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『今、逢いに行きます』企画

ウェディングプランナーのお仕事をしていて、
よくお客様の声で耳にする言葉があります。

“結婚式にどうしてもこれないゲストがいます”

仕事の休みがとれなかったり
すごく遠くに住んでいたり
直前で交通機関がとれなかったり
怪我をしていたり
ご高齢で来れなかったり、と
様々な理由があります。

お客様の反応は人それぞれで、
“仕事休んでほしーーぃ😭”って吐露する方もいれば、”仕方ないよな😔”って我慢をこらえる方もいます。少なからず、寂しい気持ちを感じております。そのお話の時は、私は未だになんて声をかけたらいいのか分からず、どんより空気にさせてしまう事もしばしば。

ウェディングプランナーとして何か出来る事はないのかなぁって考えて始めてたある日。

東村山がご実家のご新郎様(それこそ、志村けんさんのご親戚だそぅ)をお手伝いする事になりました。
ご新郎様のお母様は既に他界。もちろん当日列席する事は出来ません。

お打ち合わせで、ご家族様のお話しを伺った時に、
“母に彼女を逢わせたかったです”と
呟く新郎様に、胸が締め付けられる気持ちになりました。

私の両親は健全で、私の人生の中でそんな風な感情感じた事がないから、「そうですよね、、」って声をかける事しか出来ませんでした。
花嫁はとても明るいお人柄でいつもニコニコ、良い意味での天然さん。

“私も逢いたかったよ”
優しく新郎様に声をかけてあげていました。

心がトクンとなりました。

数日経ったある日
舞い降りてくるように、はっと思いついた事がありました。
それは、花嫁姿をお母様が眠る場所へ見せに行くというもの。

『今逢いに行きます企画』


おふたりにお話すると、すごく喜んで下さってすぐに詳細を練り始めました。

やっぱり花嫁支度は、新郎様が育った場所が
いいと思う。
新郎様が遊んでた場所で前撮り撮影もいいな。
お義母様には、お花と手紙を用意しよう。
色んなお話をして、ついにその日がやってきました。
すごくワクワクしました。

いざ東村山へ!!
そこは、すごくのどかな場所でした。
新郎お父様も快く受け入れてくださって
花嫁支度中、お父様が教えてくれました。

“ウチに、あんな元気な娘さんが来てくれてねぇ。我が家は凄く華やかになったんだよ。きっと喜んでるよ。”

じわ〜って心があたたかくなりました。
花嫁支度が結ぶと、お父様が大好きなコーヒーを入れてくださり、いつものダイニングテーブルをみんなで囲みました。

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お母様の眠る場所まで、道案内するのは新郎様。向かう途中で、たくさんの写真を撮りました。
子供のようにはしゃぐ二人を見守りました。

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“そろそろ行きますか”

新郎様の合図でお母様のところへ向かいました。
花嫁も初めて行く場所のようでした。

その場所で、
二人はそっとお花を渡して手を合わせました。
花嫁が用意した手紙をじっと聴く新郎様。
新郎様の好きなところや、これからの事などがつづられていました。

“......こんな私ですが、これからもよろしくお願いします”

さっきまでパラパラと降っていた雨が少し止んで、すごく穏やかな時間でした。

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“僕の嫁です”

お母様に花嫁を逢わせる事が出来ました。
すごくいいなぁ、良かったなぁ、って思いました。家族ってあたたかい。


後日結婚式で、その時のはしゃいだお写真達も使ってくれて、凄く嬉しかったです。
ウェディングプランナーって、まだまだやれる事あるなぁ、とつくづく思いました。
『今逢い行きます企画』すごくイイ!

お母様に逢いに行った時のお話。


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