そこからアップデートされ、ライン統率、相手との駆け引きだけではなく、フィードやボール回しの保持時もかなりうまさを感じた。長期離脱中だが、彼の具合によっても補強が左右されるほど必要とされる立場、早く戻ってこれることを願う。

・橋内 優也

同じくチームに必要な統率力を持ち、かつ松本山雅を知っている貴重なベテラン。新潟戦であれだけ良い戦いができたのは橋内のライン設定があってこそと言ってもいいほどいるのといないのでは全然変わってくる。どうしても負担が大きくなってしまうのが気がかりだが、他の若きDF陣も怪我の功名で育ちつつある。復帰後の融合が楽しみである。

・浜崎拓磨

数少ないJ1からの補強組だが、負傷もあってまだまだ本領発揮とはいかず。だが、リーグ初出場となった群馬戦から始まった3連勝中はWBからの組み立て→横山への配球が1つのパターンとして確立されていた。中盤に入った時もボールを動かす能力を見せており、うまくチームに組み込めれば大きな戦力となる可能性を秘めている。セルジもキッカーとしては超優秀だが、意表を突くキックを得意としている浜崎と2人で並べばさらに脅威は増すはず。

・大野 佑哉

レギュラーとして始まった初のシーズン。星や野々村、宮部とチーム内で次々とライバルが現れ、安泰とはいっていないが新潟戦での本間封じや群馬戦の決勝ゴールなど記憶に残る活躍も多い。またCBとして16試合先発は2位と大きく差をつけて最多(2位橋内は11試合)。名波体制初戦となった琉球戦以外は全ての試合でメンバー入りをしているのは評価されるべきポイントだろう。

・宮部 大己

以前レビューでも書いたが、現時点では名波体制での最大の発見。第9節愛媛戦でWBで初出場した時はHTでの交代となってしまったが、名波体制での4戦では右CBに入り、強力アタッカー陣を次々と封殺。対人では言うことなしの強さを見せている。奪った後の攻撃参加も他のCB陣にないものを持っているのでハマれば中断後の定着も見えてくる。

・常田 克人

今シーズンも左足から繰り出されるロングフィードはロマンの塊。空中戦もロマンの塊。名波体制になってからは守備面でもハードさが見られるようになってきているが、去年橋内のもとプレーが改善されたように何かがきっかけでガラッと変われるポテンシャルは持っている。気持ちと靴紐を引き締めて左CBでは絶対的な存在として君臨してほしいところ。

・野々村鷹人

第2節の京都戦で緊急出場。橋内の代わりに入るという大役を全うした後、第7節までスタメンとして連続出場。900時間にも満たない出場時間でウタカ、ヴィニシウス、ルキアン、エジガルというJ2トップクラスの助っ人たちとのマッチアップを経験、十分に渡り合うなど早くもサポの心を掴む。地上戦なら宮部、空中戦なら野々村と早くもJ2で通用したのは嬉しいサプライズになった。

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35選手のうち14選手が終了!次回はMF&FWの選手を振り返ります!

END

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