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君に降る雨

ミユキは「雪山を歩いてみようかな?」と手袋をはめて、雪山を歩いて行った。
その頃、シュウジが居て「あ、どうも。ここらでは見かけ無い顔だね」とミユキに対してお辞儀をした。
ノノカも、ミユキに誘われて雪山を歩く事になった。
ノノカの前から、ピューと雪風が吹いて来ていた。
ノノカは「寒い。どうしてこんなに雪山は寒いの?」と肩を震わせ、身体を縮こませた。
ミユキは「大丈夫?ノノカ。寒くて無理だったら、雪山を下山して大丈夫だからね」と優しい言葉を掛けた。
ノノカが「うん、ありがとう。もし無理だったら山を下山しようかな」と半分諦めていたのだが、しばらく行くと、セイジが熊に襲われた現場に来るとミユキは涙が止まらなかった。
ミユキは、あの時の思い出がフツフツとよみがえってくるようで少し身震いをした。
ノノカが「大丈夫?ミユキ。此処で何があったの?」と聞いて来たので、ミユキが「此処はね、私の事を身を呈して熊から守ってくれた、セイジさんが倒れていた場所だよ」とノノカに説明をした。
ノノカが「そうなんだ。寒くて痛かったろうな」とセイジの気持ちに立って考えていた。
ミユキ達は、その先を急いで歩いていくと、そこには、あの時と同じようにログハウスが一軒立っていた。
ノノカが「ね?このログハウスは?寒いから入らない?」とミユキに声を掛けた。
ミユキが「此処はね、セイジさんと一緒に寝ていた場所で私がお腹空いたって言ったらカップラーメンを出してくれたの。セイジさんは疲れて寝ていたけどね」と今までの記憶がよみがえってきていた。
ミユキは笑顔で、今までの思い出を話していた。
ノノカが「そうなんだ。思い出の場所なんだね」とミユキの話を真面目に聞いていた。
ミユキとノノカは、薪で火を起こし、あの時のように暖炉に手を当てて身体を温めていた。


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