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Braai(ブライ)が大好きな南アフリカ人

日本の実家に、一家に一台あるものといえば、なんだろうか。
それは、冷蔵庫や洗濯機、テレビやiRobotの話をしているわけではない。

”ある地域で”という括りをすると。である。
大阪の家では、それはたこ焼き器かもしれないし、北海道民であれば、ジンギス鍋かもしれない。

そして、ここ南アフリカは、Braaiだ。
Braaiとは、英語でいうBarbecueである。
ただ、現地メディアのBraaiの説明を少し読むとこう書いてある。

More than just a barbecue, the braai is practically a national sport.
(braaiはバーベキューを超えたものであり、国民的スポーツのようなもの)

要は、相撲と一緒なのかもしれない。(笑)
餅つきのようなものか?
いずれにしても、このBraaiに対する彼らの愛情と技術レベルは非常に高い。
男性のほとんどが、コンロの前では鍋奉行のように、音頭を執る。
あ、相撲と言ったが、確かにbraaiとは、日本でいう鍋のようなものかもしれないな。
以下にサイトを引用したbraaiの説明を置いておきます。

南アフリカの「braai」は、単なるバーベキュー以上のものです。これは数時間続く特別な食事の儀式であり、独自のルールやエチケットがあります。
braaiの最も重要な部分は火です。伝統的なbraaiは地元の木で、現代のbraaiは木炭で行われ、どちらも肉に独特の風味を与えます。
火を起こす木材の種類によってもbraaiの質が変わり、例えばカメルドーリングはゆっくりと燃えて良い熱と炭を提供し、ヴィンガードは速く燃え尽きますが、香りと風味を加えるのに適しています。
ホストが木を選び、火を管理し、ゲストは飲み物を持ち寄りながら火の周りで交流します。「Jy krap nie aan ‘n ander man se vuur nie」ということわざがあり、「他人の火いじりはしない」という意味です。

The real world

braaiは南アフリカ文化の重要な部分で、誕生日から卒業式、婚約、国民の祝日まで、さまざまなお祝いごとで家族や友人を一つにします。
良い食事を共有し、火を囲んで愛を感じる瞬間です。「braai」という言葉はアフリカーンス語で、オランダ語の「braden」(焼く)に由来しています。
braaiの美しさは、南アフリカのどの文化的グループにも特定されず、国の激動の過去を超えて国民を一つにするところにあります。

THE REAL WORLD

また、毎年9月24日は、伝統文化継承の日(Heritage Day)であり、南アフリカ共和国の祝日である。この日、南アフリカの人々は、彼らの文化、信念、文化の多様性を祝うことが奨励される。その日は、親しみを込めて「Braai Day」と呼ばれており、天候が悪い時でも室内でbraaiを行ったり、朝食用のミニbraaiを開催することもあるらしい。つまり、何もbraaiを止めることはできない。(笑)

braaiは、誕生日から卒業式、婚約、国民の祝日まで、さまざまなお祝いごとで家族や友人を一つにする役割を果たす。
良い食事を共有し、火を囲んで愛を感じるようだ。
「braai」という言葉は元々、アフリカーンス語で、オランダ語の「braden」(焼く)に由来している。
そしてこのbraaiは、南アフリカだけではなく、そのお隣のナミビアなどでも使われており、僕は、ナミビアへの旅行で、ガイドが今日はBraaiをするぞ!と言ってくれたことで初めてこの言葉を知ったのだ。

また、僕は、以前紹介したDouglasの家で、南アフリカ産ブラジル仕込みの本物のBraaiをその時、たまたま一緒旅行に来ていたCristoff(記事のサムネイル)によって教えてもらえた。

彼は、ブラジル仕込みのシュラスコと南アフリカのBraaiによって、市販の普通の肉を今までで体験したことのない時間のかけ方で、最高に美味しく仕上げてくれた。

全く使われていなかったbraaiを綺麗にしたクリストフ
肉を焼き始めるクリストフと家主のDouglas
熟成して焼いたお肉

この、塊のお肉だが、多分1時間30分くらいの時間をかけて焼いたのである。
僕らのバーベキューの概念は、ダッと焼いて、ガッと食べて、グイッと飲む。そしてワハハと笑い合う。だ。
しかしクリストフは、スローリースローリー。ばかり伝えてくる。
そんな急いで焼いちゃダメだ。
弱火で、じっくりじっくり時間をかけて焼く。
そしてそのじっくり焼いてる時に、楽しく話し合う、笑い合うんだぜ。
そうこうしているうちに肉の出来上がりだ。

というスピード感である。

案の定、酒は回り、お腹もそんなに空いていないタイミングで、丁寧にブライされたこの塊の肉が出てきた。

中はミディアムレアで外はカリっと

それは、それは、最高の味だった。
正直、こんなに時間をかけて焼いたら、肉ってカチカチに固まってしまうのではないか?
むしろ外気で冷たくなってしまっているのではないか。
などいろんな、美味しくない要素を思い浮かべていたのだが、そのどれもが違かった。

市販のお肉だ。しかもほぼ塩胡椒だけだ。

それなのに、カリッと仕上がり、中はふわっと柔らかく、ソースも交えていないのに口に広がるの肉の味が、まるでソースのように深さがあった。この肉は、こうやって食べてもらいたかったのかと学んだ。

クリストフ以外にも、Douglasの友達の家でも、ソーセージをbraaiしてホットドックにして食べた。

胃腸のような長さのソーセージ

また、今住んでいる家でも、ヨハネスブルグ出身の彼がルームメイトの誕生日祝いに、braaiをしてくれた。

季節は秋である。夜になると15℃くらいの少し肌寒さを感じる季節だが、彼らにとって寒さは関係ない。
braaiが、私たちを暖かくしてくれるのだ。

一家に一台のbraaiは、単純な旅行だけではな中々味わえない。
彼らの生活文化に溶け込んでこそ味わえる楽しさである。

ちなみに、肉が安いのも最高だ。
ステーキ肉が300円で買える。笑

30Rの肉たち。1R=8円

こうして、今日もどこかで誰かと何かを祝い、南アフリカではbraaiが行われていることだろう。

南アフリカにきたら、みんなでbraaiしようじゃないか。

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