スローな社会文化「都市でのスローライフの楽しみ方2」

これまでの続き

こんばんは。前回は、都市で生活する人がスローなライフスタイルを享受する方法として、
都市型農業に参加する/家庭菜園を行う 
を挙げました。
ここでは近年、様々な栽培技術が取り入れられ、より気軽に愉しめるようになっている「家庭菜園」について取り上げます。

1.都市型農業に参加する/家庭菜園を行う

みなさんは土の要らない「水耕栽培」をご存知でしょうか。
今や自宅で簡単に育てられる水耕栽培による栽培キットの開発が進められています。まずは、その定義を見てみましょう。

水耕栽培とは土を使わず水と液体肥料(養液)で植物を育てる方法で、近年各地で建設している植物工場は水耕栽培方式が主流です。
水耕栽培は溶液栽培の一つで、ハイドロカルチャーとも言います。
水耕栽培は植物の根の部分を肥料が入った水(溶液)に浸し、必要な水、養分と酸素を根から吸収させます。
水耕栽培する部屋は屋外と遮断したり、養液を衛生的に管理をすることで病気の無い健康的な無農薬植物が育ち、季節に関係なく計画的な栽培ができます。

Living Farm. 「水耕栽培とは」
https://www.living-farm.com/category/1522845.html, (参照 2022-03-21)

つまり、養分を含んだ水を用いることで、害虫の心配となる土のない栽培が室内でできるのです。育てられる植物の種類も豊富で、バジルやミントなどのハーブ類、カイワレやブロッコリースプラウトといったスプラウト類、アボカドやにんじんのような野菜が挙げられます。

先日お伺いした日本橋のパソナグループ本社では、なすびが天井になっていました。

また、この「水耕栽培」を応用したものに「アクアポニックス」があります。アクアポニックスは、アクアリウムと複合することで、栄養分を含んだ水が循環し、肥料なしで植物を育てるしくみです。魚の餌がフンとなり、バクテリアがそれを分解し、それを植物が栄養分として吸収します。このサイクルが回ることで、水を再利用し続けることが可能になります。

実際、家庭内でも実践できるよう、DIYマニュアルがネットに上がっておりますので、一度ご確認してみてはいかがでしょうか?
「OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町」に設置された屋上ファーム「AGRIKO FARM 桜新町」では、このアクアポニックスによりその日に収穫した新鮮野菜が1階でふるまわれる取組みが行われていました。

「Creating Urban Agricultural Systems An Integrated Approach to Design」Gundula Proksch
https://www.researchgate.net/publication/337292445_Creating_Urban_Agricultural_Systems_An_Integrated_Approach_to_Designより抜粋

以上に挙げたような仕組みは、都市内であっても楽しむことができるものであり、これからの都市型農業の基盤となる栽培方法であると言えます。
家庭から法人まで、いつでもどこでも始めることができることにも魅力があるのではないでしょうか。(2022.06.18)


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