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ド文系高卒発障が放送大学で数学とった

……という話を、します。
誰かの参考や暇つぶしになればいいな。


お前は誰なん

・三十路越え事務OL
・公立大学中退
・ADHD
 コンサータ服用中 学生時代36mg→今は経済的にキツくて18mg
・LD
 書字。
 たぶん数字系のなんかしらもアレだけれど、
 主訴に入れていなかったせいか診断としては無いっぽい

なんでやろうと思ったのか

なんとなく。
高尚な思いがあればサマになったかもしれんけどね。ないんだ。

大学の楽しいところは自主退学するまでの期間に十分楽しんだし
今の職場が学び直しをすすめているということもないし

強いて言うなら夫が「ちゃーさんは『計算』が苦手なだけで数学的思考は得意だと思うんだけどな~」と世迷言をのたまうのがウケたから。
改めてやって不出来だったらホラやっぱできないんじゃん!!!つって笑えるし、出来たらそれはそれで面白いし、それじゃやるかぁと。
ちなみに卒業を目指す全科履修でなく1年だけの選科履修です。ゆるゆる。

で、どんな講義とったの

放送授業『初歩からの数学』と、オンライン授業『演習初歩からの数学』
(あとついでに簡単そうな英文法などもお試しで登録してみました
 数学以外の講義については気が向いたら別で書くかも→8/28追記:英語について書きました 9/4追記:国語についてもチラッと書きました)

授業として聞く『初歩からの数学』と、練習問題を解く『演習~』って感じの位置づけみたい。
『初歩からの数学』は、まーーーじでド初歩からおさらいする関係上
実際に問題を解いたり解説したりという時間がほぼとれない。
考え方の説明でギリギリいっぱいというテンポです。

個人的にはアシスタントさんによる比喩のターンが悉く刺さらず余計に混乱するだけだったので
その時間を教授の説明に回してくれ~~~~と思いながら聞いていた。
例え話を理解できる定型発達民にはイイ補足なのかもしれない。こればっかりは相性。
ネットで他の受講者の感想を見ているとアシスタントさんわりと評判いいので自分の方が少数派らしい。
マジで?底数をTシャツに例えるフリップ見て何を納得してんの?底シャツってなんなんだよ。言葉遊びの単純さに笑っただけで内容は何も入ってこなかったんだが。定型民の感覚ほんと謎すぎる。

『演習~』の説明は『初歩からの数学』で言ったことの要点チェック程度しかないのでコンパクト。

自前の問題集があるなら『初歩からの数学』だけ受講すれば十分かな。
高校の数学が終わったときすべての関連書籍を手放した自分は『演習~』とって良かったです。
高校で使った青チャートは捨てたし自前で買った白チャートは後輩にあげた。もちろん教科書も無い。
というか卒業後も問題集を持っているような人はそもそも『初歩からの数学』とか要らないくらい数学できそうではある。

逆に言うと「大体わかってるし数学に苦手意識も無いが、学校を離れてから計算問題なんてやってないから感覚忘れてるんだよな」みたいな人が雰囲気を思い出すだけなら『演習~』だけでもいいのかも?


初歩"からの"数学

ほんとに初歩からやってくれる。
「さんすう」が「数学」になった最初のところから丁寧に浚う。
スタートは等号・不等号の使い方とかそういうレベル。

で、
そのまま
微分積分まで
やる

「初歩から」とは言ったが初歩で終わるとは言ってねえぞって感じ。
ここで、いや基本定理で終わるんだったら初歩だろうが!と思った方は「数学分からん民」の数学分からんっぷりを甘く見ています。

15の章に分けて進む
1が「数の概念」で15が「積分」

最初に数学に触れたときどこで心を折ったかにもよるのだけれど
たぶん途中までは簡単な復習だったり少し思い出せば理解できたりと余裕なはず。
多くの受講者が途中で「あっここだ 学生時代ここで脱落したわ」というポイントに至るのではないかと思います。

前半「この感じで進むなら案外いけるわ」と思ってると中盤以降で宇宙猫になるため
一定のペースで進めようと計画するより、スタートダッシュでいけるところまで進めてしまって
躓いた単元にたっぷり時間をかけた方がいい気がする。

単位取得の難易度は授業の難易度ではない

まじでこれ。

放送授業をざっくり説明すると、中間テストに相当する「通信指導」と期末テストに相当する「単位認定試験」があって、
通信指導を提出すると単位認定試験が受けられるシステムです。
通信指導は提出さえすれば正答率が低くても成績に影響しないっぽい(?)
(受講予定のひとはちゃんと該当科目のシラバスを確認してね)

とにかく、「単位認定試験で6割とる」「小テストで高得点を揃える」だけで考えれば
べらぼうに難しい科目ではないと感じました。

オンライン授業は試験なしで、(『演習初歩からの数学』の場合は)授業内での小テストによって成績が決まる。
この小テは受験回数に制限が無くて、最高点を評価対象にしてくれる。つまり初回どんなにボロボロでも解き直しすれば完答をお出しできるってわけ。ありがてぇありがてぇ。
それと択一式ゆえに文字を書かなくていいのがバリ助かる。

何度でも挑戦できる小テストのおかげで『演習初歩からの数学』で単位を取ること自体は結構簡単だと思う。
ワルいことを言ってしまえば、
白紙で出して0点の解説ページを見たあと丸写しで再回答すれば満点が取れるシステムなんだから。
……とはいえ、そんなことやって何を得るのかは知らん。

通信指導も早めに問題が公開されるため、じっくり考えて回答を作れます。
試験時間が足りねえ~~~ということはまずない。教材を読み返したり講義を聞き直したりしながら落ち着いて解ける。実際、自分の場合はノートにほぼ答えが書いてあったことで「自分やってたわコレ」となった。
ノート開くまで忘れてたんだから身についてないじゃんか。提出した回答が合ってたらいいんだよ!
文字通り「病的に」字が汚い上、字を書くことに対する疲労がえげつないので回答がWordやExcelで作れるのも嬉しいポイント。

あと単位認定試験をパスすることだけを考えるのであれば、
15単元まんべんなくフワッと分かったような気になる仕上げ方よりも
「ここまではイケる」というところまで固めて、確実に合格点以上を取れるようにした方が安心できそう。
高校数学のおさらいという意味では曖昧でも最後まで駆け抜けることに意味がある気もするので、この辺りは受講者によるかな。

自分は関数論が不得手で幾何や統計は比較的ついていけることから
微積は深追いせず(できず)に場合の数やら論理と集合やらを詰めました。
やっててつらい部分を追い込もうとした末に全体が嫌になる未来が見えた。
娯楽で受講してる放送大学だし面白いとこつまみ食いでもまぁいっか~という不真面目さ。ゆるゆる。


結局どうだったのよ

某都立の高校入試で数学13点だった奴でも○A評価とれたよ
(自校作成問題だったから低いんだろって言われそうだけれど
 違うの、自校作成で平均点が低いからうっかり拾われただけで
 共通問題でも似たような成績だったぞ多分)
ちなみに○A→A→B→C→D→Eの6段階で、C以上が合格。DとEがいわゆる「落単」と言うやつです。

単位をとるだけだったらビビるほどではない難しさだと思う。

でも「どこで躓いたか」「どうやって躓いたか」があぶりだされるので
そこを授業のみで克服しようと思うなら普通に厳しいぞ。
約3年かけて進める高校数学を半年弱で駆け抜けようって講義なんだからそれはそう。

「今やったら楽しめるかもしれない」で触ってみて「やっぱ苦手だわ~」に着地したわけだけれど、
それが確認できたので無駄だった気はしない。

「すうがくぜーんぶニガテ!」ではなく「計算が死ぬほど下手、理詰めで考えること自体はわりと面白がれる」というのも再認識できたしね。
現役高校生のころ漠然と「Ⅰ~Ⅲは全然わからん。A・Bはなんかときどき楽しい瞬間がある。Cは呪文」と思ってたことの答え合わせって感じ。おそらく複素数平面がちんぷんかんぷんなせいで数学Cが辛かったんだろうな。

数学分からん民あるあるの「どこが分からないか分からない」から「ここが分からーん!!!!!」に押し上げる程度には役立つと思います。
ここから各自で深められるか否かが数学分からん民を卒業できるかどうかの分かれ目なのでしょう。


ちなみに自分は今後も数学分からん民です。

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