見出し画像

山形戦プレビュー~ウノゼロの再現を。鍵を握る352の修正~

メンタルとコンディションのケアも重視?

厳しい日程が続き、最近プレビューを書くのも難しくなってきているため、この状況を打破するために"どこかでレビューに絞るなど簡略化する"か"踏ん張りをつけて悪い流れを止めなければいけない"……。そんなことを考えていたが、山雅も似たような状態かもしれない。僕の方は今回はひとまず踏ん張ろうと思う。

敗戦後、中3日でアウェイの山形での試合となる今節。言うまでもなく移動やコンディション面でまずはかなりの負担がある。メンタル面とコンディション調整を最優先項目としているそうなので尚更そこには気を配るはず。監督変更によってメンバーの大枠や序列は掴めていないが(例えば乾や高木利が怪我なのか?構想外なのか?等)そこも徐々に紐解いていける試合になるかもしれない。

■前半戦の対戦

前回は4戦勝ち無しの山雅と6戦負け無しの山形という状況での試合。その前の試合となる岡山戦から中2日で服部・高木彰という出場時間の少ない2トップを組むなど9人入れ替えて戦った⇩

前半スタメン

試合は支配率36-62という数字にも表れるようにほとんどの時間で山形がボールを保持。ただ石丸監督も「相手に付き合ったというような試合展開」と振り返ったように山雅側も持たせることは許容している様子で、がっつりとブロックを組んで待ち構える。村山のセーブや相手のシュートミスにも助けられ、決勝点も76分のセルジのドリブル→PKだったが、「ギリギリまで耐えに耐えて終盤に一刺し」という福岡戦と同様プラン通りのウノゼロ勝利、ある意味これまでの山雅らしい勝ち方をできた。

■前回との違い

前半戦の勝利は遠い昔の試合のように感じるが実際は9月5日なので正直相手はほとんど変わっていない。アタッキングサードの崩しは徐々に洗練されてきているのも印象としてあるが劇的なものではなく、1番の変化でいうとGK櫛引らの負傷によって元山雅戦士・藤嶋が緊急補強されたことか。経験の差からすると佐藤昭から即ポジション奪取は難しいかもしれないがベンチ入りは十分あり得る。

また前半戦は不在だった10番中村充は前節群馬戦で欠場しているが、休養かアクシデントかは不明。出てくれば短時間でも違いを生み出せる選手なので要注意。

■注目選手

前回対戦では中村駿をあげたが、今回は山岸をあげたい。群馬戦では2得点あげ、前々節の磐田戦でも高いスタッツを記録している、現在好調の選手で前回対戦時も圧縮を意識していたバイタルエリアを最も有効に使ってきた選手であった。こちらのシステムは変わっているとはいえ、352はアンカー脇を使われやすくきちんとした対策を打たなければそこから守備を崩されかねない。

■予想スタメン

予想

<松本>

CBはここ2試合の傾向を見ると固定をしたいような意図が見られる。プラス米原を固定していくのかは注目点の1つ。IHは杉本・久保田が前節出番が少なく、山本真・前もそろそろ先発もいけそうなので可能性はある。誰が出るにしても352のIHは消耗が激しくなるので2セット分以上考えなければならないだろう。問題は2トップ。阪野・セルジ・高木彰で回していくのか、服部・榎本もここに加えていくのか……。ここをうまく回さないと再び阪野の輝きが失われてしまう可能性は大きい。

・個人的には……

ジャエルの負傷と先ほど書いた352の弱点を考慮して、シフトしやすく慣れ親しんだ3421に戻す可能性も考える。阪野孤立問題も解決する時間も気になるので個人的にはこちらのほうが推したい。何より持ち駒的には1トップ2シャドー2ボランチの方がしっくりくるような気はする……。⇩

予想2

<山形>

基本的なメンバーの大枠や戦い方は固まっており、その中でローテしながら安定した戦いを繰り広げている。その中でも主軸となっているのは山岸・中村駿・山田拓・熊本あたりか。このあたりが抜けていればチャレンジングなメンバー選考をしてきたことになる。

■山形戦のポイント

ポイント①阪野を殺さず、生かすための戦い方を

まずは先ほど書いた最前線の選手を孤立させないこと。352を基本布陣とするならFWの1人とIHが全員後ろを向いてボールを貰いに行くと簡単にこの状況が出来上がってしまうので注意したい。山形2CBは両方とも180cm越えで跳ね返す能力が高いのでシンプルなロングボールで収められる可能性は低いと見ていい。

そして、失点の傾向を見るとクロスが35%と割合的にはかなり多い(山雅は11%)。これはしばらく3CBでやってきたことでクロス対応の距離感がうまくいっていないためだと勝手に考察しているが、鈴木・高橋にいい形でボールが入れば得点の可能性は高くなってくる。この時も阪野1人だと苦しいのでできればシュートを合わせるのもうまい鈴木・高橋が大外から入ってくるようにしたいところ。

ポイント②サイドで数的優位を作らせない

442のままだと352でプレスはかけやすいが、山形の場合ビルドアップも可変してくる。片方のサイドに偏重するような攻め方をすることが多いのでこれまでのようにIHが前に出て数的同位を作るようにするとサイドで松本WBVS山形SB・SHの数的不利が生まれるケースが出てくる⇩

守備

なので前線でただ追うだけではなく、前2枚でサイドを限定するのは必須

守備2

サイドに数的同位を作れれば後ろは非常にハメやすくなる。サイドで奪ってそのままのサイドでショートカウンターからのクロスが理想。相手のスタイルを考えても山雅は良い守備から鋭いカウンターを狙うような粘り強い展開を狙っていきたい。

ポイント③352の酸いも甘いも知る石丸監督

山形・石丸監督は山雅の352についての特徴、強み・弱みは理解している。下手したら柴田監督や西ヶ谷コーチよりも把握しているかもしれない。反町時代との352とは攻撃面は特徴が変わっているとしても守備は比較的その時の形を踏襲している。

さらに山形もシーズン当初は352から始まり、途中で挫折した経験がある。成熟度が高くない352の弱点(具体的には1アンカー脇やビルドアップのルート)は理解しているはず。そうした敵の弱点は徹底的に分析して突いてくる監督なのでそれを上回る対策やプランBを用意して臨めるかどうかは1つのポイントになる。

----------------------------------------------

プレビューは以上です。現在、6試合勝ち無し。厳しい今シーズンの中でも最も勝ちから遠ざかっています。新監督なので長い目を見てみなければいけないと思う一方、ある程度即効性がなければ解任という道を選んだ意味がなくなってしまう難しさもあります。

サポーターとしても足並みを揃えるのは難しい時期ですが、ここでこちら側も踏ん張れないと選手側もモチベーションを保つのが難しくなってきます。昇格が遠ざかってる今、いくらプロでも目標がないのはつらいはずです。「サポーターのために勝たないと」と思ってもらえる集団であるためにも遠方アウェイですができることからやっていきましょう!Onesou1!

END

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?