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地域CL2021岩手ラウンド3日目レポート

 地域CL岩手ラウンド3日目は、女川がバレイン下関に、お京都がクリアソンに勝利した。これによりお京都がグループ首位で、クリアソンがワイルドカードで決勝ラウンドに進出することになった。決勝ラウンドは24日より味の素フィールド西が丘で行われる。


コバルトーレ女川1-0バレイン下関

寸評:既に敗退が決まっている両チームの一戦だが、意地と誇りをかけて互いにアグレッシブさを失わない。しかし、女川は4本、バレインは2本のシュートに終わり、スコアレスで折り返した。
後半も互いに交代カードを切りながら積極性を失わない。すると70分、相手GKのミスを突いて野口が無人のゴールに流し込む。リードを得た女川はバレインを封じ込め、最終戦で初勝利。来季につながる白星を得て女川に帰ることになった。


FCバレイン下関:米澤康太選手
「自分たちのチームより格上のチームが3チーム。どれだけ勝ち点を取れるかという感じで3試合戦いましたが、どのチームも最後の決めるところがハッキリしてて、格上だと改めて感じました」

Q.米澤選手はJ.FC.MIYAZAKI時代に地域CLに出場してますが?
「前回はチームの団結力が少なかったと思うんですが、今回はみんなチームで団結してプレーできました。結果は出なかったんですけど、とても良い内容でサッカーできたので良かったと思います」

Q.選手間の仲は?
「自分は(チーム内で)年齢が上の方なので色々要求や指示をしてます。それに対してみんなが共通意識を持ってできてることが良い試合内容につながったと思います。みんなで楽しく結果を残せればという気持ちで臨めました」

Q.来年の抱負を
「まだまだ若いチームです。もう1年みんなでチームを作り上げて、来年は中国リーグチャンピオンになって地域CLに戻って来られるようにがんばります」

Q.今年最後の公式戦ということでどんなものを出そうと思いましたか?
「連敗して落ち込んでる人もいましたが、寄付金をしてくださった方やスポンサーの方々のためにも下関に最後勝ち点3を持って帰ろうという気持ちでがんばりました……(思わず涙ぐんでしまう)。最後結果出なかったんですけど……最後みんなでがんばれて良かったと思います」

Q.東北の気候は?
「自分たちは朝練習なので寒い中トレーニングしてます。あんまり寒いという感じはなかったと思います。その中でしっかり体を動かせてるかと言ったら結果につながってないので、もうちょっとチームで色々できたんじゃないかと思います」

Q.フェアプレー精神を徹底してるように見えましたが?
「僕たちも相手チームもみんな大人です。色々しょうがないファウルもあると思いますけど、それに対して審判に言うとか仲間同士で言うということはほとんどなくて。チームとしてはアグレッシブにという意向をみんなで熱く(表現して)、フェアプレーも含めて気持ちを出してやれてたので良かったと思います」

Q.内容的な手応えは?
「意外とつなげた印象です。それを発揮できて、結果は出なかったんですけど他のチームにも脅威を見せれたと思います。内容的にはちょっと爪痕を残せたかなと思います。ただ、自分たちがミスで失点してしまった。そこを自分たちでしっかり修正してできればもうちょっと戦えたのかなと思います」


おこしやす京都3-2クリアソン新宿

寸評:既に突破が決まっている両チームはターンオーバーを敢行。先発を全員入れ替えたクリアソンは、CKからネットを揺らす場面があったもののオフサイドで得点を認められず。お京都も強度高く臨んだが互いに無得点で折り返した。
お京都はハーフタイムに3枚替えを敢行すると53分、入ったばかりの青戸が決めて先制。しかし、すぐさまクリアソンも反撃に転じ、57分に大和田が決めて同点に追いついた。ところが、2分後に青戸がドッピエッタ。目まぐるしく展開が変わっていく。
互いに勝利への執念を失わない一戦は83分、岡野が決めてクリアソンが再び同点。しかし、ドラマは終盤に待っていた。アディショナルタイム、クロスを青戸が叩き込んでなんとハットトリックを達成。劇的な形で首位通過を決めた。


おこしやす京都:青戸翔選手
「1、2試合目は個人として悔しい試合でした。決勝ラウンド進出は決まってましたが決勝トーナメントにつながるゲームにしたかった。ハットトリックしかないなと思ってて、実現できて良かったです。自分が出たらどう点を取ったら良いか、味方の動きや相手の動きを見てこうしたら良いかとベンチからイメージは作ってました。個人としては不甲斐なかったので決勝ラウンドではこれを力にして爆発したいと思います」

Q.今後への意気込み
「ハラハラする展開でしたがチームが1つになって決勝ラウンドも戦っていくので応援よろしくお願いします」

Q.先発出場と途中出場、どちらがやりやすいですか?
「その試合によって変わります。どちらでも、自分のストロングが出る試合の流れになったら結果を出せると思います」

Q.原一樹選手からどんなことを学んでますか?
「Jリーグの舞台でも限られた時間の中で結果を出してきた方。僕たちもFWが3人いて限られた時間の中でやってきてる。その中でどう結果を出すかが大事。自分も出た時間で何かを示さないとなとめちゃくちゃ感じます」

Q.関東リーグ時代でもクリアソンと対戦してますが?
「相手もだいぶ変わったと聞いてます。相手がメンバーいじってきてるのもわかってたので別物と考えて、決勝ラウンドでも勝ちたいと思います」


おこしやす京都:瀧原直彬監督
「3日目こそ強度高くというテーマを掲げてやってきた中で、それを証明できた試合だったと感じてます。選手が3日間全力を出してくれたと思います」

Q.クリアソンが先発全員入れ替えてきましたが?
「フレッシュなメンバーということもあって、だからこそ走り勝とうと思ってました。後半流れが行ったり来たりしたところが課題でもありますが、そこでしっかり走り勝って最後に得点取り切ったというのは選手たちが出し切ってくれたからだと思います」

Q.ハーフタイムの指示は?
「0-0だったので勝ちにいこう、と。良い形の攻撃もできてたので、更に攻撃でスイッチを入れたいというところもありました。アクションを起こしていこうというところで交代しました」

Q.青戸選手の評価は?
「2日間悔しい思いをしていたと思いますし、昨日も早めに代わった。そういったところ(悔しい気持ち)を結果で示してくれたと思いますし、素晴らしい活躍をしてくれたと考えています」

Q.対戦した3チームの印象は?
「3チームとも素晴らしいチームでした。僕たちも特徴持ってやってますけども、コバルトーレさん、バレインさん、クリアソンさん、それぞれの特徴を持った素晴らしいチームでした。そういったチームと戦えてすごく嬉しかったですし、また決勝ラウンドでクリアソンさんとも他の新しい2チームとも新しいところで戦えるところもすごく楽しみです」

Q.決勝ラウンドへの意気込みを
「これまで色んな方々に悔しい思いをさせてきてます。決勝ラウンドもクラブとして何度目かというところ。今年こそは(昇格する)という思いを持って、良い準備をして3試合迎えられるように、勝ち点9を取れるようにがんばりたいと思います」


クリアソン新宿:大和田歩夢選手
「そこまで地域CLだからという意識はしてませんでした。いつも通り試合に臨めたと思います。いつも良い準備して、1、2試合目はメンバーには入れなかったですけど、いつどうなっても入れるように準備はしてきました。そこまで緊張せずやれたと思ってます」

Q.メンバーが替わっても一体感を感じました
「誰が出ても一体感は大切にしてるチームです。僕もキャラクター的に盛り上げ役で。チーム全体として大事にしてます。今日はいつも出てるメンバーがベンチだったんですけど、いつも通り盛り上げてくれて入りやすかったし頼もしかったです」

Q.得点について
「実は連戦のシミュレーションを2〜3週間前くらいにしていて、そのときも渥美からクロスをもらって僕がダイビングヘッドで決めるというのがあって。あそこで渥美が持った瞬間に中に絶対来るなと信じていつも走ってます。それが結果につながったので、渥美に感謝してます」

Q.手応えを得られた部分は?
「結果的には負けてしまいましたが、2度追いついた。点を取られても沈まない、そこから取り返せる。そういった力強さはうちの強みです。最後取られてしまったので、そこはもう1回良い準備をして決勝ラウンドはこうならないように先手先手で攻めていければと思ってます」

Q.今後の意気込みを
「いつも応援してくださる皆様、ありがとうございます。最終日にメンバーが替わって負けてしまったのはすごい悔しいです。1日目、2日目、いつも出てるメンバーが勝ってつないでくれたにもかかわらず勝ちきれなかった。手応えある部分もありますし、リベンジしたい気持ちもあります。東京帰ってみんなで鍛えて西が丘で優勝を決められればと思います。また帰ってがんばります」


クリアソン新宿:岡野周太選手
「率直に悔しいです。2度追いついてからひっくり返してやろうというところで最後相手に持っていかれた。本当に悔しいの一言につきます」

Q.先発全員入れ替わりましたが?
「僕自身左足のキックを武器にしてるので、クロスなりシュートなりで発揮しようと思ってました。(全体的な指示は)メンバー30人全員で勝つぞ、と。形式上メンバーは入れ替わりましたけども、戦力入れ替えの意図ではなく、決勝ラウンドに向けてチームとして底上げしていくところ。いつもやってることを自信持ってやれ、と。しっかり勢いで勝ちに行け、と。あり方について伝えられました」

Q.得点の場面について
「あんまり覚えてなくて(笑)。自分の足元にこだわってきたので、ゴール前でしたし迷わず振り抜きました。自分出れてない期間が長いので、自分の左足を見せる機会もなくて。リーグ戦でも爪痕を残せる機会がなかった。そういったところで1つ、自分の良さを出せたのはすごく嬉しいし良かったと思います」

Q.手応えと課題は?
「個人的にこのレベル感である程度できるなと思いました。課題としては失点のところ。最後に僕がクリアして出ていって、もう1回取られて失点した。そこで苦しい状況でも出ていって、取られたら戻るといった1つのプレーを出せるかどうかといったところが課題です」

Q.決勝ラウンドへの意気込みを
「僕自身現状出られてない立ち位置です。試合に絡んでいくことを個人的にやりたいと思ってます。実際に出て今日みたいに点取れればなお良いですし、そうでなくてもガツガツやるというのがチームの雰囲気で、底上げにもつながる。そこがやれればなお良いと思ってます。個人のレベルアップとチームのレベルアップを一緒に考えながら、決勝ラウンドでより成長した姿で戦って勝ち抜いていければと思ってます。地域の方々が応援してくれていて、地域活動を通じて感じるのは、コミュニティの中で関わりが深い街がある。そういった人たちが家族や親戚のように応援してくれてます。そういったところにすごく愛を感じます。そういった人たちのために決勝ラウンド勝ち抜いていけたらと思ってます。これからも応援いただければと思います」

Q.アメリカの大学でプレーしてましたがその経験も踏まえてクリアソンの良さは?
「アメリカ時代は多様性に魅力を感じてました。人種のるつぼと言われるくらいで、僕がいたサッカー部は10ヵ国以上の国から仲間が集まってきてました。最初はまとまりがないんですけど、後々それぞれの良さを引き出して認め合っていく。ウィークの部分を補い合う。良さを消さない。良さを引き出した中でまとまっていく、というところがアメリカの良さでした。それがクリアソンに近しい部分です。日本でサッカーしてたときは、組織に合わせるあまり個人のストロングが出なくなることも感じてて。クリアソンでは自分の良さをありのまま出せる。ストロングはありのまま出てる。そういったところに魅力を感じます」

取材・文:湯郷五月


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