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7年のライター経験を踏まえ思ったこと。ライターの価値とこれから流行るビジネスモデルとは

こんばんは、デイトラマーケティング責任者の初芝賢(@hatushiba_ken)です。

このnoteでは、デイトラマーケティング責任者・初芝が、フリーランスやwebスキル、あるいはビジネスなどについて、普段Twitterでは言えないような話を本音でしていきます。

※このnoteはながれのほとりさん(@nagare0712)に初芝ラジオを文章化してもらって再構成したものになります。音源が聴きたいという人はこちらをどうぞ。

今日のテーマは「ライターの職能とは」
「ライターの職業能力の価値はどこにあるのか」について話していきます。
結構踏み込んだ内容です。

なんでこんな話をするかというと、ライターで悩んでいる人って結構多いなあと感じているからです。「稼げない」とか、「ライターは誰でもできる仕事なんじゃないかな」とか、「このままやっていていいのか」といった感じで。ライターという職能に悲観的な人が多い。

結論から言うと、僕はそんなことはないと思っています。
ライターが持っている力には非常に価値があるし、生かし方次第ではいくらでも仕事に生かせる。仕事に役立たせることができて、価値を生む。そしてその結果、お金にもつながると思っているんです。

実は僕もライター出身です。学生ライターから新卒で外資系のIT企業に入って、それから起業というキャリアを踏んでいます。そしてこのキャリアは、ライター時代に身につけた職能がなかったら、絶対うまくいっていなかったと思っています。
それぐらいポテンシャルがあるものだと、僕は強く信じているんですね。

でも、ライターの生み出せる価値に気づいていない人は非常に多いです。本当にもったいない。

なのでこのnoteでは
・ライターはどこにポテンシャルがあるのか
・ライターの力とはどこに一番価値があるのか、どの部分を強く押し出していくべきか
・どの能力を生かしてキャリアを考えていくべきか

というヒントになることを書いていきます。

1.ライターの職能とは

まず、ライターの職能について話していきます。
「ライターの力ってなんだろう」と考えたとき、結構いろんな要素があります。リサーチがうまい、構成がうまい、文章がうまいなど、さまざまなポイントがあると思うんですね。

ぼくは大きく分けて、ライターの職能は次の3つに集約されるかなあと思っています。
①情報の収集能力
②情報の構築能力
③表現力

つまり、情報の収集能力×情報の構築能力×表現力
これがライターの総合力だと思っています。

情報収集力とはリサーチ・ヒアリングする力
情報構築力とは、リサーチした情報をうまいことどういう構成にするかなど、集めた情報を取捨選択して再構成する力
表現力は、集めて構築した情報をわかりやすく・説得的な文章にする力。コピーライティングがどうとか接続詞がどうとか文末がどうとか、文章術的なミクロな話はここに含まれます。

ここから先でライターとしての価値を上げる方法を話していきますが、その前に「前提となる文章の価値はどこにあるのか?」について話していきます。

2.文章の価値は「情報」にある

文章の価値はどこにあるか。
さっき話した、収集された情報に価値があるのか、それとも、構成がうまい文章に価値があるのか。あるいは表現力が高い文章に価値があるのか。

いろんな観点があると思いますが、僕は機能的価値を求められるビジネス系の文章において一番価値に直結する要素は「情報」だと考えています。なかなかの暴論です。が、そう強く信じています。

※注:ここで想定しているのはいわゆるビジネス文章です。小説、エッセイのように情緒的な価値を持つもの、PR文章・コピーライティングのような販促に繋げるもの、著者が有名人で付加価値のついているものなどは含んでいません。それ自身が機能的価値を持ち、値段がつくような文章に限定した話と思ってきいてください。

一行でもよい情報、宝となる情報があれば、その文章には価値があります。
逆に、どれだけこぎれいにまとめていたり、巧みな文章表現があったりしても、文章の中にわずかでも新しい情報や、新しいものの見方、切り口といったものがなければ、その文章はのきれいだけど中身がスカスカな文章、価値がない文章になってしまいます。

たとえば、人間にとって、個人の人生にとって非常に重要な情報、たとえば自分の寿命についての情報はどれだけ短くとも価値は非常に高いです
「あなたの寿命は〇歳です」と医者に言われたら、その伝え方がどれだけヘタで、どれだけ冗長であったとしても、その一行があっただけでその情報は自分にとって計り知れない価値になると感じると思います。

価値がある情報≒文章には当然それ自身に高値がつきます。それを生み出せる人も市場から高く評価されます。
マッキンゼーやBCGなどの戦略コンサルが800万人月も取れるのは、彼らのもたらす情報価値が高いからにほかなりません。売上に直結する情報を生み出せるからこそ、戦略コンサルは高給取りなんです。

これは極端な例ですが、文章において情報こそがコアな価値であるということの意味がご理解いただけたでしょうか。

なんでこんな話をしたか。それはここをはき違えている方が非常に多いからなんです。

たとえばライターが文字単価を上げていくにはといった話を見ると、多くの人が些末な表現力の話をしているんですね。文章はこうしましょうとか、同じ語尾を使うのをやめましょうとか、一文は短くしましょうとか。

たしかに文章を書くうえでの個別の技術は大事なんですけれども、それはあくまで表現力、三つ挙げた能力のうちの一つのさらにごく一部でしかない。表現力、つまり枝葉末節の部分なんですよ、はっきり言って。

表現力はあるのが当たり前。特にビジネス系の文章においては、わかりやすく伝えることが至上命題だから、凝った言い回しもメタファーも必要ない。わかりやすく伝える表現力なんてものは前提条件、「これでスタートラインに立てるね」というレベルの話でしかないんですね。(こういうことをツイートすると、変な切り取られ方しちゃって、炎上しちゃうんですが…。)

要するに、文章は違和感なくふつうに読めればいいんですよね。そんなふつうに読めるような文章力を担保するために、個別の技術があると思うんだけど、はっきり言って文章を求めている側からしたら、それは最低限の技術。

ふつうに読める文章が書けたところで、単価がすごく上がることは絶対にありえないんですね、できて当たり前だから。ですから、文章の表現力だけを追及していくのはあまり効率的、本質的ではないなと思っています。

ここが非常に大事なところになってきます。
文章表現力で評価されるのは、コラムニストや、エッセイスト、小説家と、どちらかといえば、クリエイター的な文章を書く人。
このラジオを聞いているような、いわゆるビジネス系の文章や、ビジネスの場に求められる文章を書いている人にとっては、正直、優先順位は非常に低いと思っています。求められる技術の天井も低いので、差別化にもならない。

簡単にまとめると、
文章において一番価値があるのは、その文章が持つ情報そのもの。
だから価値ある情報を作れる人はその人のバリューも上がるよ
と、こういうことです。

逆にいえば、希少性の高い情報を持ってこれる人の文章は価値が高いです。
たとえば東京オリンピックがこの先、中止になるかならないかについての情報を自分だけがつかんでいて、しかもそれが正しかったとしたら。
それってもうめちゃめちゃ価値ある情報ですよね。株価を左右しますし、今後の市場の動きを予想する超重要な要素になります。たとえそれを伝える文章が小学生レベルだったとしても、非常に価値あるものになります。

こんな当たり前の話をしているだけなんですが、それぐらい情報そのものが本質的なものなんです。

こういうことを言うと「表現力を軽視しているのか」てなツッコミが来そうなんですけど、そこに対する反論は本旨ではないのでスキップします。

3.ライターの価値の上げ方とは

情報が大切だとこれでよく分かってもらったと思うんですが、ここで一つ、ネックが生じてしまいます。
文章のバリューに一番影響を与えるのは情報だけど、ここの価値ある情報をライターが持っているかというと、そうではないことが多いんです。
僕はここが一番のネックというか、ジレンマになってくると思っていて。つまりたとえ優れた情報構築能力・表現力を持つライターであっても、その人が優れた情報を持っているかといえば、それは全く別次元の問題なんです。

たとえば、さっきのオリンピックの話もそうですけれども、特別な情報、価値ある情報にはなかなかアクセスできないことが多い。アクセスできないというのは、オープンになっていない場合が多いということ。つまり、そこにアクセスする必要が生じているにもかかわらず、アクセスできるかどうかは、文章力によっては左右されない。
要するに、表現力をいくら磨いたところで、価値ある情報へのアクセス力は上がっていかない。ここが多くのライターが抱えるジレンマなんです。


3.1 ライターの価値の上げ方①情報アクセス力の向上

いくら文章力を磨いても、稼げるようになっている気がしない人は、ここがボトルネックになっているんです。どれだけ表現力を磨いても、それだけではいい情報は手に入れられないから。

情報へのアクセス力のなさが、ライターとしてのボトルネックになってくる。
言いかえれば、ライターとして価値の上げ方の一つ目は、いい情報にアクセスすること。
この情報へのアクセス力を上げることが、ライターの価値を上げる方法になってきます。

3.1.1 情報アクセス力を上げる方法①本や専門誌を読む

情報へのアクセス力を上げるためには、大きく二つの方法があります。
一つ目は、本や専門誌を読むことです。

僕はさっき、「価値ある情報がオープンになっていない」という話をしたんですが、実はそれは厳密に言うと、ちょっと正確ではないんです。

たしかに世の中には、価値があるけど、本当に一部の人しか知ることができない情報があります。
一方で、我々がアクセスできるようなところにも、実は価値ある情報がある。けれども、世の中の人はそれを全然知らない場合が非常に多いんです。

単価が上がらないライターは、かんたんにアクセスできるところにも価値ある情報があることに意外と気づいていない。
それはどうしてかというと、大体インターネットで調べて情報収集して終わり、あるいは、書籍であってもインフルエンサーとかが進めているような定番のビジネス本などから拾ってくるだけの情報収集をしている人が非常に多いからです。

そうなってくると、誰もが知っているような情報をインプットをしているだけで、新しい情報に全くアクセスできない。
希少性の高い情報を持っていない。だからライターとしての価値がなくなってしまうんです。
よく全然深みのない話をする人や自己啓発ポエムを垂れ流す人がいますが、どうしてあんなにうすっぺらいことばかり言ってしまうのかというと、みんながアクセスするような表面的な情報にしかアクセスしていないからなんですね。

でも、世の中には、もっと濃い情報を発信しているところがたくさんあるんですね。
専門誌がまさにそれ。マーケティングで言えば『宣伝会議』とか『販促会議』といった雑誌があるんですけれども、そういう本を読むと、毎月、最新のマーケティング事情が載っていたりする。

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たとえば『販促会議』2021年7月号の特集は「EC"総点検"」なんですね。ここでは色んな会社の事例が紹介されています。
一例として、購買単価1万6000円という顧客単価の高いファッションEC「STRIPE DEPARTMENT(ストデパ)」があります。この会社はは、「十人十色の白シャツ選び」という白シャツ特集をするなど、テーマ+バイヤーこだわりの商品紹介ページを設けているそうです。これなんかは記事コンテンツを活かしたECプロモーションの事例として参考になりますよね。

あるいは専門誌ではないふつうの書籍でも、最新のマニアックな事例について載せている本はたくさんあります。

僕が最近読んだ『地域No.1工務店の「圧倒的に実践する」経営 DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益!』という本はまさにそれです。

地域の工務店がDX化するにあたって行った施策が33個紹介されていて、中には「社員全員でブログを書くようにしたらPVが大幅増加した」「会社沿革のページを文章ではなく動画にしたらよく見られるようになった」「会社説明会を毎日InstagrmaとYouTubeのLIVE配信でしたらそこから8人採用できた」など、面白い話が盛りだくさんです。

このように、人が読まないようないろんな本や専門誌を読むだけでも情報へのアクセス力は上がります。一見目立たなかったり、おもしろくなさそうだったりする本ほど、お宝級の話が載っています。こういうストックがたくさんあると、ライターとして作れる記事の質もワンランク上がってきます。

僕が実際にライターをしていたときも、基本的に本からリサーチして文章をつくったり、話をしたりするようにしていました。また、インタビューから記事をまとめるときには具体的な事例で補足することもあります。(参考例:「今話題のノーコード(NoCode)って?その特徴から未来まで、現役プログラマが徹底解説!」

基本のリサーチができていない人は非常に多いため、本や専門書を見るようにするのはおすすめです。

3.1.2 情報アクセス力を上げる方法②価値ある情報を持っている人に近づく

情報へのアクセス力を高める方法の二つ目は、価値ある情報を持っている人から引き出すことです。

いまはSNSを使えば、結構いろんな人にアクセスできますよね。特定分野に特化したインフルエンサーとか、ビジネスですごい結果を出している人とか。逆に、SNSのフォロワー数は多くないけれども、仕事ではすごい実績を出している人とか。

価値ある情報を持っている人から話を聞き出すことができれば、自分自身が特殊な情報を持っていなくとも価値ある文章を作れます。言ってしまえば、出版社のビジネスなんかまんまこれですよね。市場から求められそうな企画を考え、文章のプロじゃない人から情報を引き出し、構成して本にする。

人から情報を引き出して価値ある文章を作る話については後述します。

3.2 ライターの価値の上げ方②情報構築力の向上

情報の収集、聞き出しができてもそれだけでは価値のある「文章」にはなりません。
集めた情報をわかりやすい文章へと編集・構築することが求められます。

たとえばインタビューで得られる情報は雑多になりがちです。雑談や横道などもあるので。そういった雑多な話を、情報を求めている読み手に対していかに整理するかが非常に大きな課題になってきます。

読者が何を求めているかというペルソナ設定をしたうえで、必要な論点を洗い出して、読みやすいようにする。つまりいかにして論理的に理解しやすい、納得感ある文章へと再構築できるか。ライターとして仕事をするならこの"説得力ある構成を作る力"を高めるが非常に大事だと思っています。

4.情報収集力と情報構築力だけでやってきた自分の話

…と、ここまで情報アクセス力が大事、人から話を引き出すことが大事という話をしましたが、これだけだと空理空論に見えてしまうかもしれません。なのでここから実体験をもとに話していきます

僕はライターを7年やってきて、色んな依頼をされてきました。普通の記事はもちろん、専門的な知識が求められる記事や、雄弁会に所属していた経験からスピーチ原稿を依頼されるなんてこともありました。

でも、頼まれごとが多かったのは僕が特別な情報を持っていたからではありません。ライターを始めた当初は普通の学生ですしね。

僕が評価されていたのは情報収集力と情報構築力、この二つでした。
ネットを駆使した情報収集はもちろん、足を使うことを惜しまなかったのもポイントです。

たとえば過去の事例だと、ある四大公害病についての記事執筆依頼を引き受けたことがあります。そのときは50年以上昔の地方新聞を見るために国会図書館までいきました。そこまで昔の地方新聞だと、いくら国会図書館とはいえ紙で保管してないんですね。マイクロフィルムという映写機で映してみるフィルムで保管してるんです。

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※イメージです。ブログ「僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか」様の「国立国会図書館へ通う」より引用いたしました。

この映写機をカラカラやって必要な箇所を見つけ出し、カウンターにて複写依頼、そうしてもらえたコピーをPCへスキャンして記事に挿入。一つの記事にそこまで手間をかけていました。

最近の時流をリサーチする際にも国会図書館を利用することはよくあります。
二年ほど前、お世話になっている大手企業の専務さんから「フィリピンの人材採用や教育事情についてレポートして欲しい」と頼まれたことがあります。
単純な数値動向や単発の事例なんかはネットでも出て来るけど、競合他社の戦略や突っ込んだ話なんかは見当たらなくって。そのときも国会図書館まで行って色んな専門誌を漁ってクライアントの欲しそうな情報を集め、それをまとめて示唆を加えたレポートを出しました。そのときは今後の事業展開の参考になると大変満足してもらえました。

ちなみに当時は自分のネット・リアルを用いた情報収集術を31ページのマニュアルにまとめていました。そして、仕事をくれるクライアントに「他のライターさんの効率化にも繋がると思うのでよかったら使ってください」と渡していました。他にも執筆効率を上げるテンプレとか資料集とかも作って渡していたり。これら自体は僕が勝手にやってることなので無償でしたが、クライアントには非常に喜んでもらえていまだに仲良くして頂いています。余談になりましたが、クライアントと良好な関係を築くTipsとして参考になれば幸いです。

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※当時作成したマニュアルの一部

少し話が逸れました。
ここまでは国会図書館を使って情報アクセス力を高めるという話でしたが、人から情報を引き出すというのもライターとしてのバリューを上げるために大事な技術です。

過去、僕は二冊の本を出しました。
秀和システム様からの『[誠実系]人気ホストが教える 初対面でも話が弾むキラーフレーズ50』と、KADOKAWA様からの『いちばんかっこいい筋肉のつけ方 やりすぎない筋トレ 食べていい時間は1日8時間』です。
これらはいずれも僕が企画・執筆協力したものですが、見ればわかる通り僕オリジナルの知識じゃないんですね。前者は歌舞伎町ホストから、後者はパーソナルトレーナーから話を引き出してまとめたものです。

僕自身が新しいゼロイチの情報を持っていなくてもいいんです。
価値ある情報を持っている人にインタビューをし、その人の頭の中にだけあった、世に出ていない情報を価値あるものとしてまとめ、表に引っ張り出せれば

こういうバリューの出し方もあると知ってもらえると、ライターとして活動するアイデアの幅もグッと広がります。

情報収集と情報構築。僕は本当にこの2つの能力でやってきました。
だから、もし「文字単価が全然上がらない」とか、「今の作業は誰にでもできる仕事」とかで悩んでいる人がいたら、まずはそこの視点を変えるといいんじゃないかなと思います。

視点を変えるというのは、要するに価値あるコンテンツをつくることにフォーカスを当てるということ。
まずは言われたものを納品するというのも大切ですが、その一歩上の視座に立って、じゃあ、価値あるコンテンツをつくるためにはどうすればいいかという視点を持つ。そしてそのためのスキルを身につけていくことが僕は大事だと思っています。

そして、その価値あるコンテンツをつくるスキルを身につけるには、情報を収集する力とその情報を整理する力が求められてくるというのがここまでの話です。

余談ですが、さらにワンランク上を目指すのであったら、情報収集する手前段階の企画力があるとバリューは跳ね上がります
要はいま世の中でどんなものが求められているかを考えて、リサーチして裏づけをとり、それに合わせた情報を収集し、それらをコンテンツ化して出す。この企画力が非常に大事になっている。だからここまでできるようになれば、ライターとして食いっぱぐれることはまずないです。

5.具体的なビジネスモデルとは?

ただ、これらの能力を活かした具体的な仕事のイメージとしてわいてこない人が多いかもしれません。
そのためにいくつか、ここからは稼ぎ方というか、仕事の仕方の例をお話します。

5.1 ビジネスモデルの具体例①Kindleの出版

一つ目は、Kindleの出版。これは非常に分かりやすい例だと思っています。
要は自分でゼロから本をつくるものです。いまKindleはAmazonでかんたんに出版できるんですね。初期費用ゼロ円で出版ができて、それが売れたら7割のお金が自分のふところに入ってきます。
しかもKindleUnlimiteで無料で読まれたとしても、読まれたら読まれた分だけお金が入ってくる。そういう仕組みがAmazonにあるんですよ。だからいまは、たとえ素人でも文章さえ書ければ、コンテンツを作って売ることができるんですね。

Kindleを自分でゼロからつくって売るのは、ライターとしての経験値をワンランク上げる経験になると僕は考えています。世の中でいまどういう情報が必要とされているのかを考え、企画を立て、実際に調べ、有識者にインタビューするなどして話を引き出し、コンテンツ化してまとめてkindleとして出版する。こういう経験を一回でもしていると、視野の広がり方が段違いです

さっき僕が紹介したホストの本も、実は一冊のKindle本から生まれたものです。今から5年前にKindleで出した『歌舞伎町ホストがこっそり教える「もっと話したい!」と思われる人になる最強のフレーズ厳選20選!! 』が元になっています。
当時はフォロワーもいなかったため、この本はSNSでの告知は一切ありませんでした。でも多くの人に読まれて上位にランクインし、良質な口コミも多かったためロングセラーとなりました。売上総額も100万円を超えています。
この実績をもとに企画書を作り、出版社に打診して生まれたのが『[誠実系]人気ホストが教える 初対面でも話が弾むキラーフレーズ50』です。フォロワーゼロ、コネゼロ、リストゼロから出版までいけたのはかなり異例のことと思います

自分で企画を考えてコンテンツを出す経験をする。これはマーケティング視点を持ったライターになるためにも有効なステップだと思います。(売れる電子書籍を出すためのノウハウもあるのですが、それだけで数万字いっているため割愛します)

5.2 ビジネスモデルの具体例②インフルエンサーとの業務提携

二つ目は、これちょっと特殊なやり方なんですけれども、インフルエンサーとの業務提携も非常にアリかなと思います。業務提携というと大げさですが、簡単にいうとゴーストライターです。

インフルエンサーはコンテンツを持っていて、自分のコンテンツを販売する販路、要はリスト、フォロワーがいるにもかかわらず、時間がない人なんですね。

なので、彼らに対してアプローチして、
「あなたのブログやYouTubeとかを全部勝手に見させてもらいましたが、こんな内容のnoteなり本なりを作らせてください。あなたが書いたようにゴーストライティングして、あなたのファンが好きそうな情報に整理して出します。なので、売上の何パーセントかを私にください」
という手法が考えられます。報酬のもらい方はショットでもいいですが。

これだと価値ある情報をインフルエンサーや有識者から拾ってくることができるので、情報がないというライターとしてのウイークポイントを補ってコンテンツを作成できます
自分自身が特別な情報を持っていなくても、価値あるコンテンツがつくり出せる。その点で、インフルエンサーや有識者と組むのは非常に有益な方法です。

実際、昔僕もある人の有料noteのゴーストライターをレベシェアで請けたことがあります。そのときは三日で10万円の売上だったので、3万円の報酬になりました。その後の売上補足が面倒になってそれ以降はもらっていないのですが、きっちりもらっていたらそれなりの額になっていたかと思います。

こういうレベニューシェア型、売上げをシェアする形でのゴーストライター業とかコンテンツエディター業は、今後需要が増えていくと考えています。いまはnoteにしてもKindleにしても収益分配機能がないという機能的制約がネックとなっていますが、それさえクリアできたら一般的になるでしょう。同じことをやってるのが出版社なので
だから今後、こういうところをねらっていくのはアリだなあと思っています。

いまはまだそこで誰もブランディングしていないから、もしもそういうブランディングができたら入れ食いになります。

売れるコンテンツのゴーストライティングができるというブランディングをして、いろんなコンテンツの作成代行を行う。
自分がコンテンツ作成代行をできるという認知を広め、ブランディングに成功したなら、次はノウハウをマニュアル化して自分の部下に教え、編プロとして組織化する。それがこの商売を拡大していくときの流れです。

これは言ってしまえば出版社みたいなものなんですよ。
しかも昔の旧態依然とした出版社ではなくて、紙の在庫を全く持たない出版社。出版社の持つ編集機能だけを切り離した新しい形態。これは時流にも合ってバリューが高いので、今後広まっていくでしょう。


おまけとして、以下みたいなビジネスもこれから伸びるよというのを二つ紹介します。


おわりに

ちょっと長くなってしまいましたが、ざっくりまとめると、
「文章の価値は情報自体、情報の持つ価値そのものにあって、どんな情報を含んでいるかが文章の価値と直結する。
だから、いい情報をつかむことが非常に大事」
というお話でした。

そんな価値ある情報をつかむためには、
「専門誌や本など、普通の人がアクセスしないような情報にアクセスする。
あるいは、そういった知見を持っている人、知見は持っているけど表に出していない人から引き出す」

という手法があります。
この情報アクセス力が上げられたら、価値あるコンテンツがつくれるようになるので仕事に困りません。

その価値あるコンテンツの具体的な出し方として、
Kindleなどの電子媒体を自分で企画・出版する
インフルエンサーのゴーストライターをする

などはかなり良い経験になるんじゃないかなぁと考えています。

長くなってしまいましたが、今日のお話はこの辺になります。

もし、感想などがありましたらぜひTwitterでシェアしてください!
僕のツイッター(@hatushiba_ken)へのリプをつけてくれたら見落としがないので非常に嬉しいです。

また、Stand.fmの初芝ラジオではいつもこんな感じの話をしています。
「こういう話をしてほしい!」という御要望がありましたら、
ぜひぜひ、リクエストしてください。

長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました!


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