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地域CL2021岩手ラウンド2日目レポート

 地域CL岩手ラウンド2日目は、クリアソン新宿がコバルトーレ女川に、おこしやす京都がFCバレイン下関に勝利した。他会場の結果により2連勝の両チームの決勝ラウンド進出が決定。明日の第2試合で行われる両者の直接対決の結果いかんで、1位突破かワイルドカードかが決まる。


コバルトーレ女川1-2クリアソン新宿

寸評:昨日とは異なり晴れ間が覗く一戦となったこの日は、立ち上がりからクリアソンが攻勢をかける。女川も積極的に裏のスペースを狙いながら、一進一退の攻防を繰り広げた。しかし、飲水タイム明けの28分、大谷のゴールでクリアソンが試合を動かした。
集中した守りで0で折り返したクリアソンは61分、カウンターの流れから池谷がロングシュートを突き刺して追加点。攻撃的なカードを切りながら必死に食らいつく女川は、83分にPKを決めて1点を返すも反撃はここまで。クリアソンが初の地域CLで2連勝とした。


クリアソン新宿:大谷真史選手
「さっき初戦が終わったんじゃないかってくらいスピード感のある連戦の中で、全員が同じ方向を向いて勝利を目指せました。試合始まってから、コバルトーレさんも勢いのあるチームだとわかっていたので、絶対に飲まれないという気持ちでみんなで戦えました。本当に走る力、声の力、戦う力、そういうもので上回れたと思います」

Q.得点シーンについて
「最近ゴールから遠くなっていて、その原因を探したり葛藤したりしながら進んでました。自分はストライカーとして、攻撃を引っ張る者として、何をすべきかを整理して臨みました。瀬川選手がゴリゴリと運んでくれた。あそこに来ることはわかっていたので、準備し続けた結果ゴールが生まれたと思います」

Q.連戦の疲労は?
「疲労はどう乗り越えるかが大事。僕たちのチームは笑いが沢山ある。雰囲気って疲労を軽減してくれる、気にさせないものにしてくれると思ってます。そういったチームの中で出てないメンバーが本当に声を出して盛り上げてくれる。夕食の時に笑いをとってくれる。そんな選手がいるから疲労や目に見えないものに負けないんじゃないかなと思います。もちろんキツいですけど、それを上回ってるような感じです。チームの運営の方々が(疲労にも)配慮して、ホテルのご飯だったり銭湯だったり移動の手配だったり、様々なことをスムーズに行ってくれてます。言い訳できない状況をチームの方々が作ってくださってるので、僕たちはそこに対して真摯に向き合って丁寧に準備しています。特別何かをやってるわけじゃないですけど、1つ1つのことを丁寧に準備進めてます。疲労以上にもっと楽しもうという意識を全員で持ててます」

Q.今年のチームの雰囲気は?
「1人1人がクリアソンという組織に対して自分を任せてない。自分がクリアソンを盛り上げていくんだという気持ちを1人1人が主体性を持って臨めてます。人任せにしなかったり、そうした態度がこのチームの雰囲気を作ってますし勝利につながってます。1人だけ雰囲気を盛り上げようとする人がいても無理。それ(盛り上げる気持ち)がつながって1つの輪になって大きな力を生み出してると思います」

Q.大谷選手は昨年グルージャ盛岡に所属していました。いわぎんスタジアムに帰ってくる形になりましたが?
「昨年も良い経験をさせていただきました。グルージャのスタッフやメンバーの方々に色んな刺激を与えてもらった上でここに立たせてもらってます。ひと回り違った、大きくなった自分を見せることが恩返しだと思います。そこ(グルージャに関わる人々)に対する感謝を忘れずに戦おうと決めてました。この岩手の大地、広大な大地を味方にして思い切りプレーしたいと思います。本当に運命的なものを感じました。まさかここでやるとは、と。昨年色んな刺激をこの地でいただいて、成長させていただいて、そういったものを含めて今の実力や能力を爆発させたいと思って意気込んでこの地にやってきました。控えめに言ってめちゃくちゃ楽しいです」

Q.明日の意気込みを
「とことんゴールを目指す。とことん貪欲にゴールに向かっていく。それだけを意識して。あとはチームのために体を張る。それを徹底してやっていくことを目標にしています。周りへの感謝を忘れず謙虚にひたむきに戦っていきたいと思います。明日のテーマは元気です。明日も元気。今日以上に元気でいこうとみんなまとまってます。今日より元気な試合になると思います」


クリアソン新宿:池谷友喜選手
「前半からチャンスを作れている中で中々ゴールを決められない展開でした。みんなで焦れずに攻め続けることができたから2点取れました。最後に失点してしまいましたが、全体的な流れは良かったと思います」

Q.スーパーゴールでした
「相手のFKになったときに自分の前にスペース空いてる感覚がありました。ニアで弾いたらいけるんじゃないかというのは事前に確認していて。パス出してくれた西山(大輝)も感じてくれていて、それがゴールにつながった一番の要因です。個人的にはクリアソンの練習でボールを前に出して走ってシュートを打つ練習をします。それをイメージして、がむしゃらにボールに向かって真っ直ぐ走って。そうしたらキーパー出てるのわかったのでそのまま打ち切ったら入りました」

Q.昨日との違いは?
「成山監督もよく言いますが、昨日の自分より今日の自分。常に過去最高、自分史上最高を更新し続けようという話をしています。昨日よりもチームを良くしたいと思いますし、昨日よりも強いクリアソンをピッチで見せたいと思って挑んでます。連戦ですけど何事もなかったような感じで。キツいのは相手も一緒ですし、その中で自分たちがどうありたいか、自分たちのサッカー、自分たちの姿勢を貫くことがクリアソンの良さです。みんなで強くなってる感覚、一戦一戦強くなって、これから続いていく目標のために1日1日強くなりたいと思っています」

Q.クリアソンでプレーする意義は?
「本当に良いチームですし自分が本当に輝ける場所です。プロで3年間プレーしたんですが、どこか虚しさを感じていました。良い意味でも悪い意味でも個人主義の世界ですから。それが良い世界だとは思いつつも、自分のやりたいサッカーを考えた時に、仲間のつながりや自分たちがどうありたいかという部分だと思いました。それを叶えられるのがクリアソンです。ここだったらプロの時より走れるし幸せにサッカーできるんじゃないか、と。自分のやりたいサッカーをもっと出せる。つながりの強いチームで、自分たちがどうありたいのかを常に追求していけるチームです。(我々は)ビジネスしながらサッカーしてます。問われてるというか、言い訳にしたいことも沢山あります。移動中だって仕事してますから。その中で自分たちは言い訳しない。だからこそ、自分たちのできるサッカーを貫く。サッカーにかける熱量をピッチで出せる。とても良いチームです」

Q.応援してくださる方へのメッセージを
「決勝ラウンドが東京でできるということで、チームみんなで東京でやりたい、沢山の人たちの前でプレーしたいという話をしています。今パブリックビューイングもやってますので、そういったところでみんなとつながり合ってやっていけたら良いと思います。みんなであと1つ勝って東京に帰りたいので、これからも応援よろしくお願いします」


おこしやす京都1-0バレイン下関

寸評:立ち上がりから強度高く前へ進むお京都に対し、バレインはカウンターから好機を作る。すると、徐々に流れはバレインに。多彩な攻めで翻弄すると、たまらずお京都はイブラヒムを投入。しかし、互いにスコアは動かず前半を終えた。
ハーフタイムに更に2枚替えを敢行したお京都は徐々に攻勢を強める。すると62分、抜け出したイブラヒムを倒した岩本が一発退場。数的有利となったお京都は67分に尾本のゴールで先制する。これで一気に流れを掴んだお京都は試合終了間際にもCKのカウンターからイブラヒムがトドメの追加点。2戦連続の完封勝利で明日のクリアソン戦に臨む。


おこしやす京都:瀧原直彬監督
「うちは強度高くやってきたので2日目も強度高くという入りで臨みました。ただ前半は疲労感を感じてるところもあったので、早めの交代を意識して勝ち点3を取りに行きました。イブラヒムの投入は守備でもう1回スイッチを入れよう、と。バレインさんが上手くつないでくるチームというのは想定していました。立ち上がりから行こうというプランだったんですけど、多少の疲労感は見えたので早い交代を切ったという形です」

Q.ハーフタイムの交代について
「勝ちに行くぞというメッセージを選手に伝えました。特に原一樹が得点を取るという意思を出せる選手なので、そこをチームに伝えるために交代しました。相手の3バックにプレッシャーをかけて、自分たちがやってきたプレッシャーをかけて高い位置からの攻撃をやろうというところです。もう1度ギアを入れよう、と」

Q.尾本選手について
「信頼して出してますし経験のある選手が大きな大会では結果出してくれると思ってます。セットプレーは彼の強みなので、守備でも声かけてやってくれましたし、ディフェンス面とプラスアルファで期待に応えてくれました」

Q.選手のコンディションや雰囲気は?
「2連勝したのでチームとしてはすごく良い形です。明日もこれまで以上の高い強度で(やろう)というところで最後締めました」

Q.明日の意気込みを
「元々勝ち点9を取って突破という目標を掲げて来てます。しっかり目の前の相手を倒して勝ち点9で突破したいと感じてます」

Q.クリアソンの印象は?
「チームとしてまとまっていて選手同士が声をかけ合って素晴らしい雰囲気でやられてる素晴らしいチームだと感じてます。自分たちもそういうチームを目指していますし、良いライバルというか、全チームそうですけど勝ちたい相手だと思ってます」


おこしやす京都:尾本敬選手
「今日次第でサッカーを続けられるか、ここで終わるかというところで、自分としては良い準備をして臨むことを心がけました。(得点は)CKのセカンドボール(の流れ)で、絶対来ると思ってました。良いところに走り込めましたし、ああいう形で点取ってきたので良い準備ができました」

Q.先発を言い渡された時は?
「全試合準備してますし昨日も準備はしてました。変わらず今までやってきたことをやるというところです」

Q.明日の意気込みを
「3連勝して決勝ラウンドに臨めるようにチーム全員でリセットして、目の前の試合、目の前の相手に立ち向かっていくことを明日またやります」

Q.前半押し込まれる時間帯もありましたが?
「みんなちょっと体が昨日の影響で重くて、中々ギアが上がらなかった。バレインさんがブロックを敷いて持たされる感じになってしまった。そこでカウンターを食らいました。ただ慌てず後半勝負と想定していましたし、慌てずにチームとしてしっかりやれたことが良かったと思います」

Q.流れを変えた場面は?
「後半になってだいぶ前に行けるような感じはありました。(自分たちのサッカーを)続けてればいつか点が入ると感じてました。焦れずに続けたことが大事だったと思います」

Q.2018-19年にかけてブラウブリッツ秋田でプレーしてましたが、現役最後の年に地域CLで東北でプレーできたことをどのように感じてますか?
「今日も東北っぽい天気で懐かしかったです(笑)。もう1回東北でプレーできたのは良かったです。ですが、どこでプレーしても自分がやることは変わらないので、残りの試合しっかりと自分のやってきたサッカー人生を体現できればと思ってます」


おこしやす京都:イブラヒム選手
「ピッチが滑りやすかったことで最初の方は難しかったですが、その中でコミュニケーションをとってゴールを決めることができました。(交代の際は)監督の決断で、相手のディフェンダーが遅い、と。自分のようなスピードとパワーのある選手は生きるので、自分が入ることで流れを変えようと思いました」

Q.今大会について
「2年前はちょっとしたミスで昇格を逃しています。今年は絶対に昇格したいという思いが自分のモチベーションにつながっています」

Q.意気込みを
「コロナの影響でサポーターが会場に足を運ぶことは難しい状況になってますが、遠くでサポートしていただいてる方に感謝しながら結果を残したいと思っています」

Q.盛岡の印象は?
「騒音がなくて静かな落ち着いた街で住みやすい印象です」

取材・文:湯郷五月

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